山形県の環境と観光産業を守る会

山形県上山市川口地区に建設予定の清掃工場(2018年12月から「エネルギー回収施設(川口)」として稼働開始)に関する詳細、および諸問題について

ごみ弁連(たたかう住民とともにゴミ問題の解決をめざす100人の弁護士の連絡会)総会が上山市で開催されました

7月31日(日)、山形県上山市において「ごみ弁連」(たたかう住民とともにゴミ問題の解決をめざす100人の弁護士の連絡会)集会が開催されました。上山市川口では現在、清掃工場で使用される流動床式ガス化溶融炉建設のための造成工事が終了した状態で、全国の事例も踏まえて、この事業の専門家による分析が行われましたので、簡単に報告致します。

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全国から集まられた廃棄物訴訟に係わる弁護士さんと各地の市民の皆さん

 セッションⅠでは、上山市のごみ焼却場訴訟を担当する坂本博之弁護士(ごみ弁連事務局長)が、訴訟に至る経緯と問題点を説明されました。
 次に、予定されている「ガス化溶融炉」とは一体どのようなものか、一般市民にも分かりやすく梶山正三弁護士(ごみ弁連会長/理学博士)が「ガス化溶融炉・妄想と時代錯誤の所産」と題して講演。重厚長大産業の遺産であり、人口減少が進む中、問題が多すぎることを指摘されました。

 セッションⅡでは、ごみ弁連顧問の青山貞一氏が「脱焼却のための具体的戦略(生ごみ堆肥化)とカナダ・ノバスコシア州の具体的事例にみる現状」について解説され、焼却をせずにいかにごみを処理すべきか理解することができました。
 引き続き(株)環境総合研究所顧問の池田こみち氏が、上山市山形市で行われた松葉によるダイオキシン調査から読み取れることを説明され、川口地区は溶融炉が稼働していないため、現在非常に大気の状態が良いことが分かりました。現在ストーカ式焼却炉が稼働している山形市半郷地区との比較調査結果です。

 セッションⅢでは、全国各地から集まられた市民の方々による、様々な廃棄物処理の問題点について10件の報告がありました。昨年の総会は、岡山県で行われましたが、今年は東北地方が開催地だったため、福島県を中心とする周辺県における核廃棄物の報告が多く、非常に重い課題として来年に繋ぐことになりました。


 翌8月1日(月)は、午前中総会開催。それぞれの問題について突っ込んだ議論が行われました。午後から上山市川口のガス化溶融炉建設予定地へ出向き、現在5件の訴訟が行われている敷地の問題点について、河川工学博士であり、防災の専門家でもある谷岡康氏の説明を受けました。

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一級河川里山、新幹線に囲まれた特殊な土地条件についての説明を聞く

 その後、山形県長井市へ移動。循環型社会を実践しておられる「レインボープラン」についてレクチャーを受け、工場を視察致しました。「脱焼却」を目指すこと。そして、いかに具体化するかについて、その有効性を実感できた2日間だったと言えます。

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レインボープランのたい肥化工場を見学。アナログ式で、安全性が高い

 結論として、この規模の自治体において、今どき2箇所のガス化溶融炉建設は、壮大なムダ以外の何ものでもないということが言えます。

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