山形県の環境と観光産業を守る会

山形県上山市川口地区に建設予定の清掃工場(エネルギー回収施設)に関する詳細、および諸問題について

2017年5月22日提出の被告・第1準備書面の公開(4) | 山形県上山市川口清掃工場問

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 (1)(2)(3)に続き、今年の5月23日におこなわれた「平成28年(ワ)第236号 一般廃棄物焼却施設建設禁止等請求事件」の第二回・口頭弁論で、被告(山形広域環境事務組合)より提出された第1準備書面を公開いたします。

(※この訴訟の経緯は以下の記事をご覧下さい。)
[随時更新]進行中の裁判とこれまでの裁判結果 | 山形県上山市川口清掃工場問題 - 山形県の環境と観光産業を守る会

(※この書面に対する、原告(市民)の反論書(原告ら第1書面、平成29年9月5日(火)・第三回・口頭弁論)は以下のリンクからご覧下さい。)

(リンク)平成29年9月5日・原告提出第1準備書面 ※「禁無断転載」
(リンク)平成29年9月5日・原告提出の証拠説明甲 9~18 ※「禁無断転載」


平成28年(ワ)第236号 一般廃棄物焼却施設建設禁止等請求事件
平成28年12月06日~第一審、山形地方裁判所(松下貴彦裁判長)
原告:地域住民
被告:山形広域環境事務組合
原告ら訴訟代理人梶山正三弁護士(理学博士、ごみ弁連会長)、坂本博之弁護士(ごみ弁連事務局長)
被告訴訟代理人:内藤和暁弁護士、古澤茂堂弁護士、小野寺弘行弁護士


※ Web公開用に一部編集を行っています。

5 排ガスに関する生活環境影響調査

 被告においては,本件エネルギー回収施設の建設に先立って,生活環境影響調査において,本件エネルギー回収施設の排ガスが周辺地域の生活環境に及ぼす影 響について予め調査を行ったものである。

 すなわち,具体的には,大気質への影響の分析方法としては,大気質への影響 が事業者の実行可能な範囲で回避又は低減されているものであるか否かについて 明らかにし,かつ,国、県等による環境保全の観点から施設によって示されてい る基準又は目標が示されている場合は,この基準又は目標と予測結果との整合性 について検討することとした。そして,環境保全目標は,周辺住民の日常生活に 支障を生じないこととし,「大気の汚染に係る環境基準について」(昭和48年5月8日環境庁告示第25号),「二酸化窒素に係る環境基準について」(昭和53年 7月11日環境庁告示第38号),「ダイオキシン類による大気の汚染,水質の汚 濁及び土壌の汚染に係る環境基準について」(平成11年12月27日環境庁告示 第68号)を基に,本件エネルギー回収施設の稼働時の二酸化硫黄,二酸化窒素, 浮遊粒子物質,塩化水素,ダイオキシン類についての環境保全目標を設定した(乙 第15号証エネルギー回収施設《川口》建設事業生活環境影響調査書4.1 -68,69)。

 そのうえで,本件エネルギー回収施設の建設地の敷地の地上気象と上層気象, 本件エネルギー回収施設近辺の大気質の調査を行った(乙第15号証エネルギ ー回収施設《川口》建設事業生活環境影響調査書4.1-1,2)。その後,大 気質の調査結果による各地点のバックグラウンド濃度と,本件エネルギー回収施 設の事業計画に基づく汚染物質排出量及び煙突高さの発生源条件と地上気象調査 の結果(大気安定度,べき指数,大気安定度別風向,風速階級出現頻度)を基に した拡散式による計算と寄与濃度の算出を行い,本件エネルギー回収施設の稼働 による平均予測濃度の算出を行った(乙第15号証エネルギー回収施設《川口》 建設事業生活環境影響調査書4.1-46)。

