山形県の環境と観光産業を守る会

山形県上山市川口地区に建設予定の清掃工場(2018年12月から「エネルギー回収施設(川口)」として稼働開始)に関する詳細、および諸問題について

澄んだ空気と水 第49号 2016.08.21 (日) 発行

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上山市でごみ弁連総会が開催されました !

 平成28年7月31日(日)から翌8月 1日(月)の2日間に渡り、山形県上山市に おいて おいて、ごみ弁連(たたかう住民とともに ゴミ問題の解決を目指す弁護士連絡会) の集会及び総会が開催されました。 昨年は、岡山県において火葬場問題、 産廃処分場問題について話し合われましたが、 たが、今年は東北山形での開催となり、上山市川口に建設が予定されている「ガス化溶融炉」問題や、福島県を起点とする、いわゆる 「放射能ごみ」について多面的に話し合いが行われましたので、その概要について報告致し ます。 初日7月31日(日)は、13:00 に集会が始まりました。全国から集まられた「ごみ(一般ご み、産廃放射能ごみ等々)」に関する問題を抱えていらっしゃる住民の方、議員、企業、その裁判に関わってこられた弁護士さんたちが次々に登壇し、講演と事例発表を行いました。

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13:00 から始まった集会の様子


セッションⅠ 山形市上山市での山形広域環境事務組合の現状について

基調報告 上山市川口地区に建設予定の清掃工場をめぐる問題
     ごみ弁連事務局長 坂本博之

これまでの経緯(詳細説明概要)
平成11年 新清掃工場用地選定に着手
平成18年03月 上山市柏木地区を候補地に選定
平成22年08月 上山市柏木地区を断念、2 工場方式に転換を表明
平成22年11月  2 カ所の候補地として山形市立谷川、上山市大石陰を選定
平成23年11月  1 か所を山形市立谷川に決定
平成24年02月 上山市大石陰地区への建設を断念
平成24年05月 上山市市民検討委員会発足
平成24年06月 上山市市民検討委員会第5回会合にて市長に報告書提出
平成24年08月 組合臨時総会にて上山市川口を含む最終3候補地を発表
平成24年09月 上山市川口にて反対運動開始
平成24年10月 建設反対署名簿を 組合管理者及び議長に提出
平成24年12月 組合管理者が「建設地を上山市川口に決定」と公表
平成25年02月 組合の全員協議会の席で上山市川口に決定
平成25年04月 虚偽公文書作成罪で上山市職員を上山署に刑事告発
平成26年12月 予定地土地買入価格に関し、住民監査請求(翌年2月棄却)
平成27年02月 組合に対する新橋架橋建設住民監査請求(3月棄却)
平成27年02月 山形県に対する河川占用許可取消訴訟提起
平成27年04月 組合に対する新橋架橋建設住民訴訟提起(訴訟係属中)
平成27年01月 組合に対する敷地造成工事差止仮処分申立
平成27年10月 組合に対する敷地造成工事住民監査請求
平成27年10月 上山市に対する市道拡幅工事住民監査請求
平成27年12月 組合に対する敷地造成工事住民監査請求 棄却
平成27年12月 上山市に対する市道拡幅工事住民監査請求 棄却
平成28年01月 組合に対する敷地造成工事住民訴訟提起(訴訟継属中)
平成28年01月 上山市に対する市道拡幅工事住民訴訟提起(訴訟継属中)
平成28年05月 組合に対する敷地造成工事差止仮処分申立 却下
平成28年05月 上記仙台高等裁判所宛即時抗告
平成28年06月 上記組合が仙台高裁宛答弁書提出

以上


基調講演 ガス化溶融炉・妄想と時代錯誤の所産

ごみ弁連会長 / 理学博士 梶山正三

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 1997年5月28日付の旧厚生課長通知 により、ごみ処理の素人である官僚が 「ごみ処理広域化が必要」と断言し、「広域化計画の策定」を地方自治体に命じた。 「これに従わなければ、補助金を交付しない」また、「処理量は300トン以上が望ましい」という通達は、既に「ゴミ不足」の時代 を迎えているのに、正に時代錯誤そのものであった。 

溶融炉開発の動機と経緯について

  1. 焼却灰・ばいじんの無害化 (ガラス化して重金属の溶出を抑える)
  2. 焼却灰・ばいじんの減容化 (溶融固化により減容する)
  3. 溶融スラグ再資源化 (溶融スラグを路盤材、建築資材などにリサイクルする)
  4. 廃棄物最終処分場の延命化 (最終処分場が「枯渇する」という伝統的な嘘)

 1981年までは試験導入期であったが、上記通達に基づき、各社が溶融炉開発に次々に参 入し、表面溶融炉、電気溶融炉、旋回溶融炉、直接溶融炉(熱分解炉)、コークスペッド、 内部溶融炉等々が開発された。しかし、これらガス化溶融炉における無数の問題点の1つ として、金属元素の挙動がある。

  1. 原則として、単体で存在することはない。
  2. 塩素化合物になると、揮発しやすくなる。(例外として水銀、アルカリ金属、Na、 K、Cs など)
  3. ガス化溶融炉で排出される重金属類は、単体として利用価値がない。
  4. 溶融排ガス中の重金属は、測定されない。
  5. スラグ溶出試験(環告46 号)では、リスクが不明。

 国のダイオキシン規制は、突如年間数千億円規模の市場を生み出したが、未熟な技術を導 入させて、維持管理費、補修費で収益を上げるやり方であった。想定以上に経費がかかるガ ス化溶融炉を自治体に押しつけた環境省は「あくまで自治体の責任において決めたこと」と にべもない対応。ガス化溶融炉は、現在も多くの問題をはらんだシステムである。

以上


セッションⅡ 行政の手続きの問題と、あるべきごみ処理の姿

講演 カナダ・ノバスコシア州ハリファックス市の廃棄物資源管理
   ~「脱」焼却を実現、「脱」埋立に向けて~
   環境総合研究所顧問 / 東京都市大学名誉教授 青山貞一氏

 カナダの最東端、北大西洋に面するノバスコシア州は、人口94万人。全部で7つの地区 から成り立っている。ハリファックス州は4つのまちが統合してできたノバスコシア州最大 の町で、人口は36 万人である。

 ハリファックス州が中心になって1995年に行った廃棄物資源管理(ゴミゼロ提案)は、何ら難しいことではない。それは、ゴミとされる資源の有効利用を最大化し、同時にごみの量を削減することに他ならない。最終処分場に行っているゴミを、排出段階で資源分別、収集する。デポジット制度を導入し、徹底して容器の回収に努めると共に、他の一般廃棄物についても①有機性廃棄物(生ごみ) ②資源化可能ゴミ ③有害廃棄物に収集段階、処理段階でも徹底分別することにある。

 この戦略の目標は、ごみの減量化、家庭内有害廃棄物の適正処理、家庭での生ごみのたい 肥化と共に、教育や普及計画も含まれる。

ハリファックス方式の効果

  1. 「脱」焼却によるダイオキシン、重金属はじめ、有害化学物質がもたらす様々なリスク の低減。
  2. 1000人規模の雇用の創出、NPO 及びNGO 地域企業の参加による地域経済への貢献
  3. 連邦や州政府の補助は、限定的。持続可能な経済システムの確立。資源物廃棄規制導入による施策効果。
  4. スチュワードシップの徹底による市民の自己責任、自治意識の向上。

