山形県の環境と観光産業を守る会

山形県上山市川口地区に建設予定の清掃工場(エネルギー回収施設)に関する詳細、および諸問題について

ごみ焼却場(清掃工場)本体の建設と操業差し止めを求める行政訴訟 山形環境事務組合からの答弁書の公開 | 山形県上山市川口清掃工場問題

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 前回のブログでは今月(平成29年9月5日(火))おこなわれた「ごみ焼却場本体の建設と操業差し止めを求める行政訴訟」の第3回・口頭弁論についてお伝えしましたが、このブログでは随時、この裁判に関するさまざまな資料を公開予定です。

 今回は、平成29年3月7日に被告である山形環境事務組合から提出された答弁書を公開します。これは、原告である守る会が平成28年12月6日に提出した訴状に対する内容です。

 なお、裁判全体の流れをご覧になりたい方は以下の記事を参照して下さい。

[随時更新]進行中の裁判とこれまでの裁判結果 | 山形県上山市川口清掃工場問題 - 山形県の環境と観光産業を守る会

平成29年3月7日 被告:山形環境事務組合提出 答弁書 ※「禁無断転載」


※ Web公開用に一部編集を行っています。

平成28年(ワ)第236号 一般廃棄物焼却施設建設禁止等請求事件
原告 ****
被告 山形広域環境事務組合

答弁書

平成29年3月6日
山形地方裁判所 民事部 合議係 御中

(送達場所)
〒990-0055 山形県山形市相生町6番56号
古澤・内藤法律事務所
電話023-631-7507
FAX 023-631-7174
被告訴訟代理人
弁護士 内藤 和暁
同 古澤 茂堂
同( 担当) 小野寺 弘行

第1 請求の趣旨に対する答弁
1 原告らの諸求を棄却する
2 訴訟費用は原告らの負担とする
との判決を求める。


第2 訴状請求原因に対する認否
1  第1について
(1) (1)について
 原告らが****であること.被告が一般 廃棄物処理施設を建設していること,原告****が建設地の近くで事業を行っていることは認め,その余は 否認乃至不知。被告が建設している施設は,単なる焼却施設ではなく,ごみを 安全かつ衛生的に焼却して処理すると共に,発生する熱エネルギーを回収して電気や温水等として有効に活用することを目的とするエネルギー回収施設で ある(以下、「本件エネルギー回収施設」という。)。
(2) (2)について
 「地方自治法1条の3に基づき」との点は否認し、その余は認める。

