山形県の環境と観光産業を守る会

山形県上山市川口地区に建設予定の清掃工場(エネルギー回収施設)に関する詳細、および諸問題について

本日(2月23日)の裁判(控訴審)について : 被控訴人側(被控訴人 横戸長兵衛氏)提出の答弁書の公開

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 平成29年2月23日午後1時半より、仙台高等裁判所第402号法廷において、上山市長 横戸 長兵衛氏(公人と私人)に対する住民訴訟控訴審が行われましたので、ご報告致します。

■ これまでの経緯
 守る会は、平成27年10月29日付で、上山市の監査委員に対し、前川ダム東線道路改良工事 内容が極めて不公正であり、通行権を侵害するもので、談合が行われていたと考えられるため 住民監査請求を行いました。

 しかし、2か月後の平成27年12月28日に請求は棄却されたため、守る会は翌年1月27日 付で山形地裁に対し住民訴訟(前川ダム東線道路改良工事公金支出差止請求住民訴訟事件)を提 起しました。これは、この工事請け負ったH社の請負代金1億2582万円のうち、7549万2000 円を支出の差し止めと、上山市長及びH社に対し、5032万8000円等の損害賠償請求を求める ものです。

 この、平成28年 (行ウ)第2号 前川ダム東線道路改良工事公金支出差止請求住民訴訟事件は、 平成28年1月27日に提訴後、わずか7か月にも満たない裁判で、8月16日山形地裁の松下貴彦 裁判長により突然結審が告げられ、同年10月18日の判決で「棄却」されました。守る会は準 備書面を2度提出したのみで、それ以上の反論は認められませんでした。

 そのため守る会は、棄却6日後である平成28年10月24日、仙台高等裁判所へ即時抗告し (平成28年(行コ)第19号 前川ダム東線道路改良工事公金差止請求住民訴訟控訴事件)、平成28 年12月27日には控訴理由書を提出致しました。

 それに対し上山市は、平成29年2月17日に「答弁書」を仙台高裁へ提出しました。控訴人は 守る会の法人1社と住民4名。これに対する被控訴人は、上山市長及び個人としての横戸長兵衛氏です。

 平成29年2月23日に行われた仙台高裁での控訴審口頭弁論では、守る会が「控訴審準備書面(1)」と、証拠説明書及び証拠甲第34~49号証(すれ違い不可能な状況を示す実験DVD)を提出。さらに法廷で、甲51~53号証と証拠申出書を提出しようとしたものの、認められませんでした。 上山市側は、証拠として乙3~6号証を提出したのみです。

 これにより控訴審は結審し、来る4月27日仙台高裁において13:15に判決が出ることになりま した。この控訴審に関し、まずは2月17日付で上山市及び市長個人から提出された答弁書を公開致します。

 

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*ブログ用に内容を一部編集しております。

平成28年(行コ)第19号 前川ダム東線道路改良工事公金支出差止請求住民訴訟控訴事件

控訴人 上山市
控訴人 上山市長 横戸長兵衛 外1名

答弁書

平成29年2月17日

仙台高等裁判所 第2民事部 い1係 御中

(送達場所)
〒990-0055 山形県山形市相生町6番56号
古澤・内藤法律事務所
電話 023-631-7507
FAX 023-631-7174
被告訴訟代理人
弁護士  内藤和暁
同  古澤茂堂
同 小野寺弘行

