山形県の環境と観光産業を守る会

山形県上山市川口地区に建設予定の清掃工場(2018年12月から「エネルギー回収施設(川口)」として稼働開始)に関する詳細、および諸問題について

ダムと河川と敷地の関係について

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 山形広域環境事務組合が計画し、平成28年5月31日で終了した敷地造成工事は、工事の申請が必要なく、組合が独自で進めることができます。その工事を、組合は「道路土工」に基づいて計画しました。

 しかし、敷地は閉鎖された空間で、道路に面しているわけではありません。一部「がけに近接する区域(建設不可エリア)」指定された里山と、一級河川忠川(前川ダム放水路)、さらにJR山形新幹線に囲まれています。新幹線に関連する電柱は、造成地内に残ったままです。

 このように特殊な場所の造成を組合だけの判断で、道路土工に基づき計画、実行してよいものでしょうか。東側を河川に面した敷地は、忠川の護岸や排水に影響を与えます。更に、上流にある前川ダムから忠川を通じて影響を受け、造成地の少し先で合流する一級河川前川の水量や水質にも影響を与えることは、明白です。

 平成26年7月、上山市周辺は2年連続で豪雨になり、造成地が接する忠川上流付近で、上山市道の崩落が起こりました。

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(写真1)

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(写真2)

(写真1)この崩落現場は前川ダムの少し下であり(写真2)、崩れ落ちた土砂は忠川に向かって流れ落ち、復旧に時間を要しました。今後もこのようなことが無いとは思えません。忠川は、緊急時にダム水を排水するという重要な役割を担った一級河川なのです。常時安全性を保つべきだと思います。

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(写真3)

 前川ダムの堤体から見た、右手の崩落現場(写真3)。土砂先端の一部は忠川に流れ込んでいます。忠川に土砂が流入すると、緊急時の放水時に障害となり、悪影響を与えます。

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(写真4)

 前川ダム堤体少し下にある「忠川橋」と、この橋周辺に流れ落ちた土砂。土砂の一部は、忠川に流れ込んだと思われます。(写真4)。

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(写真5)

 ダムの水量を調節するため、前川ダムから放水されている様子(写真5)このように、造成された敷地は、周辺のダムや河川、下流の田畑、住宅等と密接な関係にあり、道路土工だけで工事を進めることは安全性に欠けると考えます。

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(前川ダムと忠川(ダム放水路)、清掃工場建設予定地の位置関係)

 建設予定地に接する忠川左岸は、建設工事により竣工当時以上の圧力がかかり、壁面にはクラックが徐々に拡がってきています。そして壁面に対する負荷は今後の工事によって高まることが懸念されます。

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