山形県の環境と観光産業を守る会

山形県上山市川口地区に建設予定の清掃工場(2018年12月から「エネルギー回収施設(川口)」として稼働開始)に関する詳細、および諸問題について

証言で設計者自身が認めた「自分は河川の素人で資格も経験もなし」と「さまざまな設計条件のミス・読み間違い」。それでも組合側は「当初の計算が正しい」との矛盾した主張ー 判決はいかに!?

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 平成29年11月17日より始まったこの裁判(控訴審)も、いよいよ12日に判決をむかえます。
これまで2回にわたってこの裁判を振り返りましたが、最終回となる今回は、ついに実現した証人尋問についてお伝えします。
山形地方裁判所での証人尋問が1度も実現しない異常事態についてはお伝えしたとおりですが、仙台高裁でついに実現した証人尋問はたくさんの驚きをふくむ、とても濃いものとなりました。

緊張感のただよう証人尋問、相手側弁護士との見えない刃を交えた対決!

(*証人尋問では、出廷した証人に控訴人側・被控訴人側それぞれの弁護士が質問をおこないます。)
 市民側の河川の専門家(河川工学博士)対する組合側弁護士の尋問では、これまで数年にわたり提出してきた書類の計算式中のこまかな数字の確認などのかなり細かい質問がありました。おそらく、証人としての信頼度を下げることを狙った作戦と思われましたが、まったくひるまず、専門外の組合側弁護士の見当違いの質問に反撃する場面もありました。

準備書面で相手がずっと沈黙してきた点が証言で明らかに

 一方の問題となっている造成工事の設計担当者への尋問は、市民側にしてみれば衝撃の発言の連続でした。 市民側の弁護士が裁判のポイントとなっている点についていろいろ質問しましたが、その中でも特に(*)、 

  • 自分の専門は下水道で、河川の設計担当ははじめて。河川の経験はほぼない。設計に関わった上司の専門は道路。
  • 設計中に今回問題となっている点について、いろいろとおかしいと思ったこともあったが、特に確認はしなかった。
  • 裁判中におかしいことに気づいた点もあったが、とくになにもしなかった。
  • (争点の一つである)河川整備計画・基本方針が対象の川にないことを、認めた(これまでは認めていなかった)
  • (争点の一つである)造成地に貯水効果があるかについて、写真から工事前の土地には水が貯まってたことを認めた。(これまでは認めていなかった)
  • (争点の一つである造成工事前後の比較する基準について)読み間違いをしていたことを認めた。(これまでは認めていなかった)
  • (争点の一つである造成工事前後の比較する地点について)読み間違いをしていたことを認めた。(これまでは認めていなかった)

 これらすべては、これまでの裁判では認めていない、あるいは無視を貫いていた部分で、証人尋問で初めて本人が認めました。これは非常に重要なことです。
 この設計者の方はこの裁判を通して「この工事の基準は道路で、それが一般的だ」と主張してきました。河川の経験がないのでは、そう主張する以外になかったのかもしれないとも思いますが、そうであれば、本当にこの設計は大丈夫なのか・・・?と不安にならざるをえない証言の内容です。

 造成地の側を流れる川に対して、造成地からの排水が負荷をかけているかどうか?はこの裁判の重要なポイントです。その判断をするために、造成地から川への排水量を試算する(そしてある基準を上回るかどうか)のですが、この試算に使用する数値のかなりの部分が間違っていたことが証言で明らかになったのです。

 河川の専門家によれば「どんな規模の大雨がきても造成地は浸水することなく、ただ前川下流への洪水、氾濫被害を助長する流出機構となっている。造成地の安全を確保するのみで、下流域への影響を無視した傲慢な設計」とのことです。

それでも組合側ははじめの計画の正しさを主張する矛盾

 証人尋問を受けて、それまで「主張することはもうない」としていた組合側から大量の文書の提出がありました。
かなり乱暴にまとめると(*)


いろいろ問題と言われてる点はあるが、
一審の判決が正しいと言っているし、
法律的には問題ない。
証人の読み間違いなどの点も念のため確認して(※ただし証言の内容を反映しない前の条件のままで)計算もしてみたが、これもやはり法律的には問題ない範囲だった。
だから、初めの計画書の計算の条件もおおよそ間違いないし、その計算結果は当然正しい。
つまり、河川への影響はほとんどないかという結論は正しい。

・・・という内容です。

 このように設計者自身が致命的な間違いを認めたのに、組合側はそれでも正しいと主張するおかしな設計に対していったいどのような判断がくだるのでしょうか!?
注目の判決はいよいよ12日です。

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河川の専門家の先生による、この裁判で争われた間違いだらけの造成工事によって起こる周辺への被害を説明したイラスト。

