これまでの訴訟に至る経緯
山形県の環境と観光産業を守る会は、平成24年5月以降発覚した上山市川口の公称エネルギー回収施設建設に関する経緯に対し、異議を申し立てる活動を継続して参りました。
これまで、住民説明会での意見衝突に始まり、反対署名提出、刑事告発、提言書や意見書提出等あらゆる手段を講じて来たものの、行政は全く聞く耳を持たずに計画を推進めているため、訴訟に至っています。
この事業の実施主体は二市二町(山形市・上山市・山辺町・中山町)で構成される「山形広域環境事務組合」であり、管理者は山形市長、副管理者は上山市長となっています。それぞれの人口比は、8:1:0.5:0.5 となっており、ごみ排出比率も同様です。
平成27年2月17日に初めて組合に対し住民監査請求を申し立てた結果、請求はすべて監査委員によって棄却されたため提訴し、現在3件の住民訴訟を行っております。また、架橋工事の許可を与えた山形県に対しても、行政訴訟を継続中です。
上山市川口清掃工場に関する訴訟一覧
訴訟相手 | 内容 | 状態 |
---|---|---|
山形広域環境事務組合 | 忠川架橋工事差止住民監査請求 | 棄却 |
同上 | (1) 忠川架橋工事差止住民訴訟 (上記「忠川架橋工事差止住民監査請求」が 棄却のため提訴) |
現在継続中 |
山形県 | (2) 忠川占用許可取消行政訴訟 | 現在継続中 |
上山市 | 上山市道改良工事差止住民監査請求 | 棄却 |
同上 | (3) 上山市道改良工事差止住民訴訟 (上記「上山市道改良工事差止住民監査請求」が 棄却のため提訴) |
現在継続中 |
山形広域環境事務組合 | 建設地造成工事差止住民監査請求 | 棄却 |
同上 | (4) 建設地造成工事差止住民訴訟 (上記「建設地造成工事差止住民監査請求」が 棄却のため提訴) |
現在継続中 |
訴訟の主旨は、以下の通りです。
- 建設予定地に入るための新橋架橋工事差し止めを求める訴訟(対組合)
架橋工事による盛土や振動等が隣接する忠川護岸に悪影響を与え、護岸崩壊の危険性がある。新橋はすでに完成しているが、引き続き新橋の使用差し止めを求める。 - 一級河川「忠川」の河川占用許可取り消しを求める訴訟(対山形県)
1の架橋工事にあたり、この一級河川忠川を管理している山形県は、精査せずに河川占用許可を出したことに対する許可取り消しを求める内容。 - 上山市道工事の差し止めを求める訴訟(対上山市)
国道13号線から、公称エネルギー回収施設建設予定地までは、幅の狭い上山市道を通らざるを得ない。上山市は一部直線部のみの拡幅工事を行ったが、予定地に入るまで4ヶ所のきついカーブがあり、大型車のすれ違いは不可能である。工事車両や緊急車両の通行に支障が出ると想定され、安全を阻害する計画である - 敷地造成工事の差し止めを求める訴訟(対組合)
組合は平成27年8月より敷地造成工事を始めたが、 敷地からの排水量に誤りがある。組合が計算し、想定している数値を上回る水量が、排水先の一級河川忠川及び前川に排水されることが想定される。上山市内は二年連続で洪水に見舞われており、安全上これ以上の排水を許すべきではなく、造成工事は不当である。
写真中央が「しんちゅうかわ橋」(関連項目(1),(2))
増加した土盛り。土圧の数値が問題になっています。(関連項目(1),(2))
当初はなかった網目状のクラックと、護岸を貫通していると思われるタテの亀裂。(関連項目(1),(2))
現在それぞれの訴訟が、山形地方裁判所で継続されています。
去る2月26日に3件の訴訟が行われ、相手方から準備書面が提出されました。ページ数が多く、一般的には分かりにくいため、主要部分のみ数回に分けて掲載して参ります。
今後の予定
場所:山形地方裁判所 日時:平成28年3月29日(火)
組合に対する造成工事差止請求第1回訴訟 |
上山市に対する市道工事差止請求第1回訴訟 |