以上

講演 市民参加型環境監視活動 山形発 !
   松葉ダイオキシン類調査の結果からわかること
   環境行政改革フォーラム副代表 / 環境総合研究所顧問 池田こみち氏

 山形広域環境事務組合(山形市上山市・山辺町・中山町)には、現在ストーカ式炉が稼働している「現山形市立谷川工場」と、「現山形市半郷工場」がある。立谷川工場に隣接して、現 在流動床式ガス化溶融炉(150t)が建設中。さらに上山市川口にも、同様の流動床式ガス化溶融炉(150t)が計画されており、これにより半郷工場は閉鎖予定である。

 大気中のダイオキシン類を測定するため、調査地点の松葉を採取し、カナダの検査機関に 分析を依頼した。サンプリングは、2014 年10 月26 日、守る会会員により行われた。上山 市川口地区は、建設予定地周辺の農家や企業、里山等5地点で採取。半郷地区は長年稼働し ている焼却場周辺6地点で採取。

 調査結果としては、いずれの地区とも国の基準値は下回ったものの、建設されていない川口地区は非常に良好な状態。稼働している半郷地区は、川口に比べて明らかに(3倍以上)高い数値が計測され、焼却由来の特徴が示されている。2014 年度には、全国11 箇所で調査が行われたが、川口地区は最も環境がよかった。特に焼却炉近傍の調査では、PCDFが高い濃度で検出された。川口地区に溶融炉が建設されると、数値は上昇する可能性が高い。

以上


セッションⅢ 各地からの報告

  1. 福島県南相馬市 原町処分場事件勝訴報告
  2. 福島県における指定廃棄物の問題 (放射性廃棄物クリアランスレベルのダブルスタンダード)
  3. 岩手県一関市の大東清掃センターにおける「8000 ベクレル超の汚染牧草焼却」の報告
  4. 東京都世田谷区清掃工場流動床式ガス化溶融炉の稼働実態
  5. 東京都日の出町エコセメント製造工場周辺と南相馬市の大気汚染の類似点、大気汚染予測
  6. 岡山県高梁・佐与谷産廃安定型処分場反対の取り組み
  7. 東京都除染ごみ焼却「再資源化」の問題と放射能汚染の監視
  8. 栃木県塩谷町指定廃棄物処分場問題について
  9. 岡山県岡山火葬場問題その後~現地からの報告~
  10. 秋田県米代川放射性物質を含む焼却灰」の受け入れについて

以上

次回訴訟

平成28年10月17日(月)13:30~ 組合に対する造成工事公金差止請求住民訴訟山形地裁
平成28年10月18日(火)13:15 上山市に対する市道改良工事公金差止住民訴訟 判決
*判決は守る会弁護士宛郵送予定

<紙名〈澄んだ空気と水〉の命名意図>

生物は太陽の光と熱により生息し、空気と水の環境度合いによって生命の維持が左右されています。この会は、わが故郷・緑多き山形が、でき得る限り澄んだ空気と水を維持し、地球汚染の要因とならぬよう努力して行きたいという理念に由来しています。

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澄んだ空気と水 第48号 2016.07.26 (火) 発行

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造成工事仮処分の組合答弁書に対し、守る会は準備書面を提出

*会報47号よりつづく
 上山市川口に建設予定の公称「エネルギー回収施設」敷地造成工事に関する、仮処分命令 申立事件(平成27年(ヨ)第16号)は、平成28年5月23日付けの守る会弁護士による即 時抗告により、造成工事禁止仮処分命令申立即時抗告事件(平成28年(ラ)第91号)となり ました。守る会は、同年7月19日、弁護士を通じて仙台高等裁判所に対し、準備書面(1) 及び、証拠説明書(5)、証拠甲第38号証並びに甲第39号証を提出致しましたので、準備 書面を公開致します。(紙面上一部省略されておりますのでご了解ください)

平成28年(ラ)第91号 造成工事禁止仮処分命令申立即時抗告事件

準備書面(1)

抗告人 6名
相手方 山形広域環境事務組合

平成28年7月19日
上記抗告人ら代理人
弁 護 士 坂 本 博 之

仙台高等裁判所第1民事部 御中

第1 はじめに
 本書面は、相手方の平成28年6月29日付答弁書に対して、認否・反論を行うものである。

第2 相手方の答弁書に対して
一 同第1に対して
 「2 理由」に書かれた内容は不知。
 第一に、相手方は、工事終了を示す裏付けとして、乙2,3を提出しているが、本件 清掃工場予定地の造成工事が終了したことが、これだけでは必ずしも明らかとは言え ず、証拠として十分ではない。寧ろ、工事終了後と言われているが、現場は、亀裂が多く存在し、雨が降ればぬかるみ、さらに排水も十分になされていない状況にある(甲 38)。しかも、現場は、平成28年7月3日の雨の後、排水が十分にできず、沼地のように なってしまっていた(甲38の写真5~7)。同日、上山中山観測所では、1時間当たり最大 でも6.5㎜の雨しか降っていない(甲39の2)にも拘わらず、排水能力はこのような体た らくである。従って、本件工事が終了したとは到底言えない状態にある。
 第二に、以下に述べるような本件仮処分手続の経緯から、相手方には、工事終了を抗弁として主張する資格がない。即ち、抗告人らが本件仮処分申立を行ったのは、平成27年10月28日であった。同年12月4日に第1回審尋期日が開かれたが、その日に相手 方から提出されたのは、簡単な答弁書であり、詳細な反論が提出されたのは、平成28 年2月26日に開かれた第2回審尋期日の直前の同年2月24日であった。仮処分申立から約 3か月後のことであった。そして、同年4月26日に第3回審尋期日が開かれて、申立人ら は準備書面(1)を提出して、相手方に反論を行った。同日、原裁判所は証拠調べを終了し、同年5月12日に原決定を出した。このような経緯に徴すれば、相手方は、申立書に対する反論を著しく遅延させることにより、本件工事の終了までに、本件手続を終わ らせないようにしたものと言わざるを得ない。相手方の訴訟態度は、著しく正義に悖 るものであり、本件において、工事が終了したという主張をすることは、信義則上許 されないものと言わざるを得ない。

二 同第2に対して
1 同2に対して
(1) 同(1)に対して

ア 同アに対して争う。
 相手方の主張が「本件雨水排水計画によれば本件造成工事後の前後における排 水量の増加はわずかしかない」というものであったとしても、本件の争点は、本 件土地からの雨水排水が忠川及び前川の治水計画にどのような影響を与えるか、 という点でなければならないのであり、本件雨水排水計画が合理的であるかどうかを本件の争点とするのは誤りである。

イ 同イに対して
 争う。
 抗告人らの主張は、独自の見解などではない。抗告人らの生命・健康・財産は、 前川及び忠川の治水計画によって守られるのであるから、治水計画を前提として、 本件工事の安全性が議論されなければならないのである。

