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山形県上山市川口地区に建設予定の清掃工場(2018年12月から「エネルギー回収施設(川口)」として稼働開始)に関する詳細、および諸問題について

朝日新聞 2018年12月15日 新清掃工場 もたらしたものは? | 教えて!がったん

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朝日新聞 2018年12月15日
新清掃工場 もたらしたものは?
山形市上山市など2市2町で構成する山形広域環境事務組合の、二つの新しい清掃工場が完成しました。設計・建設費計約190億円の巨大施設がもたらしたものは何なのか、朝日新聞山形総局のマスコットキャラクター「がったん」が解説します。

教えて!がったん

埋め立て量の減少 プラごみも燃やす

― 新しい清掃工場は2カ所あるの?
 うん。山形市漆山地区の「エネルギー回収施設(立谷川)」は山形市北部と山辺町、中山町から集めたごみを、上山市川口地区の「エネルギー回収施設(川口)」は山形市南部と上山市から集めたごみを焼却する。発電もできることをPRし、住民の理解を得やすい名前にした。
 1978(昭和53)年に稼働した半郷清掃工場(山形市)と、82(同57)年稼働の立谷川清掃工場(山形市)が老朽化したため造った。新施設が完成し、立谷川清掃工場は昨年9月、半郷清掃工場は今年11月に廃止した。県内の自治体・事務組合の中で、この二つだけが昭和期に稼働を始めた施設だったんだ。

― 二つの新工場の強みは。
 これまでは燃やして出た焼却灰や飛灰を埋めてたてていたけれど、新施設では焼却灰を1200度以上の高温で溶かし、コンクリートの材料となるスラグにする。来年度の埋め立て量は、古い2工場が稼働していた2016年度2割にあたる約2千トンになる見込みだ。その分、山形市の上野最終処分場に埋め立てる量が減ることになるよ。
 プラスチック類も一緒に燃やすことができる。燃えると高温になるため、古い工場では焼却炉が傷まないよう、燃やさず民間業者に処理を委託していたんだ。

― じゃあ、燃やせるゴミとプラスチック類を分別しなくてよくなるの?
 その分別の仕組みは続くんだ。山形市ごみ減量推進課は「今後ごみが増えることを考え、再び民間に委託できるようにしておく」と説明する。人口増で家庭ゴミが、景気の上昇で事務所から出るごみが増えるかもしれないからだって。

― どんな所に建てたの?
 いずれも国道13号のそばだ。立谷川の施設は工業団地内の市有地で、反対運動が起きず、先に建設が決まった。一方、川口の施設は、約60世帯が暮らす山間部。12年11月の地区総会では賛成28世帯、反対14世帯、中立7世帯だった。組合は山形市土地開発公社を通じて、地権者17人から同意を得て田や休耕田だった土地約3万6300平方メートルを約2億円で買収した。
 組合は建設地の地区会と話し合い、地域振興策も設けた。川口地区には公民館の建設費約6700万円のほか、農道や水路の舗装費などを出した。施設の稼働中は毎年300万円ずつ交付する。

― それで、みんなは納得したのかな。
 一部の住民は反対の姿勢を崩していない。専業農家の松田俊一さん(68)は、お客さんから「イメージが良くない」と言われ、柿を干す場を施設から遠ざけた。自宅敷地内から約500メートル先の空き地だ。「将来の世代の健康を考えたら煙は気になる」と話す。
 反対派の「山形県の環境と観光産業を守る会」は、建設費差し止めなどを求めて複数の訴訟を起こしており、仙台高裁や山形地裁で係争中。代表の結城玲子さんは(65)は「裁判を進めながら、ごみを減らす運動を進めて施設の必要性をなくしていく」と話している。
 そんな状況の下で、ごみは燃やされているんだよ。よくわがったん?

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朝日新聞2018年12月15日 新清掃工場 もたらしたものは?

 

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