 証人尋問の内容や、その間違いに対する指摘については以下の書面からご覧いただけます。

* わかりやすくするためにかなり要約していますので、理解が間違っているかもしれない点はご容赦ください。

 

関係書類(PDFファイル):

令和元年05月28日 第02回 口頭弁論 証人調書(設計者)(リンク)
令和元年05月28日 第02回 口頭弁論 証人調書(河川工学博士)(リンク)
令和元年05月28日 第02回 口頭弁論 被控訴人:第9準備書面(リンク)
令和元年05月28日 第02回 口頭弁論 被控訴人:証拠説明書(リンク)
令和元年05月28日 第02回 口頭弁論 被控訴人:乙21~29号証(リンク)
令和元年05月28日 第02回 口頭弁論 被控訴人:乙30号証(設計者の陳述書)(リンク)
令和元年08月27日 第03回 口頭弁論 控訴人:控訴審第3・4準備書面(リンク)
令和元年08月27日 第03回 口頭弁論 控訴人:証拠説明書(リンク)
令和元年08月27日 第03回 口頭弁論 控訴人:甲97号証(河川工学博士の証人尋問への意見)(リンク)
令和元年08月27日 第03回 口頭弁論 控訴人:甲98~101号証(リンク)
令和元年08月27日 第03回 口頭弁論 被控訴人:第10準備書面(リンク)
令和元年08月27日 第03回 口頭弁論 被控訴人:証拠説明書(リンク)
令和元年08月27日 第03回 口頭弁論 被控訴人:乙31~35号証(リンク)

面倒なことは無視、証拠は不要、同じ主張をただ繰り返すだけの組合側に説明する気はみえない

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 平成29年11月17日より開始したこの裁判(控訴審)もいよいよ今月12日に判決をむかえます。
これにあたり、当ブログではこの裁判を数回にわたり振り返ります。
第2回目となる今回は、少し感傷的に、この裁判のむなしさについてです。

実際に考えられる河川への影響はどの程度?
少なくとも具体的な検討と説明が必要:

この工事によって、造成地からどれくらいの排水があってそれはどれくらい河川に対して影響があるのか、水害は果たして起きやすくなるのか。
これはこの川の周囲に住む住民にとって「命と暮らし」がかかっている重要な問題で、裁判でもポイントの一つです。
工事計画書にはこの排水量の計算結果があり、組合は問題がないとして実際に工事をおこないましたが、裁判を通してこの計算にもさまざまな誤りがあることが明らかになりました。そして設計者自身もそれを認める場面もありました。しかし、裁判を通して組合側が再計算をすることはついになく、矛盾していますが、逆に計画書の計算が正しいことを最後まで主張し続けました。
こうした行政側の、肝心な部分をはぐらかし、裁判のテクニックをもって住民を黙らせようとするやり方は、住民の不安、不満と対立を煽るだけです。 そして、明らかに破綻している説明を、法律を盾に突き通そうとする、それでいて安全性については何も答えない姿勢は、説明責任を放棄しているとしか思えません。行政側は税金を使用して裁判をおこないこの内容ですから、納税者である市民側が納得できるはずもありません。
また、仮にこのように争われた点で実際に災害が発生したとしても、行政側は今後も誰も責任をとる必要はなく、被害を被る人は泣き寝入りするしかない仕組みは欠陥としかおもえません。

ワンパターンな組合側の主張と組み立て。
「法に則っているから問題ない」と「独自の見解にすぎない」という表現:

この裁判に限らず、守る会のがおこなう他の裁判でも共通なのが、要約すると「法に則っているから問題ない」という組合側の主張。こちらの主張への反論が多少ずれていても(実際に適用されているとかはあまり重要ではなく法律のどこかに似たような内容があればOK)、大量の法律のコピーを添付して、「法に則っているから問題ない」という手法が組合側の基本です。
この頃の各地の災害の状況をみれば説得力があるように思えませんが、この裁判でもよく見られました。裁判の書類をあえて長文にして枚数を稼ぐのも(なので一回当たりの組合側の内容はとても薄い、でも分厚い)、テクニックの一つかもしれません。
そして、つっこんだ質問に対して、証拠はないけどとりあえず反論しておく場面での「独自の見解にすぎない」という表現。この表現の割には、実は、組合側の主張の多くには根拠がなかったりするのですが、多く見られる表現です。くわえて、都合の悪い(?)点を、反論もなく無視する姿勢はどうなんでしょう。同じことを住民側がやると相手の主張を認めたことになってしまうのですが、組合側がやっても問題がないというのは不公平さを感じます。

こうした裁判でのやりとりは憤りを通りこしてむなしさを感じるという、裁判の経過をおおまかに振り返りました。具体的なやりとりは今回公開の準備書面でご確認いただけます。
次回は、ついに実現した証人尋問についてです。長時間の尋問の内容に、私たちもおどろきました!