 被告の生活環境影響調査においてこのような大気質の予測調査を行ったところ, いずれの調査地点においても,二酸化硫黄,二酸化窒素,浮遊粒子物質,塩化水 素,ダイオキシン類の全ての対象物質について,日平均予測濃度,年平均予測濃 度のいずれも,上記の環境保全目標を下回っていることが確認されたものである (乙第15号証エネルギー回収施設《川口》建設事業生活環境影響調査書4. 1-75)。

6 結論(排ガスによる人格権侵害との原告ら主張の不相当性)

 以上のとおり,本件エネルギー回収施設は,廃棄物処理法等の法令と法令の基 準よりも厳格な新ガイドラインの定める基準に沿ったダイオキシン類の排出抑制 対策,ばい煙(硫黄酸化物,ばいじん,塩化水素,窒素酸化物)の排出抑制対策を施したうえ,その運営,維持管理においても,ダイオキシン類,ばいじん,塩 化水素,硫黄酸化物,窒素酸化物及び一酸化炭素について法令の基準よりも厳し い停止基準を設けているものであり,従って,法令及びガイドラインが定める基 準以上のダイオキシン類,ばいじん,塩化水素,硫黄酸化物,窒素酸化物及び一 酸化炭素が排出されるとの危険性は認められないものである。却って,被告の生 活環境影響調査において,二酸化硫黄,二酸化窒素,浮遊粒子物質,塩化水素, ダイオキシン類の全ての対象物質について,日平均予測濃度,年平均予測濃度の いずれも環境保全目標を下回り,周辺住民の日常生活に支障を生じないと予測さ れることが確認されたものである。 また,法規制がなされている有害物質以外の物質によって人格権侵害がなされ るなどといった原告ら主張には,いずれも理由がないものである。 よって,かかる本件エネルギー回収施設の構成と運営,維持管理のあり方に鑑 みれば,そもそも,本件エネルギー回収施設から排出される排ガスによって,原 告らの生命,健康財産が侵害されるおそれがあるとは認められないものである。 他方,本件エネルギー回収施設は,第1の1(6頁,7頁)において上述した とおり,山形市上山市山辺町及び中山町においてもやせるごみを処理するた めに必要不可欠の施設となっているものであり,その公共性,公益性の程度は大 きいものである。 以上をもとに,第2の1(22頁乃至24頁)で上述した差止請求の要件によ り,本件エネルギー回収施設からの排出ガス中の有害物質による原告らの被害が 社会生活上一般に受忍するのが相当な限度を超えているか否かを検討すると,本 件エネルギー回収施設から排出される排ガス中の有害物質によって,原告らが被 る不利益が,社会生活上一般に受忍するのが相当とされる限度を超えているとは 到底評価し得ないものであり,本件エネルギー回収施設の排ガスによる人格権侵 害に基づいて本件エネルギー同収施設の建設及び操業差止を求める原告らの請求には,理由がないものである。

 

第3 騒音·振動による人格権侵害との原告ら主張の不相当性

1 騒音・振動による差止請求の要件

 原告らは,本件エネルギー回収施設の建設及び操業差止請求の根拠として,訴 状第3の3(6)(72頁乃至80頁)において,本件エネルギー回収施設の建設中 の建設工事及び完成後の本件エネルギー回収施設の稼働による騒音・振動により, 原告****に業務上の支障を生じる旨を主張している。

 この点,本件エネルギー回収施設のような公共施設から生じる騒音に基づいて 施設の利用差止請求がなされた事案に関する裁判例としては,大阪国際空港にお ける夜間飛行禁止等の請求に関する最高裁昭和56年12月26日付大法廷判決, 国道43号線の周辺住民からの自動車騒音等による被害に基づく道路の供用差止請求に関する最高裁平成7年7月7日第二小法廷判決,道路公害を理由とするバ イパス道路の延伸工事差止め等の請求に関する広島高裁平成26年1月29日判 決等がある。これらの裁判例においては,いずれも,差止請求が認められるため には,①侵害行為の態様,侵害の程度,被侵害利益の性質と内容,②侵害行為の 持つ公共性ないし公益上の必要性の内容と程度等を比較検討するほか,③侵害行 為の開始とその後の継続の経過及び状況,その間に採られた被害の防止に関する 措置の有無及びその内容効果等の事情をも考慮し,これらを総合的に考察した 結果被害が受忍限度を超えるものと認められる必要があるとされているもので ある。

