山形県の環境と観光産業を守る会

山形県上山市川口地区に建設予定の清掃工場(エネルギー回収施設)に関する詳細、および諸問題について

証言で設計者自身が認めた「自分は河川の素人で資格も経験もなし」と「さまざまな設計条件のミス・読み間違い」。それでも組合側は「当初の計算が正しい」との矛盾した主張ー 判決はいかに!?

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 平成29年11月17日より始まったこの裁判(控訴審)も、いよいよ12日に判決をむかえます。
これまで2回にわたってこの裁判を振り返りましたが、最終回となる今回は、ついに実現した証人尋問についてお伝えします。
山形地方裁判所での証人尋問が1度も実現しない異常事態についてはお伝えしたとおりですが、仙台高裁でついに実現した証人尋問はたくさんの驚きをふくむ、とても濃いものとなりました。

緊張感のただよう証人尋問、相手側弁護士との見えない刃を交えた対決!

(*証人尋問では、出廷した証人に控訴人側・被控訴人側それぞれの弁護士が質問をおこないます。)
 市民側の河川の専門家(河川工学博士)対する組合側弁護士の尋問では、これまで数年にわたり提出してきた書類の計算式中のこまかな数字の確認などのかなり細かい質問がありました。おそらく、証人としての信頼度を下げることを狙った作戦と思われましたが、まったくひるまず、専門外の組合側弁護士の見当違いの質問に反撃する場面もありました。

準備書面で相手がずっと沈黙してきた点が証言で明らかに

 一方の問題となっている造成工事の設計担当者への尋問は、市民側にしてみれば衝撃の発言の連続でした。 市民側の弁護士が裁判のポイントとなっている点についていろいろ質問しましたが、その中でも特に(*)、 

  • 自分の専門は下水道で、河川の設計担当ははじめて。河川の経験はほぼない。設計に関わった上司の専門は道路。
  • 設計中に今回問題となっている点について、いろいろとおかしいと思ったこともあったが、特に確認はしなかった。
  • 裁判中におかしいことに気づいた点もあったが、とくになにもしなかった。
  • (争点の一つである)河川整備計画・基本方針が対象の川にないことを、認めた(これまでは認めていなかった)
  • (争点の一つである)造成地に貯水効果があるかについて、写真から工事前の土地には水が貯まってたことを認めた。(これまでは認めていなかった)
  • (争点の一つである造成工事前後の比較する基準について)読み間違いをしていたことを認めた。(これまでは認めていなかった)
  • (争点の一つである造成工事前後の比較する地点について)読み間違いをしていたことを認めた。(これまでは認めていなかった)

 これらすべては、これまでの裁判では認めていない、あるいは無視を貫いていた部分で、証人尋問で初めて本人が認めました。これは非常に重要なことです。
 この設計者の方はこの裁判を通して「この工事の基準は道路で、それが一般的だ」と主張してきました。河川の経験がないのでは、そう主張する以外になかったのかもしれないとも思いますが、そうであれば、本当にこの設計は大丈夫なのか・・・?と不安にならざるをえない証言の内容です。

 造成地の側を流れる川に対して、造成地からの排水が負荷をかけているかどうか?はこの裁判の重要なポイントです。その判断をするために、造成地から川への排水量を試算する(そしてある基準を上回るかどうか)のですが、この試算に使用する数値のかなりの部分が間違っていたことが証言で明らかになったのです。

 河川の専門家によれば「どんな規模の大雨がきても造成地は浸水することなく、ただ前川下流への洪水、氾濫被害を助長する流出機構となっている。造成地の安全を確保するのみで、下流域への影響を無視した傲慢な設計」とのことです。

それでも組合側ははじめの計画の正しさを主張する矛盾

 証人尋問を受けて、それまで「主張することはもうない」としていた組合側から大量の文書の提出がありました。
かなり乱暴にまとめると(*)


いろいろ問題と言われてる点はあるが、
一審の判決が正しいと言っているし、
法律的には問題ない。
証人の読み間違いなどの点も念のため確認して(※ただし証言の内容を反映しない前の条件のままで)計算もしてみたが、これもやはり法律的には問題ない範囲だった。
だから、初めの計画書の計算の条件もおおよそ間違いないし、その計算結果は当然正しい。
つまり、河川への影響はほとんどないかという結論は正しい。

・・・という内容です。

 このように設計者自身が致命的な間違いを認めたのに、組合側はそれでも正しいと主張するおかしな設計に対していったいどのような判断がくだるのでしょうか!?
注目の判決はいよいよ12日です。

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河川の専門家の先生による、この裁判で争われた間違いだらけの造成工事によって起こる周辺への被害を説明したイラスト。

 証人尋問の内容や、その間違いに対する指摘については以下の書面からご覧いただけます。

* わかりやすくするためにかなり要約していますので、理解が間違っているかもしれない点はご容赦ください。

 

関係書類(PDFファイル):

令和元年05月28日 第02回 口頭弁論 証人調書(設計者)(リンク)
令和元年05月28日 第02回 口頭弁論 証人調書(河川工学博士)(リンク)
令和元年05月28日 第02回 口頭弁論 被控訴人:第9準備書面(リンク)
令和元年05月28日 第02回 口頭弁論 被控訴人:証拠説明書(リンク)
令和元年05月28日 第02回 口頭弁論 被控訴人:乙21~29号証(リンク)
令和元年05月28日 第02回 口頭弁論 被控訴人:乙30号証(設計者の陳述書)(リンク)
令和元年08月27日 第03回 口頭弁論 控訴人:控訴審第3・4準備書面(リンク)
令和元年08月27日 第03回 口頭弁論 控訴人:証拠説明書(リンク)
令和元年08月27日 第03回 口頭弁論 控訴人:甲97号証(河川工学博士の証人尋問への意見)(リンク)
令和元年08月27日 第03回 口頭弁論 控訴人:甲98~101号証(リンク)
令和元年08月27日 第03回 口頭弁論 被控訴人:第10準備書面(リンク)
令和元年08月27日 第03回 口頭弁論 被控訴人:証拠説明書(リンク)
令和元年08月27日 第03回 口頭弁論 被控訴人:乙31~35号証(リンク)

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