関係書類:(PDFファイル)

平成30年05月15日第01回 弁論準備 控訴人:上申書・答弁書
平成30年07月17日第02回 弁論準備 控訴人:控訴審第1準備書面
平成30年07月17日第02回 弁論準備 控訴人:調査嘱託申立書
平成30年09月27日第03回 弁論準備 被控訴人:第7準備書面 
平成30年09月27日第03回 弁論準備 被控訴人:証拠説明書・乙19号・20号
平成30年12月28日第04回 弁論準備 被控訴人:第8準備書面


今後予定されている裁判の日程:

令和元年11月12日(火) 13:15-
判決 平成29年(行コ)第28号 上山市清掃工場用地造成工事公金支出差止請求住民訴訟控訴事件

未定
平成28年(ワ)第236号 一般廃棄物焼却施設建設禁止等請求事件

未定
平成29年(行ウ)第8号 川口地区助成金公金差止等請求住民訴訟事件


 

造成工事裁判の仙台高裁での判決へむけて その1

判決のほとんどに役所側の根拠すらない素人の意見が、特に理由なく採用され、根拠ある専門家の意見は全面的に却下。結論ありきのような判決に住民側は到底納得できず

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平成29年11月17日より開始したこの裁判(控訴審)もいよいよ来月の11月12日に判決をむかえます。
これにあたり、当ブログではこれまでの経緯を数回にわたり振り返ります。
第一回目となる今回は、控訴までの経緯を簡単に振り返り、はじめに提出した控訴状を公開します。

 

いったい何のための裁判?

この裁判は、地域の住民(原告)が清掃工場を運営する山形県内の山形市を中心とする二市二町で構成される山形環境事務組合(被告)を相手におこした住民訴訟です。
突如決まり急ピッチで建設された清掃工場の敷地の造成工事は、設計の時間が短いこともあり、入手した計画書・設計図にも、特に河川との関係について、疑問が多く、大きな問題がある考えた住民が提訴しました。

 

控訴までの経緯:

山形地方裁判所でおこなわれた第一審は、平成28年1月21日にスタートし、平成29年11月6日に判決が言いわたされました。
一審では、住民側の主張が全面的に退けられました。その判決は、役所側の、根拠すらない素人の意見が全面的に採用され、住民側の根拠ある専門家の意見が理由なく全面的に却下される内容でした。
判決はむずかしい表現で書かれてはいるものの、実際の説明の部分では論理的でない上に不可解なつながりが多く、結論ありきの裁判ではないかと到底納得できない住民側は仙台高裁に控訴しました。

 

問題の前提:

清掃工場はその排水を直接、その敷地に接する「忠川」という川に排水し、この忠川はすぐ先で「前川」という川に合流します。
ところが、この「忠川」と「前川」が問題なのです。 忠川は実は、その上流にある前川ダムの放水路として設計されたわりとめずらしい川(全面コンクリート貼りのため普通の感覚では川とは呼びづらいかもしれません)で、ダムとの関係からふつうの川に比べていろいろ気をつけなくてはならないことが多いのです。
そして「前川」は、以前から大雨時には氾濫をおこし周囲に水害を起こしており、そのために改修の必要があるいわば「リスト入り」(国土交通省)している、危ない川でもあります。 この川の状況に、急に広大な清掃工場の敷地からの大量の排水が流れ込んでくることになったわけです。

 

何が問題?

こうした、もともと注意が必要な川に、突然発生した広大な清掃工場の敷地からの大量の排水が常に流れ込むことは、川の下流域の水害を助長してその地域の住民が危険にさらされるのではないか?というのがこの裁判の最大のポイントです。
特に住民側が問題視しているのが、この工事がほとんど経験がない素人よって設計されていることです。
川にかんする知識も経験もほとんどない会社が工事を請けおって設計したため、河川の専門家にすれば「致命的レベルでの欠陥だらけ」の状態とのこと。この具体的な危険性を住民側は河川の専門家の協力のもと裁判を通してあきらかにしてきました。
一般的に河川設計は周囲への影響が大きいため(そのまわりの住民の生活など)、高い専門知識と経験が必要とされています。そのため専門外の人間が簡単に設計できるようなものではありません。おもわぬ川への排水一つで周囲の地形や川同士の関係性を壊してしまい、そのことで余計な災害が発生してしまうこともあるのです。
こうした清掃工場からの排水の河川・周囲の地理的環境への影響の検討は、組合側の設計書にはほぼありませんでした。そして、裁判を通してもでてくることはありませんでした。