 本件訴訟における本件エネルギー回収施設は,第1の1(6頁,7頁)におい て上述したとおり,山形市上山市山辺町及び中山町においてもやせるごみを 処理するために必要不可欠の公共施設であって,上記裁判例において問題となっ た空港や幹線道路と同様にその公共性,公益性の程度は大きいものであることか ら,本件エネルギー回収施設の建設工事及び完成後の稼働に伴う騒音,振動によ って本件エネルギー回収施設の建設及び操業差止請求が認められるか否かについ ても,上記の最高裁昭和56年12月26日付大法廷判決,最高裁平成7年7月7日第二小法廷判決,広島高裁平成26年1月29日判決と同様の要件が認めら れる必要があるものである。

 そして,上記の最高裁平成7年7月7日第二小法廷判決,広島高裁平成26年 1月29日判決においては,騒音による侵害の程度については,公害対策基本法 9条に基づく環境基準等の基準を勘案して判断がなされているものであり,本件 においても,上記のように騒音,振動による被害が受忍限度を超えるものと認め られるためには,環境基準等の法令の定める基準を超えているか否かが重要な判 断要素となるものである。

 この点,原告らは,訴状第3の3(6)i(73頁乃至78頁)において,騒音環 境基準を被害の判断基準とすることは誤りで,本件においては被害発生の判断基 準としては55dB乃至60dBが適切であるなどとしているが,独自の見解に 過ぎないものである。

 従って,本件訴訟においては,原告らが行っている本件エネルギー回収施設の 建設及び操業の差止請求の当否については,本件エネルギー回収施設の建設中の 建設工事及び完成後の本件エネルギー回収施設の稼働によって生じる騒音・振動 が騒音規制法,振動規制法,公害対策基本法に基づく環境基準等の法令の定める 基準に適合しているか否かを踏まえ,①侵害行為の態様,侵害の程度,被侵害利 益の性質と内容②侵害行為の持つ公共性ないし公益上の必要性の内容と程度等 を比較検討するほか,③侵害行為の開始とその後の継続の経過及び状況,その間 に採られた被害の防止に関する措置の有無及びその内容,効果等の事情をも考慮 し,これらを総合的に考察した結果,被害が受忍限度を超えるものと認められる か否かが問題となるものである。

2 建設工事に伴う騒音について

(1) 法令の定める基準

本件エネルギー回収施設の建設地は都市計画区域外に位置していることか ら,公害対策基本法9条に基づく環境基準や騒音規制法,条例等の定める騒音についての規制値は適用されないものである(乙第15号証エネルギー回収 施設《川口》建設事業生活環境影響調査書1-15)。

 しかしながら,被告においては,本件エネルギー回収施設の建設工事に伴う 騒音被害の発生を防止するための独自の環境保全目標として,騒音規制法に基 づく「特定建設作業に伴って発生する騒音の規制に関する基準」の定める昼間 85dB以下との基準を参考にして,本件エネルギー回収施設の建設工事にお ける建設地の騒音を昼間で85dB以下とし,また,直近民家においては現況 に著しい影響を及ぼさないこと,工事用車両の走行においても現況に著しい影 響を及ぼさないことという目標を設定しているものである(乙第15号証エ ネルギー回収施設《川口》建設事業生活環境影響調査書4.2-27)。

(2) 建設工事における騒音対策

 被告は本件エネルギー回収施設の建設工事における建設機械の稼働による 騒音を低減するため,使用する建設機械として低騒音型建設機械を採用し,で きる限り低騒音となる工法を採用する,工事工程を十分検討し,建設機械の集 中稼働を避け,建設機械の効率的利用に努める,防音パネルや防音シート等を 設置し,防音対策を講じる,建設機械を使用する際に必要以上の暖気運転(ア イドリング)をしないよう運転手への指尊を徹底する等の措置を講じているも のである(乙第15号証エネルギー回収施設《川口》建設事業生活環境影 響調査書4.2-28)。

