山形県の環境と観光産業を守る会

山形県上山市川口地区に建設予定の清掃工場(2018年12月から「エネルギー回収施設(川口)」として稼働開始)に関する詳細、および諸問題について

面倒なことは無視、証拠は不要、同じ主張をただ繰り返すだけの組合側に説明する気はみえない

f:id:mamorukai:20191102175157j:plain

 平成29年11月17日より開始したこの裁判(控訴審)もいよいよ今月12日に判決をむかえます。
これにあたり、当ブログではこの裁判を数回にわたり振り返ります。
第2回目となる今回は、少し感傷的に、この裁判のむなしさについてです。

実際に考えられる河川への影響はどの程度?
少なくとも具体的な検討と説明が必要:

この工事によって、造成地からどれくらいの排水があってそれはどれくらい河川に対して影響があるのか、水害は果たして起きやすくなるのか。
これはこの川の周囲に住む住民にとって「命と暮らし」がかかっている重要な問題で、裁判でもポイントの一つです。
工事計画書にはこの排水量の計算結果があり、組合は問題がないとして実際に工事をおこないましたが、裁判を通してこの計算にもさまざまな誤りがあることが明らかになりました。そして設計者自身もそれを認める場面もありました。しかし、裁判を通して組合側が再計算をすることはついになく、矛盾していますが、逆に計画書の計算が正しいことを最後まで主張し続けました。
こうした行政側の、肝心な部分をはぐらかし、裁判のテクニックをもって住民を黙らせようとするやり方は、住民の不安、不満と対立を煽るだけです。 そして、明らかに破綻している説明を、法律を盾に突き通そうとする、それでいて安全性については何も答えない姿勢は、説明責任を放棄しているとしか思えません。行政側は税金を使用して裁判をおこないこの内容ですから、納税者である市民側が納得できるはずもありません。
また、仮にこのように争われた点で実際に災害が発生したとしても、行政側は今後も誰も責任をとる必要はなく、被害を被る人は泣き寝入りするしかない仕組みは欠陥としかおもえません。

ワンパターンな組合側の主張と組み立て。
「法に則っているから問題ない」と「独自の見解にすぎない」という表現:

この裁判に限らず、守る会のがおこなう他の裁判でも共通なのが、要約すると「法に則っているから問題ない」という組合側の主張。こちらの主張への反論が多少ずれていても(実際に適用されているとかはあまり重要ではなく法律のどこかに似たような内容があればOK)、大量の法律のコピーを添付して、「法に則っているから問題ない」という手法が組合側の基本です。
この頃の各地の災害の状況をみれば説得力があるように思えませんが、この裁判でもよく見られました。裁判の書類をあえて長文にして枚数を稼ぐのも(なので一回当たりの組合側の内容はとても薄い、でも分厚い)、テクニックの一つかもしれません。
そして、つっこんだ質問に対して、証拠はないけどとりあえず反論しておく場面での「独自の見解にすぎない」という表現。この表現の割には、実は、組合側の主張の多くには根拠がなかったりするのですが、多く見られる表現です。くわえて、都合の悪い(?)点を、反論もなく無視する姿勢はどうなんでしょう。同じことを住民側がやると相手の主張を認めたことになってしまうのですが、組合側がやっても問題がないというのは不公平さを感じます。

こうした裁判でのやりとりは憤りを通りこしてむなしさを感じるという、裁判の経過をおおまかに振り返りました。具体的なやりとりは今回公開の準備書面でご確認いただけます。
次回は、ついに実現した証人尋問についてです。長時間の尋問の内容に、私たちもおどろきました!


関係書類:(PDFファイル)

平成30年05月15日第01回 弁論準備 控訴人:上申書・答弁書
平成30年07月17日第02回 弁論準備 控訴人:控訴審第1準備書面
平成30年07月17日第02回 弁論準備 控訴人:調査嘱託申立書
平成30年09月27日第03回 弁論準備 被控訴人:第7準備書面 
平成30年09月27日第03回 弁論準備 被控訴人:証拠説明書・乙19号・20号
平成30年12月28日第04回 弁論準備 被控訴人:第8準備書面


今後予定されている裁判の日程:

令和元年11月12日(火) 13:15-
判決 平成29年(行コ)第28号 上山市清掃工場用地造成工事公金支出差止請求住民訴訟控訴事件

未定
平成28年(ワ)第236号 一般廃棄物焼却施設建設禁止等請求事件

未定
平成29年(行ウ)第8号 川口地区助成金公金差止等請求住民訴訟事件


 

© 山形県の環境と観光産業を守る会, All rights reserved. 当ブログへのリンクについてはこちら。