 


平成28年(行コ)第28号 上山市清掃工場用地造成工事公金差止請求住民訴訟事件
控訴理由書
 ※「禁無断転載」

※ Web公開用に一部編集を行っています。

 


今後予定されている裁判の日程:

令和元年11月12日(火) 13:15-
判決 平成29年(行コ)第28号 上山市清掃工場用地造成工事公金支出差止請求住民訴訟控訴事件

平成29年11月17日~ 控訴審仙台高等裁判所(山本 剛史 裁判長,畑 一郎 裁判官,齊藤 顕 裁判官)
控訴人:地域住民 
被控訴人:山形広域環境事務組合
控訴人ら訴訟代理人梶山正三 弁護士(理学博士、ごみ弁連会長)、坂本博之 弁護士(ごみ弁連事務局長)
被控訴人訴訟代理人内藤和暁 弁護士、小野寺弘行 弁護士
 清掃工場建設予定地の造成工事が、河川法的な観点から隣接する川に対して大きな負荷をかけているのではないかを問う裁判です。

未定
平成28年(ワ)第236号 一般廃棄物焼却施設建設禁止等請求事件

平成28年12月06日~ 第一審、山形地方裁判所(松下 貴彦 裁判長 平成29年3月迄、貝原信之裁判長 平成29年4月~))
原告:地域住民 
被告:山形広域環境事務組合
原告ら訴訟代理人梶山正三 弁護士(理学博士、ごみ弁連会長)、坂本博之 弁護士(ごみ弁連事務局長)
被告訴訟代理人内藤和暁 弁護士、小野寺弘行 弁護士
 平成24年5月に突如山形県上山市川口地区に建設が決定した清掃工場(公称エネルギー回収施設:山形広域環境事務組合は清掃工場とよばずに「エネルギー回収施設」と呼んでいます)本体の建設中止、かつ建設後の操業禁止を求める訴訟です。川口地区決定に至るまで、平成11年に山形市志土田地区、13年に山形市蔵王半郷地区、18年に上山市柏木地区、22年に上山市大石陰地区と候補地を定めながらも住民の反対運動が激しく、4度に渡り計画を断念した経緯があり、5度目の今回では、あまりにも強引に決定されたため(地域住民にはほとんど清掃工場についての説明がないまま、きわめて短期間のうちに決まった)、この経過・結果に納得できない市民が住民訴訟を提起しました。

未定
平成29年(行ウ)第8号 川口地区助成金公金差止等請求住民訴訟事件

平成28年07月18日~継続中 第一審、山形地方裁判所(松下貴彦裁判長平成29年3月迄、貝原信之裁判長 平成29年4月~))
原告:地域住民
被告:山形広域環境事務組合管理者 佐藤孝弘(山形市長)
原告ら訴訟代理人梶山正三弁護士(理学博士、ごみ弁連会長)、坂本博之弁護士(ごみ弁連事務局長)
被告訴訟代理人内藤和暁弁護士、小野寺弘行弁護士
 清掃工場建設予定地である山形県上山市川口地区の地区会に対する不正な助成金の受け渡しについてを問う裁判で、川口地区会に支払われた助成金の返還と今後支払われる予定の助成金の支払停止等を求めています。

 

造成工事の裁判(控訴審)は8月27日(火)に結審しました

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ご報告が遅くなりましたが、平成29年11月17日よりはじまった上山市川口清掃工場の造成工事についての控訴審は8月27日(火)に結審しました。この日の第三回口頭弁論では住民側、組合側双方が最終準備書面を提出し結審となりました。

判決は令和元年11月12日(火)13:15仙台高等裁判所401号法廷となります。

この造成工事の裁判は、平成27年10月の仮処分申立の裁判からはじまり、山形地方裁判所での一審を経て、現在の仙台高等裁判所での二審と、実に4年間をたたかってきました。 そして二審も来月にいよいよ判決をむかえます。

当ブログでは次回より判決に向けて、これまでの経緯を数回にわたり振り返ります。 最初の記事では、控訴までの経緯を簡単に振り返り、はじめに提出した控訴状を公開する予定ですのでどうぞご期待下さい。

 

今後予定されている裁判の日程:

