山形県の環境と観光産業を守る会

山形県上山市川口地区に建設予定の清掃工場(2018年12月から「エネルギー回収施設(川口)」として稼働開始)に関する詳細、および諸問題について

山形広域環事務組合職員措置請求に係る監査結果について

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 山形県の環境と観光産業を守る会会員17人は、 平成27年10月28日付けで、山形広域環境事務組合監査委員宛に、川口清掃工場敷地造成工事に関する住民監査請求を行いました。

 監査請求と共に、 山形地方裁判所宛に造成工事差止のための仮処分申立書を提出しております。(住民監査請求に付きまし ては会報32号をご覧下さい)。住民監査請求に伴い、12月3日には代表3名が 組合監査委員に対し意見陳述をしております。その監査請求に対する結果が12月25日、守る会の弁護士宛郵送されましたので、公開致します。

 監査の結果、「請求人が主張する措置請求については、理由がないので棄却とする」と結論付けられ ていますが、守る会はこの結果に到底納得することはできないため、次の手段を講じたいと思います。

 


※今回の記事内容への該当箇所のみの掲載とさせて戴きます。

 

山形広域環事務組合職員措置請求に係る監査結果について(通知)

 

山形広域環境事務組合
監査委員 中村 一明
同  西塔いく子

 

請求の内容

  1. 請求の対象とする者
    山形広域環境事務組合 管理者 佐藤 孝弘
               同  会計管理者
  2. 請求の要旨(前号に掲載済みのため省略)
  3. 請求人の主張する違法性ないし不当性(前号に掲載済みのため省略)
  4. 措置請求(前号に掲載済みのため省略)

監査の結果

 監査の結果は、合議により次のとおり決定した。
 請求人が主張する措置請求については、理由がないので棄却とする。

 先に記載した、第1の3の(3)で請求人が主張する違法性ないし不当性のうち、「ア 本件工事は河川法等に違反して違法であることについて」、「イ 請求人らの人格権、財産権等を侵害することについて」、「エ 本件工事の入札は談合がなされたものと判断されることについて」は、いずれも法第242条第1項の要件を具備していないので、監査対象としなかった。 また、「ウ 本件工事は契約内容が不明確で無効であることについて」は、法第242条第1項の要件を具備していると認め、監査の対象とした。
 以下、判断理由について述べる。

1 監査の対象としない理由

(1) 本件工事は河川法等に違反して違法であることについて

ア 請求人の主張
 請求人は、請求書「三 本件造成工事の問題点」において、本件工事にかかる雨水排水計画に用いた数値や大雨の相対に対する問題点について述べ、また、組合が作成した雨水排水計画に基づいた本件工事が及ぼす周辺河川への大雨時の被害の可能性についても述べている。請求人はそられについて、河川法等に違反して違法であると主張している。

イ 監査委員判断 
 請求人が河川法等に違反して違法であると主張している内容は、組合が行った財務会計上の行為との関連性を示しておらず、法第242条第1項の規定には該当しないと判断した。

(2) 請求人らの人格権、財産権等を侵害することについて

ア 請求人の主張
 請求人は、請求書および、本件工事により請求人らの人格権、農業水利兼、財産権等及び生命・身体が侵害されると主張している。

イ 監査委員判断
 請求人が主張している人格権等の侵害は、法第242条第1項に規定する組合がこうむった損害を述べているものではないと判断した。

(3) 本件工事の入札は談合がなされたものと判断されることについて

ア 請求人の主張
 請求人は、請求書において、甲第27号証「入札結果報告書兼仮契約締結伺」をもとに本件契約は談合がなされたものと判断されると主張している。

イ 監査委員判断
 昭和44年12月22日の名古屋高裁金沢支部判断では、「地方自治法第242条が監査請求に当たって、違法又は不当な公金の支出等の事実を証する書面を添えることを要求しているのは、事実に基かない単なる憶測や主観だけで監査を求めることの弊害を防止することにあると解される」と判示しており、その客観性を求めるものと解される。
 請求人が提出している甲第27号証は、入札結果を示しているものであり、談合が行われたことを客観的に示しているものではなく、請求人の主張は、単なる憶測や主観を述べたものと判断した。