第1 控訴の趣旨に対する答弁
1 控訴人らの控訴を棄却する
2 第2審の訴訟費用は控訴人らの負担とする
との判決を求める。

第2 控訴理由書に対する反論

1  通行権侵害との控訴人ら主張の不相当性
(1) 本件工事について控訴人ら主張の通行権侵害が問題となる余地はないこと(大型車の通行量増加は本件工事によるものではないこと)
 控訴人らは,本件工事請負契約が公序良俗巡反により無効となることの理由として,山形広域環境事務組合のエネルギ一回収施設によって市道前川ダム東線道路(以下,「本件市道」という。)の大型車の通行量が増加すること.本件工事がこれに合わせて行われるものである ことを挙げたうえ,本件工事によっても大型車同士のすれ違いが困難な箇所が残ることから,本件工事が控訴人ら等の通行権を侵害している旨を主張している(訴状第3の3)。 かかる控訴人ら主張につき,原判決第3の1(1)ア(イ)(11頁)は,
「・・・本件市道前川ダム東線道路において、今後一定の大型車両の通行 量の増加が見込まれるものの,今後見込まれる大型車両の通行量の増加 は、本件工事によるによる本件市道前川ダム東線道路の利便性の改良等に伴うものではなく、飽くまで本件エネルギー回収施設の建設に伴うものであると認められる。」
「・・・今後,本件エネルギ一回収施設の建設に伴い大型車両のの通行量の増加が見込まれ,本件工事によっては本件市道前川ダム東線道路における 大型車両のすれ違い困難さを完全には解消できないとしても、それだけで本件工事が公序良俗に反するとはいえない。」
としている。これば控訴人らが通行権侵害の原因として挙げる大型車の通行量増加は,山形広域環境事務組合が行うエネルギー回収施設の建設に伴うもので,本件工事によって生じるものではないことから,控訴人らが縷々主張するような,本件工事によって本件市道における大型車のすれ逃いの困難さが解消されたか否かとの問題を論じるまでもなく、そもそも,本件工事について控訴人らが主張するような通行権侵害が問題となるものではない旨を判示したものである。
 この点,本件工事は本件市道の道路改良,拡幅を行ってその利便性の改良を行うという工事であり(通行を改善した点について,原判決第3の1(1)ア(ウ)〈(11頁》を参照),控訴人らが通行権侵害の原因として挙げる大型車の通行量増加が本件工事によって生じるものではないことから,原判決の上記判示内容は相当なものである。 控訴理由書第2の2(1) (3頁)は,これを争い,本件工事は「大型車両が国道13号線から清掃工場用地に出入りするための利便性を向上させるための工事であること」や「本件工事を行うことを前提としなかったならば,滑掃工場への大型車の出入は極めて不便であるから,その建設はあり得なかったものと思われる。」と主張している。
 しかしながら,本件工事がエネルギー回収施設への大型車の出入りの利便性を向上させるためのものであったとしても,本件工事によって大型車の通行量が増加することとなるものではなく,控訴理由書の上記主張が原判決の上記判断を覆す理由となるものではない。
 また,控訴人らは通行権侵害によって本件工事請負契約が公序良俗違反の無効になると主張しているが,そもそも,通行権侵害によって工事請負契約が公序良俗違反になるとの論理関係も全く不明といわざるを得ないものである。
 従って,いずれにしても,本件訴訟においては,控訴人ら主張の通行権侵害などが問題となる余地はないものである。

(2) 控訴人ら主張の通行権侵害の不存在
 原判決第3の1(1)ア(オ)(12頁)は,上記(1)の点を措いて,控訴人ら主張の通行権侵害の有無を検討するとしても,大型車及び緊急車両の通行が困難となり,歩行者,軽車両の道路通行の安全が妨害されるといった程度に車両の通行巌が増加するとは認められないこと,本件市道の全ての箇所で大型車がすれ違うことができなければ大型車の通行が不可能,困難になるとは認められないことから,控訴人ら主張のような通行権侵害などは認められない旨を判示している。
 本件においては,本件市道において大型車の通行困難を生じることや歩行者,軽車両の通行の安全が害されることの具体的な主張,立証 はなされておらず,原判決の上記判断は相当なものである。
 これに対し,控訴埋由啓第2の2(2)(3) (3頁乃至5頁)は,エネ ルギー回収施設では長さ12m程度のトラック,大型バスの通行が予 想されること,火災発生の場合に長さ11 m程度の消防車の通行が予 想されることを挙げ、さらに長さ12 m程度の大型車のすれ速い実 験を行ったとの甲第31号証のビデオを提出し,エネルギー回収施設 に出入りする大型車によって本件市道が通行困難になることや,消防 車のすれ違いができず災害救助が困難となること,多数の大型車の通 行により歩行者や軽車両の安全が十分に保たれないことを主張して いる。

 しかしながら,被控訴人の平成28年3月23日付答弁書の第3に おいて前述したとおり,本件市道は直線部分において大型車同士が容 易にすれ違うことが可能であり,甲第31号証のビデオはカーブ箇所 であえてセンターラインを超え,車体をふくらませているに過ぎない ものである(なお,控訴理由書4頁は,被控訴人の実験はカーブ箇所 ④では行われていないとしているが,乙第5号証の実験はカーブ箇所 ④においても行っているものである。)。
 また,上記控訴人主張においては、すれ違い困難となるほどの多数 の長さ12 m程度の大型車が本件市道を通行することとなる根拠も, 全く示されていないものである。
従って,控訴人らの上記主張にも理由がないものである。