令和元年11月12日(火) 13:15-
判決 平成29年(行コ)第28号 上山市清掃工場用地造成工事公金支出差止請求住民訴訟控訴事件

平成29年11月17日~ 控訴審仙台高等裁判所(山本 剛史 裁判長,畑 一郎 裁判官,齊藤 顕 裁判官)
控訴人:地域住民 
被控訴人:山形広域環境事務組合
控訴人ら訴訟代理人梶山正三 弁護士(理学博士、ごみ弁連会長)、坂本博之 弁護士(ごみ弁連事務局長)
被控訴人訴訟代理人内藤和暁 弁護士、小野寺弘行 弁護士
 清掃工場建設予定地の造成工事が、河川法的な観点から隣接する川に対して大きな負荷をかけているのではないかを問う裁判です。

未定
平成28年(ワ)第236号 一般廃棄物焼却施設建設禁止等請求事件

平成28年12月06日~ 第一審、山形地方裁判所(松下 貴彦 裁判長 平成29年3月迄、貝原信之裁判長 平成29年4月~))
原告:地域住民 
被告:山形広域環境事務組合
原告ら訴訟代理人梶山正三 弁護士(理学博士、ごみ弁連会長)、坂本博之 弁護士(ごみ弁連事務局長)
被告訴訟代理人内藤和暁 弁護士、小野寺弘行 弁護士
 平成24年5月に突如山形県上山市川口地区に建設が決定した清掃工場(公称エネルギー回収施設:山形広域環境事務組合は清掃工場とよばずに「エネルギー回収施設」と呼んでいます)本体の建設中止、かつ建設後の操業禁止を求める訴訟です。川口地区決定に至るまで、平成11年に山形市志土田地区、13年に山形市蔵王半郷地区、18年に上山市柏木地区、22年に上山市大石陰地区と候補地を定めながらも住民の反対運動が激しく、4度に渡り計画を断念した経緯があり、5度目の今回では、あまりにも強引に決定されたため(地域住民にはほとんど清掃工場についての説明がないまま、きわめて短期間のうちに決まった)、この経過・結果に納得できない市民が住民訴訟を提起しました。

未定
平成29年(行ウ)第8号 川口地区助成金公金差止等請求住民訴訟事件

平成28年07月18日~継続中 第一審、山形地方裁判所(松下貴彦裁判長平成29年3月迄、貝原信之裁判長 平成29年4月~))
原告:地域住民
被告:山形広域環境事務組合管理者 佐藤孝弘(山形市長)
原告ら訴訟代理人梶山正三弁護士(理学博士、ごみ弁連会長)、坂本博之弁護士(ごみ弁連事務局長)
被告訴訟代理人内藤和暁弁護士、小野寺弘行弁護士
 清掃工場建設予定地である山形県上山市川口地区の地区会に対する不正な助成金の受け渡しについてを問う裁判で、川口地区会に支払われた助成金の返還と今後支払われる予定の助成金の支払停止等を求めています。

 

6月18日の裁判日程が延期されました!

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「本体操業禁止を求める民事訴訟
助成金の返還及び交付禁止を求める行政訴訟

の日程が、相手方(被告/山形広域環境事務組合)の申し出により 9月に延期されましたので、ご連絡致します。 傍聴予定の方は、日程にご注意下さいますようお願い致します。

裁判予定日  令和元年(2019年)6月18日(火) 14:00~(2件)

延期後の期日 令和元年(2019年)9月24日(火) 13:30~(2件)

【経緯】
 去る6月14日、山形地裁より守る会の弁護士宛に電話があり、被告から期日延期の申請が出ているとのことでした。「裁判に向けて、準備書面を書くための調査自体が6月半ば頃から始まるので、6/18の裁判期日には到底間に合わない。ついては、8 月半ば以降に延期して欲しい」とのことでした。
守る会の弁護士は、前回の裁判が2月12日(火)であり、既に4か月 以上経過しているので「元々反論を書くのに時間がかかる、との理由で6月18日という期日にしたはずである。従ってさらに延期というのは納得できない」と述べたものの、結果的に原告、被告との 日程調整となり、やむを得ず予定日から3か月以上延期した9月24日となりました。
前回行われた2月12日から、実に7か月以上経過する日程です。

 そもそも組合は、これまでも守る会側が提出した準備書面に反論書を提出しておりません。都度反論せずに「まとめて反論する」と述べ、 無言を貫いて来ました。
組合側は、過去平成30年8月28日、11月20日平成31年2月12日の 3回の裁判において、準備書面や証拠を一切提出しておりません。 その間守る会は、市民の立場で証拠や事例等を集め、こつこつと書面を 提出して参りました。また守る会の担当弁護士は、理学博士でもあり、 専門性の高い内容です。 準備書面を書くために、裁判予定日頃から調査を始めるとは、どういうことでしょうか。行政として市民に対し、実に誠意のない態度だと思い ます。