 また,工事車両の走行による騒音を低減するため,工事用車両の走行に際し て集落周辺道路においては速度を十分に落して走行することとし,騒音の低減 に努める,工事用車両が集中しないよう搬入時期・時間の分散化に努める,工 事関係者の通勤は極力相乗りとすることにより通勤車両台数の抑制に努める 等の措置を講じているものである(乙第15号証エネルギー回収施設《川口》 建設事業生活環境影響調査書4.2-28)。

(3) 建設工事における騒音レベルの予測

 被告においては,本件エネルギー回収施設の建設に先立って生活環境影響 調査において,本件エネルギー回収施設の稼働による騒音が周辺にどの程度の 影響を及ぼすかを確認するため,周辺地域において騒音の調査を行ったうえ, 本件エネルギー回収施設の稼働後の騒音の予測を行ったものである。

 具体的には,まず,下記の本件エネルギー回収施設の建設地の敷地境界(S t.1).直近民家付近(St.7),国道13号線及び市道石曽根川口線沿線 (St.5),市道前川ダム東線沿線(St.6)の各地点において騒音レベ ルの調査を行った(乙第15号証エネルギー回収施設《川口》建設事業生 生活環境影響調査書4.2-1乃至7)。

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(乙第15号証エネルギー回収施設《川口》建設事業生生活環境影響調査書4.2-9より)。

ア.建設機械の稼働による騒音

 その後,本件エネルギー回収施設の建設工事における建設機械の稼働によ る騒音の,本件エネルギー回収施設の建設地の敷地境界(St.1),直近民 家付近(St.7)における影響を予測するため,国土交通省国土技術政策 総合研究所の「道路環境影響評価の技術手法平成24年度版」の定める予測 手法に従い,建設工事における土建工事,機器据付工事,配管・ダクト工事 における騒音源のパワーレベルを設定し,音源毎の距離減衰の計算を行った うえ,予測地点における現況騒音レベルとの騒音レベルの合成を行った(乙 第15号証エネルギー回収施設《川口》建設事業生活環境影響調査書4. 2-10,11)。

 その結果,本件エネルギー回収施設の建設工事における建設機械の稼働に よる騒音の予測値は,本件エネルギー回収施設の建設地の敷地境界(St. 1)において現況騒音レベル57dBに対して予測騒音レベル77dBで あり,(1)で上述した環境保全目標である85dBを下回ることが確認された。 直近民家付近(St.7)においても,現況騒音レベル68dBに対して予 測騒音レベル70dBであり、現況を著しく悪化させるものではなく,(1) で上述した環境保全目標を充足していることが確認された(乙第15号証 エネルギー回収施設《川口》建設事業生活環境影響調査粛4.2-29)。

イ.工事用車両の走行による騒音

 また,本件エネルギー回収施設の建設工事における工事用車両の走行によ る騒音の国道13号線及び市道石曽根川口線沿線(St.5),市道前川ダム 東線沿線(St.6)における影響を予測するため,一般車両のみが走行し た場合の騒音レベルと「一般車両+工事用車両」が走行した場合の騒音レベルの差を工事用車両の走行による騒音レベルの増加量として予測するため, 日本音響学会の「ASJRTN-Model2008」に基づいて騒音レベルの予測を行った(乙第15号証エネルギー回収施設《川口》建設事業 生活環境影響調査書4.2-13,14)。

 その結果,本件エネルギー回収施設の建設工事における工事用車両の走行 による騒音レベルの予測結果は国道13号線及び市道石曽根川口線沿線(S t.5)において,昼間平均で現況騒音レベルが73.5dBに対して予測 騒音レベル73.6dB,市道前川ダム東線沿線(St.6)においても, 昼間平均で現況騒音レベルが60.5dBに対して予測騒音レベル66.0 dBであり,現況に著しい影響を及ぼすものではないことが確認された(乙 第15号証エネルギー回収施設《川口》建設事業生活環境影響調査書4. 2-24乃至27)。