ウ 同ウに対して
 争う。
 時間雨量R10=45㎜/hという数値は、降雨強度の例示などではなく、この数 値を基準として、相手方が用いた降雨強度式I=4000/(t+28)の「4000」という 数字を導き出しているのである。原決定を書いた裁判官竹田は、この点を全く理解していなかった。相手方もこの点を理解していないのか、理解していても白を切っているのか不明であるが、ここでの相手方の主張は完全な誤りである。

エ 同エに対して
 争う。
 乙1・別紙9の河川断面図は、実際の前川の河川の状況と全く異なっている。相手方がマニング式を用いて計算したかどうかは不明であるが、仮にその通りであ ったとしても、相手方が用いたマニング式は、現実を反映することができない、 誤った計算方法であったということになる。

オ 同オに対して
 争う。
 抗告人らの主張は、事実に基づくものであり、何ら誤ったものでなどない。

(2) 同(2)に対して
ア 同アに対して
 争う。
 債務者は、上流側の排水工のバランスウェイト式フラップゲートは僅かな水位差でも自動的に開閉する、などと主張しているが、フラップゲートに係る水の圧力は単に水位だけではなく、流れる力も加わるのであり、同ゲートが忠川の水位 の下になった場合、忠川側は、濁流が奔流となって流れ下る状態になるのであり、 造成地側の水位が上がっただけで簡単に開くとは考えられない。

イ 同イに対して
 争う。
 造成地側に降った雨は、浸透係数を超えた分が流下してくるのであり、その場合、造成地側の地盤は、雨水で飽和状態になっているものと考えられる。また、 忠川の護岸コンクリートに水抜き穴があることは事実であるが、フラップゲートが忠川の水位の下になってしまうような場合、多くの水抜き穴も忠川の水位の下になってしまうことになると思われるから、十分な排水はできない。そもそも、 水抜き穴だけで十分な排水ができるとは考えられない。さらに、相手方は、護岸 コンクリートが水よりも比重が重いから上に持ち上げられることはない、などと 述べているが、噴飯ものの主張である。戦艦大和は建造されて以来、昭和20年4 月7日に鹿児島県坊ノ岬沖で沈没するまでの間、海の上に浮いていたが、これは、水よりも比重が軽かったからだったのであろうか?また、同艦が上記の日に沈没 したのは、水よりも比重が重くなったからだったのであろうか?

ウ 同ウに対して
 争う。
 忠川のコンクリート護岸に経年変化のクラックが入っていることを相手方は認めるようであるが、これは、同護岸が劣化しているということに他ならない。 また、相手方は、コンクリートがその内部を水が透過するものである、などと述べているが、コンクリートはそもそも水を透過してはならないものである。相手方は、コンクリートの構造や敷設目的を全く理解していない。

(3) 同(3)に対して
 争う。
(4) 同(4)に対して
 争う。

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次回裁判予定

即時抗告事件に関する裁判の予定はありません
平成28 年9 月13 日(火)11:00~山形県に対する河川占用許可取消請求行政訴訟(山形地裁)
平成28 年9 月13 日(火)11:10~組合に対する架橋工事公金差止請求住民訴訟(山形地裁)

<紙名〈澄んだ空気と水〉の命名意図>

生物は太陽の光と熱により生息し、空気と水の環境度合いによって生命の維持が左右されています。この会は、わが故郷・緑多き山形が、でき得る限り澄んだ空気と水を維持し、地球汚染の要因とならぬよう努力して行きたいという理念に由来しています。

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澄んだ空気と水 第47号 2016.07.25 (月) 発行

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造成工事仮処分の即時抗告に対し 組合が答弁書を提出

上山市川口に建設予定の一般ごみ焼却施設(公称 エネルギー回収施設)敷地造成工事 差し止めを求める仮処分命令申立事件について、これまでの経緯

 敷地造成工事期間は、平成27年の契約移行日から、平成28年5月31日までとされています。(着工は平成27年8月中旬と思われます)。守る会は、平成27年10月28日付けで山形地方裁判所に対し、敷地造成工事の仮処分申し立て(平成27年(ヨ)第16号)を行いました。その後2回の審尋を経て、平成28年4月26日の裁判で結審し、同年5月12日付けで山形地方裁判所により訴えは「却下」されました。それに対し守る会は、不服として5月23日付けで仙台高等裁判所へ即時抗告状及び証拠説明書(4)、証拠甲33~37号証を提出致しました。
 その後、5月31日という敷地造成工事の工期は過ぎたものの、守る会に対し何の連絡もないまま、6月29日付けで組合側弁護士より「答弁書」が仙台高等裁判所宛に提出されましたので、その答弁書を公開致します。答弁書が提出されたのは、工期を1ヶ月近く過ぎてからのことです。(紙面の関係で一部省略します)


平成28年(ラ)第91号 造成工事禁止の仮処分命令申立却下決定に対する即時抗告事件

抗告人 6名
相手方 山形広域環境事務組合

答弁書

平成28年6月29日

仙台高等裁判所 第1民事部 ア係 御中

第1 本案前の答弁
1 本案前の答弁
(1) 抗告人らの申立をいずれも却下する
(2) 申立費用は抗告人らの負担とするとの決定を求める。

2 理由
 抗告人らは,仮処分命令申立書において,相手方のエネルギー回収施 設の敷地造成工事 について,「敷地造成工事が完成すると,債権者らの 人格権,職業遂行権,会社経営権,営農権,農地の所有権,農業水利権 が侵害される危険性が高い。」(仮処分命令申立書I第5 《7頁》)旨を 主張し,「債権者らは,現在,本件造成工事の差止めを求める本案訴訟 の準備中であるが,本件造成工事の建設工事の工期は,平成28年5月 3 1日であり,工期の到来が間近に迫っている。」「従って,本案訴訟の 提起,その結果を待っていては,造成工事が完成してしまい,上記のような債権者らの権利侵害の危険性がいつ発生してもおかしくない状懲 となる。」(仮処分命令申立書Ⅱ 《7頁》)との理由により,相手方はエ ネルギー回収施設の造成工事を行ってはならないとの工事差止めの仮 処分命令を求める申立てを行っているものである。
 しかしながら,上記のように抗告人らが工事差止めを求めている相手方のエネルギー回収施設の敷地造成工事は,平成28年5月27日に既に完了したものである(乙第2号証 完成通知書,乙第3号証 目的物 引渡書)。
 従って,抗告人らの本件申立は,訴えの利益を欠く不適法な申立となっており,却下を免れないものである。