 まずは、そのようなことで2件の裁判が延期になったことをお知らせ致し ます。

以上

上山市に対し「クアオルト事業」についての公開質問状を提出しました

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守る会は4月11日に上山市長宛に「クアオルト事業」にかんしての公開質問状を提出しました。「クアオルト事業」とは上山市が推進する温泉などの地域資源を利用した地域活性化の取り組みです。ドイツの「クアオルト(=健康保養地・療養地)」を参考に、健康づくりの町として県内外の観光客を誘致すべく、平成25年頃より始まりました。

守る会ではあることをきっかけとして、このクアオルト事業に注目することになり、その内容を確認すべく、これまで情報公開請求などをおこなってきました。今回は公開質問状という方法で、上山市に質問しています。回答は4月24日までにいただける予定です。

 


2019年4月10日

上山市
横戸長兵衛 殿

山形県の環境と観光産業を守る会

クアオルト事業に関する公開質問状

 私たちは、山形県の環境と観光産業を守ることを目的として2013年4月に発足した市民団体で、山形県内外で活動を行っております。
上山市が取り組んでおられるクアオルト事業について以下の通り質問致しますので、本年4月24日迄に回答を戴きたく、お願い申し上げます。
なお、頂戴した回答につきましては、市民の方々に原文のまま公開させて戴く予定ですので、この点につきまして、予めご了承の上ご回答下さい。

 

質問1 上山市の広報等に見られる「認定コース」について

上山市のクアオルト事業における「認定コース」についてうかがいます。
この「認定コース」、あるいはこれに類する表現は、上山市の広報やさまざまな媒体で多く見受けられます。守る会が先日上山市に対して情報公開請求を行い、「認定コース」について確認したところ、ミュンヒェン大学のコースに対する「認定書」は存在せず、「鑑定書」のみが存在するとの回答でした。このことから、「認定コース」の「認定」は、ミュンヒェン大学によるものではないと考えられます。であるなら、上山市のクアオルト事業における「認定コース」はどのような意味を持つのか、ご回答下さいますようお願い申し上げます。

 

質問2 ミュンヒェン大学・シュー教授の指導について

たとえば、上山市のホームページ内「気候性地形療法の紹介」の頁には、「上山の気候性地形療法は、(…中略…)シュー教授の指導の下、専門的で医科学的手法を基礎として、予防医学や健康増進のために行われる健康づくりの取組です。」(https://www.city.kaminoyama.yamagata.jp/site/kurort/kikou.html 2019年4月7日閲覧)との記載があります。
文中の上山の気候性地形療法に対する「シュー教授の指導」とは具体的にどのようなものか、ご教示下さい。

以上、お手数ではございますが、宜しくお願い申し上げます。


今後予定されている裁判の日程:

平成31年5月28日(火) 13:30- 16:00
第2回 口頭弁論 平成29年(行コ)第28号 上山市清掃工場用地造成工事公金支出差止請求住民訴訟控訴事件

平成29年11月17日~ 控訴審仙台高等裁判所(裁判長 小川 浩,裁判官 潮見 直之,裁判官 齊藤 顕)
控訴人:地域住民 
被控訴人:山形広域環境事務組合
控訴人ら訴訟代理人梶山正三弁護士(理学博士、ごみ弁連会長)、坂本博之弁護士(ごみ弁連事務局長)
被控訴人訴訟代理人内藤和暁弁護士、小野寺弘行弁護士
 清掃工場建設予定地の造成工事が、河川法的な観点から隣接する川に対して大きな負荷をかけているのではないかを問う裁判です。

平成31年6月18日(火) 14:00- 14:05
第10回 口頭弁論 平成28年(ワ)第236号 一般廃棄物焼却施設建設禁止等請求事件

平成28年12月06日~ 第一審、山形地方裁判所(松下貴彦裁判長平成29年3月迄))
原告:地域住民 
被告:山形広域環境事務組合
原告ら訴訟代理人梶山正三弁護士(理学博士、ごみ弁連会長)、坂本博之弁護士(ごみ弁連事務局長)
被告訴訟代理人内藤和暁弁護士、小野寺弘行弁護士
 平成24年5月に突如山形県上山市川口地区に建設が決定した清掃工場(公称エネルギー回収施設:山形広域環境事務組合は清掃工場とよばずに「エネルギー回収施設」と呼んでいます)本体の建設中止、かつ建設後の操業禁止を求める訴訟です。川口地区決定に至るまで、平成11年に山形市志土田地区、13年に山形市蔵王半郷地区、18年に上山市柏木地区、22年に上山市大石陰地区と候補地を定めながらも住民の反対運動が激しく、4度に渡り計画を断念した経緯があり、5度目の今回では、あまりにも強引に決定されたため(地域住民にはほとんど清掃工場についての説明がないまま、きわめて短期間のうちに決まった)、この経過・結果に納得できない市民が住民訴訟を提起しました。