 

2 棄却の理由

(1) 本件工事は契約内容が不明確で無効であることについて

ア 請求人の主張
 請求人は、請求書において、本件工事の仮契約書には、本件工事の内容について「別紙 エネルギー回収施設(川口)敷地造成工事共同企業体協定書」(以下「協定書」という。)というものが存在するような記載があるが、組合に対して工事請負契約書等を含む「川口のエネルギー回収施設敷地造成工事入札に関する全ての書類」について情報公開請求を行ったところ、そのような協定書は開示されなかったとし、そのため、本件工事の契約は、内容が不明確な契約であり、契約内容を特定できないから無効であるというほかはないと主張している。

イ 監査委員判断
 請求人が請求書で述べているとおり協定書が不存在であれば、本件企業体は入札参加資格がないことになり、組合契約規則で準用する山形市契約規則第17条で定める「入札参加資格のない者の入札の無効」及び第12条で定める「無資格者であることが判明したときの契約の解除」の要件となる可能性がある。そのため、本件企業体が入札参加資格があるのかも含め、組合が行った財務会計上の行為である本件工事の入札及び契約手続きが適正に行われているか監査を行った。
 本件工事の入札については、共同企業体による条件付き一般競争入札が採用された。条件については、条件付き一般競争入札実施の公告文及び入札説明書において一般に公表された。本件企業体を含めた入札参加希望企業体は7企業体あり、組合は、それらから提出された入札資格確認のための書類について資格調査を実施、入札参加希望の全ての企業体が入札参加要件を満たすことを確認し、「条件付き一般競争入札参加資格確認通知書」を通知した。平成27年7月1日に入札が執行され、本件企業体が落札した。
 本件工事の入札について確認したところ、入札参加希望企業体の資格審査過程について特段の指摘を行うような事項は見受けられなかった。よって、本件企業体は、本件工事における入札資格を有し、契約解除されるべき無資格者ではないと判断した。
 なお、請求人が不存在として協定書は、組合から提出された書類に存在していることを確認した。
 また、本件工事の契約手続きについては、7月3日に工事請負仮契約書が締結された。この工事請負仮契約書は、7月組合議会定例会において契約締結の決議を得、7月24日をもって本契約とされている。
 本件工事の契約手続きについて確認したところ、特段の指摘を行うような事項は見受けられず、本件工事の契約は有効であると判断した。

ウ 監査を行うにあたり組合から提出を求めた書類
○本件工事の入札参加資格確認関連書類
 ①一般競争入札参加資格確認申込書
 ②共同企業体協定書
 ③委任状
 ④共同企業体経営規模等総括表
 ⑤配置予定技術者の資格及び工事の経験者
 ⑥上記の技術者の国家資格者証又は監理技術者資格者証の写し及び監理技術者講習修了証の写し
 ⑦上記の技術者の雇用関係が確認される書類(健康保険被保険者証等)の写し
 ⑧建設業の許可証の写し
 ⑨経営規模等評価結果通知及び総合評定通知書の写し

○本件工事の入札・契約関連書類
 ⑩条件付き一般競争入札選定調書(1号審査会)
 ⑪条件付き一般競争入札実施の公告について(伺)
 ⑫エネルギー回収施設(川口)施設造成工事に関する「精算基準の改定及び諸経費率等の改定にともなる特例措置」の実施について(伺)
 ⑬条件付き一般競争入札の参加資格確認について(伺)
 ⑭設計図書等に対する質問書(S社への回答書)
 ⑮設計図書等に対する質問書(Y社への回答書)
 ⑯設計図書等に対する質問書(U社への回答書)
 ⑰エネルギー回収施設(川口)施設造成工事の入札執行について(伺)
 ⑱入札結果報告書兼仮契約書締結伺
 ⑲仮契約書の供覧について
 ⑳エネルギー回収施設(川口)施設造成工事本契約について(伺)

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