山形県の環境と観光産業を守る会

山形県上山市川口地区に建設予定の清掃工場(エネルギー回収施設)に関する詳細、および諸問題について

造成工事裁判の仙台高裁での判決へむけて その1

判決のほとんどに役所側の根拠すらない素人の意見が、特に理由なく採用され、根拠ある専門家の意見は全面的に却下。結論ありきのような判決に住民側は到底納得できず

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平成29年11月17日より開始したこの裁判(控訴審)もいよいよ来月の11月12日に判決をむかえます。
これにあたり、当ブログではこれまでの経緯を数回にわたり振り返ります。
第一回目となる今回は、控訴までの経緯を簡単に振り返り、はじめに提出した控訴状を公開します。

 

いったい何のための裁判?

この裁判は、地域の住民(原告)が清掃工場を運営する山形県内の山形市を中心とする二市二町で構成される山形環境事務組合(被告)を相手におこした住民訴訟です。
突如決まり急ピッチで建設された清掃工場の敷地の造成工事は、設計の時間が短いこともあり、入手した計画書・設計図にも、特に河川との関係について、疑問が多く、大きな問題がある考えた住民が提訴しました。

 

控訴までの経緯:

山形地方裁判所でおこなわれた第一審は、平成28年1月21日にスタートし、平成29年11月6日に判決が言いわたされました。
一審では、住民側の主張が全面的に退けられました。その判決は、役所側の、根拠すらない素人の意見が全面的に採用され、住民側の根拠ある専門家の意見が理由なく全面的に却下される内容でした。
判決はむずかしい表現で書かれてはいるものの、実際の説明の部分では論理的でない上に不可解なつながりが多く、結論ありきの裁判ではないかと到底納得できない住民側は仙台高裁に控訴しました。

 

問題の前提:

清掃工場はその排水を直接、その敷地に接する「忠川」という川に排水し、この忠川はすぐ先で「前川」という川に合流します。
ところが、この「忠川」と「前川」が問題なのです。 忠川は実は、その上流にある前川ダムの放水路として設計されたわりとめずらしい川(全面コンクリート貼りのため普通の感覚では川とは呼びづらいかもしれません)で、ダムとの関係からふつうの川に比べていろいろ気をつけなくてはならないことが多いのです。
そして「前川」は、以前から大雨時には氾濫をおこし周囲に水害を起こしており、そのために改修の必要があるいわば「リスト入り」(国土交通省)している、危ない川でもあります。 この川の状況に、急に広大な清掃工場の敷地からの大量の排水が流れ込んでくることになったわけです。

 

何が問題?

こうした、もともと注意が必要な川に、突然発生した広大な清掃工場の敷地からの大量の排水が常に流れ込むことは、川の下流域の水害を助長してその地域の住民が危険にさらされるのではないか?というのがこの裁判の最大のポイントです。
特に住民側が問題視しているのが、この工事がほとんど経験がない素人よって設計されていることです。
川にかんする知識も経験もほとんどない会社が工事を請けおって設計したため、河川の専門家にすれば「致命的レベルでの欠陥だらけ」の状態とのこと。この具体的な危険性を住民側は河川の専門家の協力のもと裁判を通してあきらかにしてきました。
一般的に河川設計は周囲への影響が大きいため(そのまわりの住民の生活など)、高い専門知識と経験が必要とされています。そのため専門外の人間が簡単に設計できるようなものではありません。おもわぬ川への排水一つで周囲の地形や川同士の関係性を壊してしまい、そのことで余計な災害が発生してしまうこともあるのです。
こうした清掃工場からの排水の河川・周囲の地理的環境への影響の検討は、組合側の設計書にはほぼありませんでした。そして、裁判を通してもでてくることはありませんでした。

 


平成28年(行コ)第28号 上山市清掃工場用地造成工事公金差止請求住民訴訟事件
控訴理由書
 ※「禁無断転載」

※ Web公開用に一部編集を行っています。

 


今後予定されている裁判の日程:

令和元年11月12日(火) 13:15-
判決 平成29年(行コ)第28号 上山市清掃工場用地造成工事公金支出差止請求住民訴訟控訴事件

平成29年11月17日~ 控訴審仙台高等裁判所(山本 剛史 裁判長,畑 一郎 裁判官,齊藤 顕 裁判官)
控訴人:地域住民 
被控訴人:山形広域環境事務組合
控訴人ら訴訟代理人梶山正三 弁護士(理学博士、ごみ弁連会長)、坂本博之 弁護士(ごみ弁連事務局長)
被控訴人訴訟代理人内藤和暁 弁護士、小野寺弘行 弁護士
 清掃工場建設予定地の造成工事が、河川法的な観点から隣接する川に対して大きな負荷をかけているのではないかを問う裁判です。

未定
平成28年(ワ)第236号 一般廃棄物焼却施設建設禁止等請求事件

平成28年12月06日~ 第一審、山形地方裁判所(松下 貴彦 裁判長 平成29年3月迄、貝原信之裁判長 平成29年4月~))
原告:地域住民 
被告:山形広域環境事務組合
原告ら訴訟代理人梶山正三 弁護士(理学博士、ごみ弁連会長)、坂本博之 弁護士(ごみ弁連事務局長)
被告訴訟代理人内藤和暁 弁護士、小野寺弘行 弁護士
 平成24年5月に突如山形県上山市川口地区に建設が決定した清掃工場(公称エネルギー回収施設:山形広域環境事務組合は清掃工場とよばずに「エネルギー回収施設」と呼んでいます)本体の建設中止、かつ建設後の操業禁止を求める訴訟です。川口地区決定に至るまで、平成11年に山形市志土田地区、13年に山形市蔵王半郷地区、18年に上山市柏木地区、22年に上山市大石陰地区と候補地を定めながらも住民の反対運動が激しく、4度に渡り計画を断念した経緯があり、5度目の今回では、あまりにも強引に決定されたため(地域住民にはほとんど清掃工場についての説明がないまま、きわめて短期間のうちに決まった)、この経過・結果に納得できない市民が住民訴訟を提起しました。

未定
平成29年(行ウ)第8号 川口地区助成金公金差止等請求住民訴訟事件

平成28年07月18日~継続中 第一審、山形地方裁判所(松下貴彦裁判長平成29年3月迄、貝原信之裁判長 平成29年4月~))
原告:地域住民
被告:山形広域環境事務組合管理者 佐藤孝弘(山形市長)
原告ら訴訟代理人梶山正三弁護士(理学博士、ごみ弁連会長)、坂本博之弁護士(ごみ弁連事務局長)
被告訴訟代理人内藤和暁弁護士、小野寺弘行弁護士
 清掃工場建設予定地である山形県上山市川口地区の地区会に対する不正な助成金の受け渡しについてを問う裁判で、川口地区会に支払われた助成金の返還と今後支払われる予定の助成金の支払停止等を求めています。

 

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