平成31年6月18日(月) 14:05- 14:30
第8回口頭弁論  平成29年(行ウ)第8号 川口地区助成金公金差止等請求住民訴訟事件

平成28年07月18日~継続中 第一審、山形地方裁判所
原告:地域住民
被告:山形広域環境事務組合管理者 佐藤孝弘(山形市長)
原告ら訴訟代理人梶山正三弁護士(理学博士、ごみ弁連会長)、坂本博之弁護士(ごみ弁連事務局長)
被告訴訟代理人内藤和暁弁護士、小野寺弘行弁護士
 清掃工場建設予定地である山形県上山市川口地区の地区会に対する不正な助成金の受け渡しについてを問う裁判で、川口地区会に支払われた助成金の返還と今後支払われる予定の助成金の支払停止等を求めています。

 

証人尋問がおこなわれることになりました! | 本日の裁判のご報告(平成29年(行コ)第28号 上山市清掃工場用地造成工事公金支出差止請求住民訴訟控訴事件)

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本日(2019年2月26日)、仙台高等裁判所上山市川口清掃工場(ゴミ工場)の造成工事に関する裁判が行われました。前回の記事でご案内の通り、今日の裁判では証人尋問を行うかどうかについての判断が示されました。

結果として、守る会側が申請していた5人のうち2人が認められ、次回の裁判においてこの二人に対する証人尋問がおこなわれることになりました。この二人は、「河川工学の専門家」と、「山形市の測量設計会社のこの造成工事の設計担当者」で、それぞれ主尋問約20分、反対尋問約40分の合計1時間に加えて裁判官からの補充質問があり、合計2時間の証人尋問が予定されています。

この記事では、証人の申請を行った「証拠申出書」を公開致します。今日の法廷で裁判官により尋問で聞きたい内容について、あらかじめ示されていますので、この項目は証拠申出書内で赤字にしてあります。

これまで守る会は他の裁判でも証人申請を行ってきましたが、認められたことはなく、今回が初めてとなります。注目の次回の裁判は、5/28 13:30〜16:00、仙台高等裁判所 401号法廷でおこなわれます。どなたでも傍聴することができますので、ぜひお越しください。

 


(* Web用に編集を行っています。)

平成29年(行コ)第28号 上山市清掃工場用地造成工事公金支出差止請求住民訴訟控訴事件

証拠申出書

控訴人 地域住民
被控訴人 山形広域環境事務組合 監理者 佐藤孝弘

平成30年3月7日
上記控訴人ら訴訟代理人
弁護士  坂本 博之

仙台高等裁判所第2民事部 御中

人証の申請


1 人証の表示

連絡先 x x
控訴人 本人  x x(同行60分)

 証すべき事実控訴人らの主張事実全般。

 尋問事項
① 身上・経歴
②  x x や控訴人らの土地と忠川との位置関係
③ 忠川の護岸コンクリート及びその調査を行った際の状況
④ 忠川護岸コンクリートに対する負荷について
⑤ 本件造成工事前の清掃工場用地のようす
⑥ 本件造成工事前の大雨の際の清掃工場用地からの出水のようす
⑦ 前川の水害について
⑧ 前川の河道及び流量について
⑨ 本件工事の結果発生する可能性のある損害について
⑩ 本件造成地から忠川への配水管のようす
⑪ 忠川に流入する水路について
⑫ その他本件に関連する事実

 

(証人として出廷)


1 人証の表示

連絡先  〒x x x  x x x
証人  x x x (同行60分)

 証すべき事実証人は、河川工学の専門家であり、河川法及びその関係法令上、本件造成工事が違法であることを立証する。

 尋問事項
① 身上・経歴
② 河川法における河川整備計画について
③ 忠川及び前川には河川整備計画があるか
④ 本件造成工事と河川法及びその関係法令との関係について
⑤ 本件造成工事が忠川の護岸に対して与える影響について
⑥ 忠川の護岸コンクリートの構造や強度について
⑦ 本件造成工事の雨水排水計画の問題点について
⑧ 本件造成工事による出水が忠川及び前川に与える影響
⑨ その他本件に関連する事項

 


1 人証の表示

連絡先 〒990-8570 山形市松波二丁目8-1 山形県
証 人  田中伸明(呼出60分)

2 証すべき事実
証人は、山形県において、河川を管理する担当部署の県土整備部河川課に在籍し、控訴人らとの交渉の窓口になったことがあり、前川や忠川に関する知識が豊富であった。そこで、この証人によって、本件造成工事が河川法及びその関係法令上、違法であることを立証する。