(3)結論
 以上より,そもそも,控訴人ら主張の通行権侵害によって本件工事 請負契約が公序良俗違反となるものでもなく,また,実際にも控訴人 らが主張する通行権侵害となるような事実などは認められないもの であり,いずれにしても,本件工事請負契約の公序良俗違反は認められないとした原判決の判断は相当なものである。

 

2 エネルギ一回収施設の候補地選定行為に関する控訴人ら主張の不相当性

(1) 本件工事についてエネルギ一回収施設の候補地選定行為が問題と なる余地はないこと
 控訴人らは、本件工事請負契約が公序良俗違反により無効となるこ との理由として,山形広域環境事務組合が行うエネルギー回収施設の 建設予定地選定行為のために,上山市の清掃工場候補地検討委員会が 行った候補地選定行為が不当であったことを挙げている(訴状第4 《4頁乃至6頁》)。

しかしながら,原判決第3の1(1)イ(イ) (13頁)が判示するよう にそもそも,「本件請負契約は,本件エネルギー回収施設の建設予 定地選定行為と主体を異にするものであり」、「本件エネルギ一回収施 設の建設予定地選定行為とは独立したものであると認められるから」, 山形広域環境事務組合のエネルギー回収施設の建設予定地選定行為 のために行われた上山市の清掃工場候補地検討委員会の候補地選定 行為の当否によって,本件工事請負契約が公序良俗違反となるものではない。

 控訴理由書第3の2(1) (7頁)はかかる原判決の判断を不当とし て,エネルギー回収施設と本件工事が関連性を有することや,上山市 が山形広域環境事務組合を構成する地方公共団体の1つであること を挙げているが,かかる事情によっても,エネルギー回収施設の建設 予定地選定行為と本件工事が別個独立の行為であることに変わりは なく,控訴人ら主張には理由がないものである。
 従って,上山市の清掃工場候補地検討委員会における候補地選定行 為が不当であったとの控訴人ら主張についても,そもそも,かかる事 実の有無を検討するまでもなく,これによって本件工事諸負契約が公 序良俗違反となる余地はないものである。

(2) エネルギー回収施設の建設予定地選定行為における不当な選定行為の不存在
 なお,原判決第3の1(1)イ(ウ) (13頁,14頁)は,上山市の清 掃工場候補地検討委員会の候補地選定行為において控訴人ら主張の ような選定条件のすり替えは認められず,本件市道が大型車対面通行 可能条件を充たしていないとも認められず,候補地選定行為の不当な どは認められないとしているが,かかる判断は相当なものである。
 控訴理由書第3の2(2)はこれを不相当としているが,すれ違い因 難なカーブがあれば大型車の対面通行が可能とはいえない,などとい った独自の見解を述べるに過ぎず,全く理由がないものである。

(3) 結論
 以上より、いずれにしても,上山市の清掃工場候補地検討委員会に おける候補地選定行為の不当によって本件工事請負契約が公序良俗 違反となるとの上記控訴人ら主張には理由がなく,かかる主張は認め られないとした原判決の判断は相当なものである。

3 談合があったとの控訴人ら主張の不相当性
 控訴人らは,本件工事の入札において談合があったことから,本件工事請負契約は公序良俗違反により無効となる旨を主張している(訴状第 5, 控訴埋由書第4)。

 しかしながら,原判決第3の1(1)ウ(14頁)も判示するように,具体的な談合の事実を認めるに足りる証拠はなく,上記控訴人ら主張には理由がないものである。

4  結論
 以上より,原判決を不相当とする控訴人ら主張はいずれも理由がなく, 本件控訴は棄却を免れないものである。

以上


 

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今後予定されている裁判:

平成29年3月7日
山形県上山市川口清掃工場建設に関する裁判|本体訴訟(事件名称未定)

突如建設が決まった、山形県上山市「川口」清掃工場の建設中止および操業差し止めを求める裁判です。この清掃工場建設計画は、平成11年に山形広域環境事務組合によって計画され、以後4度に渡り計画が頓挫しました。川口は5度目の候補地として、平成24年12月に突然決定されたため、建設中止及び操業差し止めを求めています。

平成29年4月18日
平成28年(行ウ)第1号 上山市清掃工場用地造成工事公金差止請求住民訴訟事件

清掃工場の建設される土地の、主に河川法の観点からの違法性についてが主題です。

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