第2 本案の答弁
1 抗告の趣旨に対する答弁
(1) 抗告人らの抗告を却下する
(2) 抗告費用は抗告人らの負担とする との決定を求める。

2 抗告の理由に対する答弁
(1) 前川の逸水を悪化させる危険性の不存在について
ア.本件の争点について
 即時抗告状第2の三の1(5頁)は,原決定第3の1(4頁)が「本件の争点は,本件雨水排水計画が不合理であるか否かである」としたことが不相当であり,「本件土地からの雨水排水が,忠川及び前川の治水計画にどのような影善を与えるか,が問題とされなければならないのである」旨を主張している。
 しかしながら,原審においては,抗告人らは,本件造成工事の施工後は大雨が降った後に想定外の水量が忠川に流れ込むことになり,これにより前川の逸水を悪化させる危険があると主張していたものであるが,その理由については,何らの根拠を示すことなく,水田の面積×50cmの貯水能力があった,現在の忠川に想定されている流量が0㎥/ sであることから想定外の水量に流れ込むことになる等の事実と異なる主張をしていたに過ぎなかったものである(相手方第1準備書面第2を参照)。
 このため,原審においては,相手方が主張していた,本件雨水排水計画によれば本件造成工事後の前後における排水量の増加はわずかしかないとの主張について,本件雨水計画が合理的であるか否かが争点となっていたものである。
よって,原決定第3の1(4頁)が「本件の争点は,本件雨水排水計画が不合理であるか否かである」としたことは相当なものであり、上記抗告人ら主張には理由がないものであ る。

イ.雨水排水計画の降雨確率年について
 即時抗告状第2の三の2 (5頁,6頁)は,相手方の雨水排水計画が降雨確率年10年としたことを不相当とし,降雨確率年を40年とし,40年に1度の大雨を想定しなければならない旨を主張している。
 しかしながら,上記抗告人ら主張は,雨水排水計画の降雨確率年について独自の見解を示すものに過ぎず,また,本件造成工事により前川の逸水を悪化させる危険があるとの抗告人ら主張の具体的根拠を示しているものでもなく,理由がないものである。

ウ.雨水排水計画における降雨強度について
 即時抗告状第2の三の3(6頁,7頁)は,原決定第4の1(5頁)が「本件雨水排水計画によれば,各集水域における降雨強度は,最小でも64. 62ミリメートル/時の数値となっているのだから.依権者らが主張する54ミリメートル/時よりも高い降雨強度を前提としているので、債権者らの主張を前提としても,債務者の計算が不合理であるとはいえない」としたことが不相当であり,その理由として,相手方の雨水排水計画が10年確率降雨強度式において時間雨量(R10)を45mm/hとしていること(甲第16号証の11頁)を挙げている。
 しかしながら,相手方第1準備書面第1の3(2) (5頁,6頁)において詳述したように,甲第16号証の雨水排水計画1l頁の降雨強度式は,I=4000/(t+28)というものであり,時間雨量(R10) 45mm/hとの記載は,同降雨強度式による降雨強度の具体例として,降雨継続時間60分の降雨強度が45mm/hであることを例示したに過ぎないものである。  従って,原決定の上記判断を不相当なものとする上記抗告人ら主張は,雨水排水計画の降雨強度式の理解を誤っているものであり,理由がないものである。

エ.前川の河川断面図の出所について
 即時抗告状第2の三の4 (7頁)は,相手方提出の報告書(乙第1号証)の別紙9の前川の河川断面図の出所が不明である旨を主張している。
 しかしながら,乙第1号証の報告書の21頁に記載があるように,同報告書の別紙9は,忠川と前川の合流点から下流側の五反田橋付近における災害復旧時の河川横断面及び河川勾配(別紙8)をもとに,断面積,勾配からマニング式を用いて現況流下能力の計算を行ったものであり,別紙9の断面図の出所が不明であるなどとする上記抗告人ら主張には理由がないものである。

オ.原決定の相当性について
 即時抗告状第2の三の5 (7頁)は,「道路土工要綱に忠実に策定された計画であったとしても,その立地条件,河川への排水の方法,排水先の河川の状況等の如何によっては,当該河川沿川の住民らに被害を与えることがあるのである」旨を主張し,原告らの申立てを却下した原審の判断が不相当であるとしている。
 しかしながら,抗告人らからは,本件造成工事により前川の逸水を悪化させる危険があるとの 控訴人ら主張の理由としては,水田の面積×50cmの貯水能力があった,現在の忠川に想定されている流量が0㎥/ sであることから想定外の水量に流れ込むことになる等の事実と異なる主張がなされていたに過ぎず(相手方第1準備書面第2を参照),前川の逸水が悪化する旨が相当な根拠に基づいて具体的に主張されることはなかったものである。 従って,原告らの申立てを却下した原審の判断は相当なものであり,上記抗告人ら主張には理由がないものである。

(2)忠川のコンクリート護岸崩壊の危険性の不存在について
ア.バランスウェイト式フラップゲートについて(省略)
イ.水圧,浮力について(省略)
ウ.忠川のコンクリート護岸の状況について(省略)

(3) 原審の進行について
 即時抗告状第2の二(4頁,5頁)は,原審の第3回審尋期日において提出された抗告人らの準備番面(1)と甲第29号証乃至甲第32号証に対し,相手方が反論を行わなかったことから.抗告人らの申立てを却下した原決定は不相当である旨を主張している。
 しかしながら.既に上述しているように本件造成工事により前川の逸水が悪化する危険性がある,忠川のコンクリート護岸が破壊される危険性があるとの抗告人ら主張には全く理由がないものであり,相手方において抗告人らの準備書面(1)、甲第29号証乃至甲第32号証に対する反論を行うまでもなく,抗告人ら主張に理由がないものであることは既に明らかになっていたものである。
 よって、上記抗告人ら主張にも理由がないものである。

(4) 結論
 以上より.原決定を不相当とする抗告人ら主張にはいずれも理由がないものであり,本件即時抗告は却下を免れないものである。

以 上

<紙名〈澄んだ空気と水〉の命名意図>

生物は太陽の光と熱により生息し、空気と水の環境度合いによって生命の維持が左右されています。この会は、わが故郷・緑多き山形が、でき得る限り澄んだ空気と水を維持し、地球汚染の要因とならぬよう努力して行きたいという理念に由来しています。

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澄んだ空気と水 第46号 2016.06.13 (月) 発行

  

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造成工事仮処分の決定に対し、即時抗告致しました

 上山市川口に建設予定の一般ごみ焼却施設敷地造成工事差し止めを求める 仮処分命令申立事件について、平成28年5月12日付で、守る会の申し立ては山形地方裁判所により「却下」されました。それに対し守る会は、5月23日付で仙台高等裁判所へ即時抗告状を提出致しましたので、公開致します。(長文のため一部省略します)
 山形広域環境事務組合が立案した敷地造成工事計画は、一般的な基準である 「道路土工要綱」に基づいて策定したとしていますが、守る会はこの現場において、それを適用することは誤りであるとしています。さらに、「雨水排水計画」について、その対象面積の捉え方、降雨確率、河川 整備計画の有無等について見解の相違が著しいため、この問題について正しく判断されることを求めています。

原決定の表示

山形地方裁判所平成27年(ヨ)第7号 造成工事禁止仮処分命いついて、同裁判所が 平成28年5月12日になした次の決定)

  1.  抗告人らの申立てをいずれも却下する。
  2.  申立費用は抗告人らの負担とする。

抗告の趣旨

  1. 原決定を取り消す。
  2. 相手方は、別紙物件目録記載の各土地において、別紙工事目録記載の造成工事を 行ってはならない。
  3. 申立費用は相手方の負担とする。