2 第2(2頁)について
(1) 1について
ア. (1)について
 被告構成団体の2市2町のもやせるごみが半郷清掃工場(1978年稼働 開始),立谷川清掃工場(1982年稼働開始)で処理されてきたこと,上記 2清掃工場の将来的な老朽化による廃止に備えて被告が平成10年度以降、 新清掃工場建設の候補地選定の検討を行ったこと,平成11年に山形市志戸田地区,平成13年に山形市蔵王半郷地区.平成18年に上山市柏木地区, 平成22年に上山市大石陰地区を検討したこと,平成22年に処理能力約1 5 0 tずつの2工場方式としたこと,平成23年11月に立谷川における新清掃工場建設を決定したこと,大石陰地区を平成24年2月に断念したことと⑤は認め,その余は否認乃至不知。
イ. (2) (3頁)について
 訴状4頁の図が本件エネルギー回収施設のフローシートであること,処理方式:流動床式ガス化溶融方式処理規模:150t (75t/日×2炉2 4時間連続稼働)との点は認め,その余は否認乃至不知。被告は,平成27年3月より.ウェプサイト上で本件エネルギー回収施設の概要,処理能力, 計画ごみ質設備方式,焼却条件,公害防止基準等を定める「要求水準書」 を公開している(乙第1号証 ウェブサイト,乙第2号証 エネルギー回収施設《川口》建設及び遥営事業 要求水準書 設計・建設業務輻,乙第3号証 エネルギー回収施設《川口》建設及び運営事業 要求水準書 運営・維持管理業務編)。
ウ. (3) (4頁)について
 被告が本件エネルギー回収施設に一般廃棄物焼却施設である小動物焼却施設を設けること,甲第2号証の一般廃棄物処理施設設置届出書に小動物の種類,種類別の数量の記載がないこと,設計計算書に計算がないこと, 5頁の図が小動物焼却施設のフローであることは認め,その余は否認する。
(2) 2 (6頁)について
 6頁の図が本件エネルギー回収施設の建設地周辺の地図であること,南北に山地があること,北側に山形新幹線奥羽本線の土堰堤が東西に伸びていることは認め,その余は否認する。
(3) 3 (7頁)について
 ア.第1文乃至第4文のうち,被告が平成28年7月12日に山形県知事に一般廃棄物処理施設設置届出書を提出したこと,甲第2号証の一般廃棄物処理施設設置届出営に一部ハッチングがなされていることは認め,その余は否認 乃至不知。上記のとおり,被告は本件エネルギー回収施設の「要求水準書」 を公開している。
 イ. (1) (7頁)について
 第1文,第2文は一般論としては概ね認める。
 ①のうち,第4文は不知,「建前」との点は否認し,その余は一般論としては概ね認める。
 ②の第3文は認め,その余は否認する。
 ③の第1文乃至第4文のうち「全ての廃棄物焼却炉にほぽ共通のシステムとして」との点及び第2文の「アンモニア」との点は否認し,その余は湿式 の排ガス処理方式に関する一般論としては概ね認める。但し,本件エネルギ ー回収施設は,これとは異なる乾式の排ガス処理方式を採用している, ③の第5文(ア乃至ウを含む)のうち,排ガス中の有害物質の除去が吸収, 吸着,濾過,分解,化合等の物理的あるいは化学反応を利用して行われること,排ガスから有害物質を完全に除去できるものではないことは一般論とし ては認め,その余は否認乃至不知。一般的には,有容物質を十分に(排出基準の範囲内に)除去するための滞留時間を確保しているものである。
 ウ. (2) (9頁)について
 第1文は認める。
 第2文乃奎第7文のうち,焼却残さのスラグ化,高温処理によるダイオキ シン類の分解除去がガス化溶融炉の利点であることは認め,その余は否認乃 至不知,
 エ. (3) (10頁)について
 (ア) iのうち,第1文は認め,第2文は否認する,
 (イ) iiのうち,訴状11頁の図が本件エネルギー回収施設のフローシートで あること,ガス化炉の温度設定が記載されていないこと,廃棄物の一部を燃焼してその熱によりガス化に必要な温度を維持すること,必要空気量に一定係数(空気比)を乗じた空気を吹き込むこと,投入廃棄物の熱量の変動に追随して空気量をコントロールするシステムが必要であること,甲第2号証の一般廃棄物処理施設設置屈出書に低質ごみ,基準ごみ,高質ごみの別に3成分と低位発熱量が記載されていること,設計計算書においてハ ッチングがなされていること,燃焼計算式が記載されていることは認め, その余は否認乃至不知。
 (ウ)iii(12頁)のうち,エコノマイザーが熱交換器であること,減温塔が排ガス温度をバグフィルター入口の適温まで降下させること,ダイオキシン類の再生成(デノボ合成)があることは認め,その余は否認乃至不知。
 (エ) iv (12頁)のうち,本件エネルギー回収施設の主たる除害設備がバグフィルターと触媒反応塔であることは認め,パグフィルターが使用経過と共に圧力損失が大きくなり濾過能力が変動すること,触媒反応塔には窒素酸化物の分解除去の効果と主目的ではないがダイオキシン類の分解除去の効果があること,いずれも触媒を用いた化学的分解反応であるため窒素酸化物と触媒の接触時間が除去率の決め手となること,触媒毒による触媒の機能低下があることは一般論としては認め,その余は否認乃至不知。