3 尋問事項
① 身上・経歴
② 河川法における河川整備計画について
③ 前川及び忠川には河川整備計画があるか
④ 本件造成工事と河川法及びその関係法令との関係
⑤ 本件造成工事が忠川の護岸に対して与える影響について
⑥ 忠川の護岸コンクリートの構造や強度について
⑦ 本件造成工事による出水が忠川及び前川に与える影響
⑧本件造成工事に係る雨水排水計画について
⑨ その他本件に関連する事項

 

(証人として出廷)


1 人証の表示

連絡先 〒x x x 山形県山形市x x x  株式会社 x x測量設計事務所
証人   x x x(呼出60分)

 証すべき事実証人は、被控訴人が本件造成工事の設計を担当し、本件訴訟において提出された乙4号証の作成者である。そこで、この証人によって、本件造成工事が河川法及びその関係法令上、違法であることを立証する。

 尋問事項
① 身上・経歴
② 本件造成工事の設計を行った経緯
③ 本件造成工事が忠川の護岸に対して与える影響について
④ 忠川の護岸コンクリートの構造や強度について
⑤ 本件造成工事による出水が忠川及び前川に与える影響
⑥ 本件造成工事に係る雨水排水計画について
⑦ その他本件に関連する事項

 


1 人証の表示

連絡先  〒x x x 山形県x x x x x 土建株式会社 
証人      x x x (呼出30分)

 証すべき事実本件において談合が行われた事実。

 尋問事項
① 身上・経歴
② 本件造成工事を知った経緯
③ 本件造成工事に入札を行った経緯
④ 入札金額の内容について
⑤ 入札に至るまでの経緯について
⑥ その他本件に関連する事項

 


今後予定されている裁判の日程:

平成31年5月28日(火) 13:30- 16:00
第2回 口頭弁論 平成29年(行コ)第28号 上山市清掃工場用地造成工事公金支出差止請求住民訴訟控訴事件

平成29年11月17日~ 控訴審仙台高等裁判所(裁判長 小川 浩,裁判官 潮見 直之,裁判官 齊藤 顕)
控訴人:地域住民 
被控訴人:山形広域環境事務組合
控訴人ら訴訟代理人梶山正三弁護士(理学博士、ごみ弁連会長)、坂本博之弁護士(ごみ弁連事務局長)
被控訴人訴訟代理人内藤和暁弁護士、小野寺弘行弁護士
 清掃工場建設予定地の造成工事が、河川法的な観点から隣接する川に対して大きな負荷をかけているのではないかを問う裁判です。

平成31年6月18日(火) 14:00- 14:05
第10回 口頭弁論 平成28年(ワ)第236号 一般廃棄物焼却施設建設禁止等請求事件

平成28年12月06日~ 第一審、山形地方裁判所(松下貴彦裁判長平成29年3月迄))
原告:地域住民 
被告:山形広域環境事務組合
原告ら訴訟代理人梶山正三弁護士(理学博士、ごみ弁連会長)、坂本博之弁護士(ごみ弁連事務局長)
被告訴訟代理人内藤和暁弁護士、小野寺弘行弁護士
 平成24年5月に突如山形県上山市川口地区に建設が決定した清掃工場(公称エネルギー回収施設:山形広域環境事務組合は清掃工場とよばずに「エネルギー回収施設」と呼んでいます)本体の建設中止、かつ建設後の操業禁止を求める訴訟です。川口地区決定に至るまで、平成11年に山形市志土田地区、13年に山形市蔵王半郷地区、18年に上山市柏木地区、22年に上山市大石陰地区と候補地を定めながらも住民の反対運動が激しく、4度に渡り計画を断念した経緯があり、5度目の今回では、あまりにも強引に決定されたため(地域住民にはほとんど清掃工場についての説明がないまま、きわめて短期間のうちに決まった)、この経過・結果に納得できない市民が住民訴訟を提起しました。

平成31年6月18日(月) 14:05- 14:30
第8回口頭弁論  平成29年(行ウ)第8号 川口地区助成金公金差止等請求住民訴訟事件

平成28年07月18日~継続中 第一審、山形地方裁判所
原告:地域住民
被告:山形広域環境事務組合管理者 佐藤孝弘(山形市長)
原告ら訴訟代理人梶山正三弁護士(理学博士、ごみ弁連会長)、坂本博之弁護士(ごみ弁連事務局長)
被告訴訟代理人内藤和暁弁護士、小野寺弘行弁護士
 清掃工場建設予定地である山形県上山市川口地区の地区会に対する不正な助成金の受け渡しについてを問う裁判で、川口地区会に支払われた助成金の返還と今後支払われる予定の助成金の支払停止等を求めています。

 

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