との裁判を求める。

抗告の理由

第1 原決定の判断
1 本件事案の概要
 本件は、相手方が、別紙物件目録記載の各土地(以下「本件土地」と言う)において、新たな 清掃工場を建設する計画を立てたが、この計画のために本来水田であり、その後耕作が放棄されたことによって低湿地となっていた本件土地を造成し、透水性や保水力を低下させることになるため、忠川への 排水量が増加して、忠川や前川の溢水の可能性を高めるとともに、現在においても十分な流下能力を有していない前川からの溢水の危険をより高めることとなり、或いは、本件土地からの排水を十分に行うことができなくなるために本件土地に雨水が滞留して忠川の護岸に想定外の圧力を加えることとなり、同川の護岸を崩壊させて同川を堰き止め、同川から溢水させ或いは鉄砲水が発生すること等によって、抗告人らを湖の水が襲う他、抗告人らの勤務先や農地等に浸水させ、非難するための道路や橋を浸水させて避難困難にさせる等の被害を及ぼし、以て抗告人らの人格権、会社経営権、営農権、土地所有権、農業水利権等の権利を侵害する蓋然性が高いため、その造成工事の差し止めを求めた事案である。
 原決定が摘示する事案の概要(2p)においては、上記のうち、現在においても十分な流下能力がない前川の溢水の危険をより高めること、忠川の護岸が崩壊して同川を堰き止め、同川からの溢水や鉄砲水が発生して、抗告人らの避難経路が失われることについての記載がない。 原決定を書いた裁判官Aが本件事案を十分に理解していなかった証左である。

  原決定の判断 原決定は、「本件の争点は、本件雨水排水計画が不合理であるかである」とした上、相手方が行った道路土工要綱に基づいて行った雨水排水計画の計算は、「造成工事における雨水排水計画策定の一般的な手法に基づいてなされており、不合理な点は見いだせない」、「債権者らが根拠とする計画高水流量に関する数値は、本件とは異なる場面であるから、直ちに債務者が採用した計算式や数値が不合理になるとは言えない」、「本件雨水排水計画によれば、…債権者らが主張する…よりも高い降雨強度を前提としているので、債権者らの主張を前提としても、債務者の計算が不合理とは言えない」、などと言う判断を行った(5p)。
 また原決定は、本件土地からの排水のために設置される排水ゲートからの排水が十分に行われないとの指摘に対しては、「排水ゲートは河川水位以上の雨水が滞留しない設計となっているし、仮に河川水位が上昇して排水ができず、忠川のコンクリート護岸に水圧や浮力が加わる場合があったとしても、その水圧等の影響については、具体的機序は明らかではない」、などと言う判断を行った(5p)。
 そして、原決定は、あっさりと抗告人らの申立を却下したのである。
 しかし、原決定は誤りであり、速やかに取り消されるべきである。

第2 原決定の誤り
一  はじめに
 原決定の誤りとして第一に挙げるべきなのは、原審における当事者の主張立証との関連で原決定は著しく偏頗な判断を行ったものといわざるを得ないという点である。
 第二に、原決定は、本件雨水排水計画が不合理ではないなどと述べているが、本件事案について殆ど理解していないという点である。
 第三に、忠川の護岸が崩壊する可能性について、原決定は具体的機序が明らかではない、などと述べているが、これは社会人としての常識を欠く浅はかな判断を言わざるを得ないという点である。

以下、順に述べる。

二 原審における抗告人及び相手方の主張立証と原決定
1 原審は、3回の審尋期日を経て決定を行った。即ち、平成27年12月4日に第1回審尋期日が開かれ、この日には、相手方から簡単な認否が書かれた答弁書が提出された。平成28年2月26日に第2回審尋期日が開かれ、この日には、相手方から具体的な相手方の主張が書かれた第1準備書面と、とその裏付けとなる乙1が提出された。そして、同年4月26日に第3回審尋期日が開かれ、この日、抗告人らは、相手方の第1準備書面に対する反論を述べた準備書面(1)、及び乙1に対する反証という意味付けを有する甲29~32を提出した。
2 そして、上記第3回審尋期日において、裁判官Aが、「さらに補充することはあるか」「債権者らが新たに主張している数値を下にして検討する予定はあるか」と質問したのに対して、相手方代理人は、「これはそもそも債権者らの主張なので、特に反論する必要はない」と述べて、審尋が終了したものである。
3 上記のような経緯によれば、抗告人らが相手方の抗弁に対して反論し、それを裏付ける資料も提出したのであるから、抗告人らは、抗告人らの権利が侵害される高度の蓋然性があることについて、一応の立証を行い、それに対して相手方は特段の反論を行わず、反証も行わなかったという判断を行わなければならない。この一点だけからしても、原決定は取り消され、抗告人らの申立が認容されるべきであることは明らかである。
 ところが原裁判所は、行政が行っている工事を差止めることに腰が引けてしまったのか、抗告人らの主張を十分に理解しないままに、上辺をなぞっただけのような極めて杜撰な判断を行ってしまったものである。

三 本件雨水排水計画の「合理性」について
1 原決定は、本件の争点を、「本件雨水排水計画が不合理であるか」という点にある、と述べている。これは、本件事案を十分に理解した捉え方ではない。即ち、本件は行政訴訟ではなく、人格権等に基づいて工事差止を求めるものである。従って、本件では、本件造成工事によって、抗告人らの人格権等が侵害される蓋然性があるかどうか、が吟味されなければならないのであり、本件雨水排水計画が合理性を有するかどうかという問題は、本件事案の判断に当たり、少し焦点がずれているものといわねばならない。
そして、本件では、抗告人らの人格権等の侵害をもたらす一端は、忠川及び前川の増水・溢水によるものであり、忠川及び前川の増水・溢水から河川流域の人命や財産を守るためにあるのは、河川の治水計画(一般に、河川整備基本方針及び河川整備計画がこれにあたるが、忠川及び前川については、両者とも存在しない)である。
従って、本件では、本件土地の雨水排水計画が合理的であるかどうか、ということではなく、本件土地からの雨水排水が、忠川及び前川の治水計画にどのような影響を与えるか、が問題とされなければならないのである。
2 この点、原判決は、「本件雨水排水計画によれば、本件造成工事後の雨水排水量は、…大雨が降ったとしても、本件造成工事によって忠川に流入する雨水排水量が著しく増加することにはならない」などと言う判断を行っている。
(中略)
4 なお、相手方は、本件土地付近 (五反田橋付近)の前川の流下能力について検討したと称しているが(乙1・21p、別紙9)、ここで掲げられた前川の河川断面図は、出所が不明であり、しかも、実際の前川の河川断面を反映したものではない。相手方の想定は、非常に杜撰なものというほかはない。
5 原決定は、本件の「道路土工要綱に基づいた計算は、造成工事における雨水排水計画策定の一般的な手法に基づいてなされて」いるとし、道路土工要綱に基づく計算を行っていることの一事を以て、本件雨水排水計画に合理性がある、という判断を行っている。
(中略)
 しかし、何度も繰り返すが、道路土工要綱は、工事によって造成される物を、的確な排水を行うことによって大雨から守るということに主眼が置かれたものである。これに対して、本件は、排水された後の水によって、周辺住民らが被害を受けることを問題としているのである。従って、道路土工要綱に忠実に策定された計画であったとしても、その立地条件、河川への排水の方法、排水先の河川の状況等の如何によっては、当該河川沿川の住民らに被害を与えることがあるのである。
(以下略)