3 建設工事に伴う振動について

(1)法令の定める基準

 本件エネルギー回収施設の建設地は,都市計画区域外に位置していることか ら,公害対策基本法9条に基づく環境基準や振動規制法,条例等に基づく規制 値は適用されないものである(乙第15号証エネルギー回収施設《川口》建 設事業生活環境影響調査書1-15)。

 しかしながら,被告においては,本件エネルギー回収施設の建設工事に伴う 振動被害の発生を防止するための独自の環境保全目標として,振動規制法に基 づく「特定建設作業に伴って発生する振動の規制に関する基準」の定める昼間 75dB以下との基準を参考に,本件エネルギー回収施設の建設工事における 建設地の振動を昼間で75dB以下とし,また,直近民家においては現況に著 しい影響を及ぼさないこと,工事用車両の走行においても国道13号線及び市 道石曽根川口線沿線(St.5),市道前川ダム東線沿線(St.6)で昼間 (8時乃至19時)に70dB以下,夜間(19時乃至8時)に65dB以下 という目標を設定しているものである(乙第15号証エネルギー回収施設 《川口》建設事業生活環境影響調査書4.3-13)。

(2) 建設工事における振動対策

 被告は,本件エネルギー回収施設の建設工事における建設機械の稼働による 振動を低減するため,使用する建設機械として極力低振動型の建設機械を採用 し,工事工程を十分検討し,建設機械の集中稼働を避け,建設機械の効率的利 用に努める,建設機械を使用する際に必要以上の暖気運転(アイドリング)を しないよう運転手への指導を徹底する等の措置を講じているものである(乙第 15号証エネルギー回収施設《川口》建設事業生活環境影響調査書4.3 -14)。

 また,工事車両の走行による振動を低滅するため,工事用車両の走行に際し て集落周辺道路においては速度を十分に落して走行することとし,振動の低減 に努める,工事用車両が集中しないよう搬入時期・時間の分散化に努める,工 事関係者の通勤は極力相乗りとすることにより通勤車両台数の抑制に努める 等の措置を講じているものである(乙第15号証エネルギー回収施設《川口》 建設事業生活環境影響調査書4.3-14)。

(3) 建設工事における振動レベルの予測

 被告においては,本件エネルギー回収施設の建設に先立って,生活環境影響 調査において,本件エネルギー回収施設の建設による振動が周辺にどの程度の 影響を及ぼすかを確認するため,周辺地域において振動の調査を行ったうえ, 本件エネルギー回収施設の建設時の振動の予測を行ったものである。

 具体的には,まず,2で上述した騒音と同様に,本件エネルギー回収施設の 建設地の敷地境界(St.1),直近民家付近(St.7),国道13号線及び 市道石曽根川口線沿線(St.5),市道前川ダム東線沿線(St.6)の各 地点において振動レベルの調査を行った(乙第15号証エネルギー回収施設 《川口》建設事業生活環境影響調査書4.3-1,2)。

ア.建設機械の稼働による振動

 その後本件エネルギー回収施設の建設工事における建設機械の稼働による振動の,本件エネルギー回収施設の建設地の敷地境界(St.1),直近民 家付近(St.7)における影響を予測するため,国土交通省国土技術政策 総合研究所の「道路環境影響評価の技術手法平成24年度版」の定める予測 手法に従い,工事中において各ユニット等から発生する振動レベルが最も大 きくなる時期における工種毎にユニット等の基準点振動レベルを設定し,距 離減衰の計算を行ったうえ,予測地点における現況振動レベルとの振動レベ ルの合成を行った(乙第15号証エネルギー回収施設《川口》建設事業生 活環境影響調査書4.3-4.5)。