四 忠川の護岸の崩壊の可能性について
1 原決定は、忠川の護岸に関する問題について、第一に、忠川への排水ゲートは、河川水位以上の雨水が滞留しない設計となっている、などと述べている(5p)。
(中略)
3 そして、現実に、忠川の護岸コンクリートには多数の亀裂が入っており、しかもその亀裂の多くは、護岸コンクリートの天端を超えて、河川側から本件土地側に至っている(甲33、34)。このことは、護岸コンクリートの劣化が著しいことを物語っている。
(中略)
4 従って、忠川に対する雨水排水が十分にできなかった場合、同川の護岸コンクリートが崩壊する可能性が高く、その場合、忠川の流れが阻塞されて、抗告人の勤務先や、忠川右岸の市道が水没し、人格権や土地所有権等が侵害されると同時に、抗告人らの避難路が失われる可能性がある。また、崩壊した護岸コンクリートが決壊して鉄砲水が発生し、勤務先の敷地や前川周辺の農地や宅地に襲いかかり、抗告人らの生命・身体、抗告人らの土地所有権等が侵害される可能性もあるものといわねばならない。

第3 結論
 よって、原決定は取り消されるべきであり、抗告人らの申立は認容されるべきであ る。
 なお、本件造成工事は、平成28年5月末日が工期となっているから、本件申立は速やか に認容されるべきである。

以上

<紙名〈澄んだ空気と水〉の命名意図>

生物は太陽の光と熱により生息し、空気と水の環境度合いによって生命の維持が左右されています。この会は、わが故郷・緑多き山形が、でき得る限り澄んだ空気と水を維持し、地球汚染の要因とならぬよう努力して行きたいという理念に由来しています。

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澄んだ空気と水 第45号 2016.06.12 (日) 発行

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造成工事禁止の仮処分命令申立事件 却下 !

上山市川口に建設予定されている一般ごみ焼却場の敷地造成工事は、 昨年8月中旬に着工されました。しかし、この造成工事には多くの問題点があるため、守る会は昨年10月28日付で、山形地方裁判所に「仮処分命令申立」を行いました。そして、その後3回の審尋を経て、今年4月26日に結審しました。
その結果、5月12日に山形地方裁判所より決定書が届き、守る会の申し立ては「却下」されました。その決定文の「主文」を公開致します。 決定内容は、到底納得できるものではないため、守る会は5月23日付で仙台高裁へ即時抗告致しました。抗告状は、次号(第46号)に掲載致します。

平成27年(ヨ)第16号 造成工事禁止の仮処分命令申立事件

決 定

債権者 山形県の環境と観光産業を守る会会員6名(詳細省略)
債務者 山形広域環境事務組合(詳細省略)

主 文

債権者らの申立てをいずれも却下する。 申立費用は債権者らの負担とする。

理 由

第1 事案の概要
本件は,債務者が,新たに清掃工場を建設するため,別紙1物件目録記載の各土地(以下「本件土地」という。)を造成する計画を立てたことに対し,本件土地沿いを流れる忠川付近で稼働する債権者らが,本件土地の造成により,大雨が降った際には,①忠川への排水量が増加して,忠川や前川が逸水する,あるいは, ②忠川の水位が上昇し,排水ができなくなって,本件土地に雨水が滞留し,忠川 のコンクリート護岸に想定外の圧力が加わるなどし,同護岸が崩壊して,河川を せき止め,鉄砲水が発生することにより,河川の水が債権者らの稼働場所に流入するなどして,債権者らの生命や身体等に著しい損害が生じるとして,人格権,身体権,職業遂行権,会社経営権,営農権,農地の所有権,農業水利権に基づき, 債務者に対し,本件土地において,別紙3工事目録記載の工事(以下「本件造成 工事」という。)をしてはならない旨命ずることを求めた仮処分命令申立の事案である。

第2 争いのない事実及び疎明資料から容易に認定できる事実
本件造成工事の計画 債務者は,山形市上山市東村山郡山辺町及び同郡中山町をもって組織された,地 方自治法284条2項で定められた一部事務組合であり,ごみを処理 するための中間処 理施設の設置,管理及び運営に関する事務を処理すること等を目的として設立されたも のである。 債務者は,本件土地において,「エネルギー回収施設」という名称の清掃 工場を建設するため,本件造成工事を計画した(甲1,2)。

土地の造成工事における雨水排水についての考え方 雨水は,士地の勾配によって低地や河川に流出,あるいは,地下に浸透する。 しか し,土地の造成工事を行うと,雨水の地下への浸透に変化が生じるとともに,低地や 河川への流出状況に変化が生じる。このため,造成工事における雨水排水計画を策定す る必要があり,その際には,道路土工要綱に基づいて計画を策定することが一般的であ る。また,山形県においては,開発面積5ヘクタ ール以上の大規模な開発を行う場合 には,河川の洪水処理計画への影響を検討する必要があるとされている。(乙1)

本件における雨水排水計画 本件造成工事は,その対象面積は3. 6ヘクタールであるから,上記のような洪水処 理計画への影響を検討する必要がある場合には該当しないものであるが,債務者は,上 記のような一般的な基準である道路土工要綱に基づいて,以 下のとおり雨水排水計画(以下「本件雨水排水計画」という。)を策定した (甲16,乙1)。 まず,道路土工要綱においては,排水施設で排水しなければならない雨水流出量を算定し,その後,当該雨水流出量を排出するための排水施設を設計するものとされている。雨水流出量は,土地側の問題としては,集水域(降雨があった場合に雨水が排水施設に集まることとなる区域)の面積と流出係数(降雨 量全体の中で地表を流下することとなる雨水の割合)を決定し,降雨側の問題としては,排水施設が安全の目標とする降雨確率年(何年に1度の確率の降雨 か)を設定して,集水域における最遠点からの降雨の流下時間(流達時間)に 対応する降雨確率年の降雨強度(雨の強さを表す単位)を計算した上,これらを所定の合理式に当てはめて計算することによって,当該降雨確率年の降雨強度が発生した場合に排水施設において生じることになる雨水流出量として算出される。 そして,債務者は,集水域については本件土地及びその南側の山地を含む区域とし,本件土地及びその南側の山地についての流出係数をそれぞれ決定し, 降雨確率年については10年と設定して,集水域における最遠点からの降雨の 流下時間(流達時間)に対する降雨確率年10年の降雨強度を算出した上で, 所定の合理式を用いて雨水排出量を計算したところ,本件造成工事後の雨水排水量は,本件造成工事前と比べて,0.140立方メートル/秒増加すること が明らかとなった。 この結果に基づいて,債務者は,排水施設を2か所設置することとし,そのうち,忠川上流に設置されたものについては,水路の底面が,前川ダムから放水された場合に想定される水位よりも低いことから,忠川の水位が上昇 した場合に河川の水が逆流することを防ぐ排水ゲートを設けた。この排水ゲートは,河川水位の高さまでは排水できる設計となっている。

第3 本件の争点及び当事者の主張
本件の争点は,本件雨水排水計画が不合理であるかである。 2 債権者らは,主として,降雨確率年10年とした場合,10年確率アメダス 時間雨量は,45ミリメートル/時であるが,本件上地周辺においては,これまでにも最大54ミリメートル/時の雨量の雨が降っているし,前川の計画高水流量は降雨確率年を40年としているから,降雨確率年は10年では過小である,忠川上流の排水施設は,忠川の水量が増加すれば排水ができなくなるから,本件土地に雨水が滞留し,忠川のコンクリート護岸に想定外の圧力が加わるとして,本件雨水排水計画が不合理であると主張する。 3 これに対し,債務者は,主として,本件雨水排水計画は,一般的な手法である道路土工要綱の基準に基づいており,それによれば本件造成工事の前後において,排水量の増加はわずかしかないため,大雨が降った際にも,忠川や前川が逸水するおそれはなく,また,忠川の水位が上昇しても,雨水が本件士地に 滞留するおそれはない旨主張する。

第4 当裁判所の判断
まず,上記のとおり,本件雨水排水計画によれば,本件造成工事後の雨水排水量は, 本件造成工事前と比べて,わずか0.140立方メートル/秒増加するにとどまるから,大 雨が降ったとしても,本件造成工事によって忠川に流入 する雨水排水量が著しく増加 することにはならない。 そして,上記のような道路土工要綱に基づいた計算は,造成 工事における雨水排水計画策定の一般的な手法に基づいてなされており,不合理な点は 見いだせない。 これに対して,債権者らが根拠とする計画高水流量に関する数値は, 本件と は異なる場面であるから,直ちに債務者が採用した計算式や数値が不合理にな るとはいえない。加えて,少なくとも,本件雨水排水計画によれば,各集水域における 降雨強度は,最小でも64. 62ミリメートル/時の数値となっているのだから,債権者 らが主張する54ミリメートル/時よりも高い降雨強度を前提としているので,債権者 らの主張を前提としても,債務者の計算が不合理とはいえない。
つぎに,排水ゲートの点に関しては,上記のとおり,排水ゲートは河川水位 以上の 雨水が滞留しない設計となっているし,仮に河川水位が上昇して排水ができず,忠川のコンクリート護岸に水圧や浮力が加わる場合があったとしても, その水圧等の影響については,具体的機序は明らかではない。
そうすると,債権者らの主張する権利関係はさておき,債権者らに著しい損害又は急迫の危険性が生ずるとは認められないのであるから,債権者の主張は理由がない。

第5結論
以上のとおりであり,本件申立てには理由がないから,主文のとおり決定する。

平成28年5月12日
山形地方裁判所民事部
裁判官 竹田 奈未

以上

次回裁判日程(山形地方裁判所)

平成28年7月4日(火)16:45~ 河川占用許可取消行政訴訟(山形県)
平成28年7月4日(火)16:55~ 架橋工事公金差止住民訴訟(組合)

■ お知らせ ■

平成28年度ごみ弁連総会が、上山市で開催されます。一般ごみ、産廃原子力ごみ等のごみ問題に関係する市民の方々や、弁護士さんが全国からいらっしゃり、広くごみ処理について議論が行われます。一般の方も、どうぞご参加下さい。
日時: 平成28年7月31日(日)13:00~ 講演、事例発表、懇親会など
8月 1日(月)12:30~現地見学会(生ごみ堆肥化施設)
会場: 山形県上山市 かみのやま温泉 月岡ホテル
参加費: 資料代1000円(7月31日の講演、事例発表は一般公開されます)
懇親会: 6000円(7月31日18:00~ 月岡ホテル)
申込先: FAX 029-851-5586 (ごみ弁連事務局 坂本博之) 問合せ TEL 090-7329-9770(守る会代表 結城)

<紙名〈澄んだ空気と水〉の命名意図>

生物は太陽の光と熱により生息し、空気と水の環境度合いによって生命の維持が左右されています。この会は、わが故郷・緑多き山形が、でき得る限り澄んだ空気と水を維持し、地球汚染の要因とならぬよう努力して行きたいという理念に由来しています。

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山形県上山市川口に建設予定の清掃工場に反対する裁判 | 本日の裁判(2件)のご報告

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平成28年8月16日(火)午後に行われた住民訴訟についてご報告致します。

13:30~13:35
平成28年(行ウ)第1号 上山市清掃工場用地造成工事公金支出差止請求住民訴訟事件
〈概要〉
 公称エネルギー回収施設を建設するための造成工事(平成28年5月31日 にて工事終了)が不適切であるため、すでに支出した公金の返還を求める訴訟。 守る会は、組合の監査委員に対し住民監査請求を行ったものの、棄却されたため 住民訴訟を提起し、今回は組合側から「第2準備書面」のみが提出されました。 その準備書面を公開致します。  これに対し守る会は次回、反論書面を提出する予定です。 

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平成28年(行ウ)第1号 上山市清掃工場用地造成工事公金支出差止請求住民訴訟事件
原告 ** 外8名
被告 山形広域環境事務組合管理者 佐藤孝弘

第2準備書面

平成28年8月10日
山形地方裁判所 民事部 合議係 御中

被告訴訟代理人
弁護士  内藤和暁
同 古澤茂堂
同 小野寺弘行

原告ら準備書面(1)について
1  原告ら準備書面(1)の第3の3(3) (7頁下から8行目以降)は,「雨水の排水が十 分にできない場合,地下水の水圧や浮力が高まることが考えられるのであり,・・・ 雨水排水路等の構造物や,忠川の護岸が,水庄や浮力によって破壊される可能性が 高」い旨を主張している。
 しかしながら,忠川のコンクリート護岸には一般的なコンクリート護岸と同様に 地下水を排水するための水抜き穴が設けられており,地下水によってコンクリート 護岸の破壊の原因となるような水圧が加わることは考え難いものである。また,浮力との点についても,水よりも比重の重く,一般的なコンクリート護岸と同様に地 下水を排水するための水抜き穴が設けられている忠川のコンクリート護岸が地下水 によって上に持ち上げられることはなく,浮力が原因となってコンクリート護岸等 が破壊されるとの機序も考え難いところであり,上記原告ら主張には理由がないも のである。

2 原告ら準備書面(1)の第3の3(3) (7頁下から4行目以降)は,忠川のコンクリー卜護岸の茶褐色の滲出物が鉄分であったことから,護岸コンクリートが著しく劣化 している旨を主張している。
 しかしながら,被告としては滲出物が鉄分であるか否かは不明であるものの,仮に鉄分であったとしても, コンクリート護岸の内部を地下水が透過した際(コンクリートはその内部を水が透過するものである)に,鉄分を含む地下水が透過したこ とによる滲出物とも考えられるものであり,滲出物が鉄分であったことからコンク リート護岸が著しく劣化したとする原告ら主張にも理由がないものである。