 その結果,本件エネルギー回収施設の建設工事における建設機械の稼働に よる振動の予測値は,本件エネルギー回収施設の建設地の敷地境界(St. 1)において,現況振動レベル30dB未満に対して予測振動レベル51d Bであり,(1)で上述した環境保全目標である昼間75dBを下回ることが確 認された。直近民家付近(St.7)においても,現況振動レベル30dB 未満に対して予測振動レベル30dBであり,現況を著しく悪化させるもの ではなく,(1)で上述した環境保全目標を充足していることが確認された(乙 第15号証エネルギー回収施設《JII口》建設事業生活環境影響調査書4. 3-9,15)。

イ.工事用車両の走行による振動

 また,本件エネルギー回収施設の建設工事における工事用車両の走行によ る振動の国道13号線及び市道石曽根川口線沿線(St.5),市道前川ダム 東線沿線(St.6)における影響を予測するため,一般車両のみが走行し た場合の振動レベルと「一般車両+工事用車両」が走行した場合の振動レベ ルの差を工事用車両の走行による振動レベルの増加量として予測するため, 国土交通省国土技術政策総合研究所の「道路環境影響評価の技術手法平成2 4年度版」に示されている提案式「振動レベルの80%レンジの上端値を予 測するための式」を使用して,振動レベルの予測を行った(乙第15号証エネルギー回収施設《川口》建設事業生活環境影響調査書4.3-6)。 その結果,本件エネルギー回収施設の建設工事における工事用車両の走行 による振動レベルの予測結果は国道13号線及び市道石曽根川口線沿線(S t.5)において,昼間平均で現況振動レベルが37dBに対して予測振動 レベル37dB,夜間平均で現況振動レベルが33dBに対して予測振動レ ベルが33dB,市道前川ダム東線沿線(St.6)においても,昼間平均 で現況振動レベルが30dB未満に対して予測振動レベルが54dB,夜間 平均で現況振動レベルが30dB未満に対して予測振動レベルが33dBで あり,昼間(8時乃至19時)に70dB以下,夜間(19時乃至8時)に 65dB以下という環境保全目標を充足していることが確認された(乙第 15号証エネルギー回収施設《川口》建設事業生活環境影響調査書4. 3-9,10,15)。

 *** 次回に続きます。 ***


今後予定されている裁判:

平成29年11月 6日(月) 13:15- 
山形県上山市川口清掃工場建設に関する裁判(判決)|平成28年(行ウ)第1号 上山市清掃工場用地造成工事公金支出差止請求住民訴訟事件

 清掃工場(公称エネルギー回収施設)を建設するための造成工事(平成28年5月31日 工事終了)の建設計画や安全性などに多くの問題みられるため、すでに支出した公金の返還を求める訴訟です。守る会は、組合の監査委員に対し住民監査請求をおこないましたが、棄却されたため住民訴訟を提起しました。

平成29年11月28日(火) 15:00- 
山形県上山市川口清掃工場建設に関する裁判|平成28年(ワ)第236号 一般廃棄物焼却施設建設禁止等請求事件

 平成24年5月に突如山形県上山市川口地区に建設が決定した清掃工場(公称エネルギー回収施設:山形広域環境事務組合は清掃工場とよばずに「エネルギー回収施設」と呼んでいます)本体の建設中止、かつ建設後の操業禁止を求める訴訟です。川口地区決定に至るまで、平成11年に山形市志土田地区、13年に山形市蔵王半郷地区、18年に上山市柏木地区、22年に上山市大石陰地区と候補地を定めながらも住民の反対運動が激しく、4度に渡り計画を断念した経緯があり、5度目の今回では、あまりにも強引に決定されたため(地域住民にはほとんど清掃工場についての説明がないまま、きわめて短期間のうちに決まった)、この経過・結果に納得できない市民が住民訴訟を提起しました。

平成29年11月28日(火) 15:30- 
山形県上山市川口清掃工場建設に関する裁判|平成29年(行ウ)第8号 川口地区助成金公金差止等請求住民訴訟事件

 清掃工場建設予定地である山形県上山市川口地区の地区会に対する不正な助成金の受け渡しについてを問う裁判で、川口地区会に支払われた助成金の返還と今後支払われる予定の助成金の支払停止等を求めています。

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