以上

13:35~13:40  平成28年(行ウ)第2号 前川ダム東線道路改良工事公金支出差止請求住民訴訟事件
〈概要〉
 公称エネルギー回収施設敷地に入るため、国道13号線から上山市道を利用する 経緯において不適切な部分があるため、すでに支出した公金の返還を求める訴訟。 守る会は、組合の監査委員に対し住民監査請求を行ったものの、棄却されたため 住民訴訟を提起し、今回上山市から「第1準備書面」(被告からの一度目の主張がかかれた書面)及び「証拠説明書」「証拠 乙3~6号証」が提出されたので、公開致します。 

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平成28年(行ウ)第2号 前川ダム東線道路改良工事公金支出差止請求住民訴訟事件
原告 ** 外4名
被告 上山市長 横戸長兵衛

第1準備書面

平成28年8月10日

山形地方裁判所 民事部 合議係 御中

被告訴訟代理人
弁護士  内藤和暁
同 古澤茂堂
同(担当)小野寺弘行

原告ら準備書面(1)について

1 原告ら準備書面(1)の第2の3(1)(2) (3頁下段から5頁)は、市道前川ダム東線の国道13号交差点からエネルギー回収施設の建設予定地入口までの区間について、本件訴訟において問題となっている市道前川ダム東線の道路改良工事を行っても、エネルギー回収施設の候補地の選定条件である「敷地が大型車両の対面通行可能な 公道に接しており、又は接することが容易な場所であること」との条件を充足していない旨を主張している。
 しかしながら、平成28年3月18日に本件訴訟において問題となっている市道前川ダム東線の道路改良工事が完成した後(乙第3号証 完成通知書、乙第4号証  工事目的物引渡書)、被告において、平成28年6月17日に,市道前川ダム東線 の国道13号交差点からエネルギー回収施設の建設予定地入口までの区間の大型車同 士のすれ違い状況に関する実験を行ったところ、車体全幅3.10m、車両全体の 長さ8.16mの大型ダンプ車同士が支障なくすれ違い通行可能であることが確認 されたものである(乙第5号証の1 実験のDVD、乙第5号証の2 市道前川ダ ム東線大型車のすれ違い状況に係る現場記録)。
 従って、市道前川ダム東線の道路改良工事後も「敷地が大型車両の対面通行可能な公道に接しており、又は接することが容易な場所であること」との条件を充足していないなどとする上記原告ら主張には理由がないものである。
 なお、原告らは大型車同士のすれ違いが困難な様子の写真として甲第23号証の平成28年3月23日撮影との写真を提出している。しかしながら、同写真には積雪が写っているものの、上山市消防本部調査・作成の平成27年度積雪調査表によ れば平成28年3月は3月3日以降は積雪がなかったとされているところであり (乙第6号証 平成27年度積雪調査表)、同写真は平成28年3月23日に撮影されたものではないと思料されるものである。

2 原告ら準備書面(1)の第2の4(2) (7頁下段から8頁)は、「敷地が大型車両の対面通行可能な公道に接しており、又は接することが容易な場所であること」との条件を充足していないとの原告ら主張の根拠として、被告の第4回清掃工場候補地検 討委員会の評価集計表の付帯意見(甲第11号証の5頁目)に「アクセス道路を近隣会社と完全に共有しなければならない、そう考えると道幅が狭く、新たなアクセ ス道路を通すことを提言したい」との記載があることを挙げている。
 しかしながら、上記記載は,清掃工場候補地検討委員会の委員から挙げられたコ メントを付帯意見として記載したものであるところ、市道前川ダム東線の国道13 号交差点からエネルギー回収施設の建設予定地入口までの区間は、大型車両の対面 通行を行うには道幅が狭いと思われる箇所もあるものの,大型車のすれ違いは可能 であり、また、道幅が狭いと思われる箇所についても舗装幅員の拡幅により対応可能であったことから、上記のような付帯意見を踏まえつつ、川口地区がエネルギー 回収施設の候補地に選定されたものである。
 従って、甲第11号証5頁目の上記付帯意見をもって「敷地が大型車両の対面通 行可能な公道に接しており、又は接することが容易な場所であること」の条件を充 足していないこととなるものではなく、上記原告ら主張にも理由がないものである。

以上

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これら第1準備書面に対し、守る会は次回反論書を提出する予定でした。しかし、裁判長による「(主張は)出尽くした」という判断で、次回は判決が出ることになりました。 10月の判決を待ちたいと思います。

情報公開請求に対する2度目の開示日の延長について

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 これまで守る会は、公称エネルギー回収施設(川口)に関する架橋工事、敷地造成工事、上山市道工事等に関し、周辺の安全性に対する疑問を呈し、訴訟に至っております。

 山形広域環境事務組合、上山市はこれらの工事に対し、「安全で信頼できる施設」と謳い、平成24年の住民説明会以来その姿勢を崩していません。守る会はこれらをきちんと担保して戴くため、これまで数十回に渡り情報公開請求を行い、書類や図面、構造計算書(とはいえ、竣工当時の忠川護岸の構造計算書は不存在)を入手、分析して参りました。この結果が訴訟の継続となっております。

 そのような中、山形広域環境事務組合はつい先日の8月4日、造成地内で本体着工に向けた安全祈願祭を行いました。祈願祭後のインタビューで、山形広域環境事務組合管理者である佐藤孝弘山形市長は「まず、環境にやさしい施設。そして地域の皆さまにしたしみをもって・・・なるべく地域の方とは、なるべく理解を得られるのがいちばん・・・」とおっしゃっています。

 山形広域環境事務組合は来る9月初旬に本体建設工事を着工すると報じていますが、守る会は昨年秋以降、山形広域環境事務組合に対し再三に渡り、本体図面等の情報公開を求めて参りました。本体が安全であるかどうか、一番判断しやすい情報です。しかし、山形広域環境事務組合は平成28年4月になって初めて初歩的な立面図2枚(しかも数字は黒塗り)と完成予想図を提示しただけでした。これでは施設内容についての判断材料とはなりません。「安心安全の施設」と謳っているのであれば、当然開示されてしかるべきと考えます。市民は、これだけで本当に「安心な施設」であるかどうか、判断することはできないのです。

 平成28年7月12日、山形広域環境事務組合は山形県に対し、エネルギー回収施設本体の設置届を提出しました。守る会はその内容について同日、山形県に情報公開請求を行いました。情報公開請求をした場合、請求をした日から数え2週間以内に情報を開示する必要があります。設置届けはすでに提出されているので、その写しを求めているにすぎませんが、
開示内容の検討が不十分として開示日の2週間延長を通知。8月9日、その延長開示日を迎えましたが、県はさらに2週間の延期を通知して来ました。これは大変異例のことです。

 安全であるべき本体の図面を市民に開示せず、9月初旬に着工しようとする山形広域環境事務組合の姿勢は、許されざる行為だと思います。しかも、周辺工事についていずれも「安全である」という確証は、未だに得られておりません。
 「地域の方々に理解を得られるように」という管理者の言葉を裏付ける資料を市民にきちんと示し、理解できるよう誠意をもって努力をすべきであると考えます。

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平成28年4月になって初めて情報公開された山形広域環境事務組合により初歩的な図面(数字は黒塗りの状態で公開)

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