3 第3(13頁)について
(1) 1について
 否認乃至不知。
(2) 2について
 ア. (1) (14頁)について
 訴状第3の2(1) (14頁乃至52頁)は前段の第3の1に「以上は,原理的な一般論であって,現実的,具体的な話ではない。実際はどうか?という点については・・・具体的な評価はできない。」(11頁20行目),「本訴状においては,上記“排ガスによる被害"に重点をおいて述べるが,・・・予想される被害に関しても十分に具体化できない点も多々あるので,その点も 含めておって補足する。」(14頁17行目)とあるように,本件エネルギー回収施設の排ガスに関する具体的事実ではなく,廃棄物焼却炉の排ガス中の 有害物質に関する一般論・抽象論(法規制の状況等)となっている。
 しかしながら,本件訴訟の争点は本件エネルギー回収施設による具体的な人格権侵害の事実の有無(排ガスによる被害の有無)であり,かかる具体的 事実を離れた一般論・抽象論の当否が問題となるものではないことから,訴 状第3の2(1) (14頁乃至52頁)に対する認否は不要である。
 イ. (2) (52頁)について
 (ア)第1文,第2文は否認乃至不知。
 (イ) iのうち,訴状53頁の図が本件エネルギー回収施設の敷地内の配置と建屋南側立面図であること,煙突の位置が排ガス排出口と示されている建屋東南角であること,煙突の商さが59mであること,立面図において寸 法がハッチングされていること,訴状54頁の図が風向・風速調査の結果 であること,西の風が多いこと,本件エネルギー回収施設の排ガスの影響につき生活環境影響調査(甲第3号証)が行われたことは認め,その余は否認乃至不知。
 (ウ) iiのア乃至ウ(56頁乃至65頁)は否認乃至不知。
(3)3(65頁)について
 ア.第1文乃至第6文のうち、本件エネルギー回収施設と原告****の事業所が市道と忠川を間に挟んで近接していること,被告が行った生活環境調査の結果風向・風向調査において年間を通じて西の風が多い傾向となってい たことは認め,その余は否認する。
 イ. (1) (65頁)のうち,本件エネルギー回収施設の造成工事等が始まって大型トラック,ダンプカー,重機運搬車の通行が増えていること,国道13号 線から上山市道前川ダム東線を通って建設地に至ること同市道が片側ー車線で,本件エネルギー回収施設の建設に備えて一部拡幅消雪道路工事が行わ れたこと,前川ダムの奥で行われているNEXCOの高速道路工事現場を往復する大型車も走行していることは認め,その余は否認乃至不知。
 ウ (2)(69頁)のうち,原告らの一部が関連訴訟において水害時の忠川の護岸崩壊,前川橋冠水による避難路喪失等の主張を行ったことは認め(但し,いずれも認められていない),平成25年7月に本件エネルギ一回収施設の建設予定地から忠川への雨水の流出があったこと,平成26年7月に上山市道前川ダム東線の上方での斜面崩落に伴い忠川に少量の土砂が流入たことは 訴状69頁記載の写真の限度で認め,その余は否認乃至不知。
 エ. (3)乃至(5) (70頁乃至72頁)は否認乃至不知。
 オ.(6) (72真)について
 (ア)第1文乃至第5文は否認する。
 (イ)i (73頁)について
 訴状第3の3(6)のi(73頁乃至78頁)は本件エネルギー回収施設の騒音に関する具体的事実ではなく,騒音被害に関する一般論・抽象論と なっている。しかしながら,本件訴訟の争点は本件エネルギー回収施設の 騒音による具体的な人格権侵害の事実の有無であり,かかる具体的事実を 離れた一般論・抽象論の当否が問題となるものではないことから,訴状第 3の3(6)のi(73頁乃至78頁)に対する認否は不要である。
 (ウ)ii (78頁)のうち.被告が行った生活環境調査における騒音調査地点が調査書(甲第3号証 エネルギー回収施設《川口》建設事業 生活環境影響調査書《要約版〉〉) 4頁記載のとおりであることは認め,その余は否認 する。
 (エ) ii (79頁)は否認乃至不知,
 (オ) iv (79頁)は否認乃至争う。
 ク.(7)(80頁)のうち,本件エネルギー回収施設の煙突の高さが59mであ ることは認め,その余は否認乃至不知。

4 第4 (82頁)について
 (1) 1について
山形市内に日焼却能力(公称)が180トン(90トン炉×2基)の2つの清掃工場(半郷,立谷川)があることは認め.その余は否認乃至不知。
 (2) 2(83頁)について
否認乃至争う。

5 第5(85頁)について
 引用されている裁判例については判決文記載の限度で認め,人格権,差止請求権等の法的主張については争い,その余は否認乃至不知。

6 第6(97頁)について
 争う。

第3 被告の主張
 次回期日までに,本件エネルギー回収施設の排ガス等が法令の基準内であり違法性がないこと,差止の判断基準等の被告主張を準備書面にて提出する。

以上


今後予定されている裁判:

平成29年11月 6日(月) 13:15- 
山形県上山市川口清掃工場建設に関する裁判|平成28年(行ウ)第1号 上山市清掃工場用地造成工事公金支出差止請求住民訴訟事件

清掃工場(公称エネルギー回収施設)を建設するための造成工事(平成28年5月31日 工事終了)の建設計画や安全性などに多くの問題みられるため、すでに支出した公金の返還を求める訴訟です。守る会は、組合の監査委員に対し住民監査請求をおこないましたが、棄却されたため住民訴訟を提起しました。

平成29年11月28日(火) 15:00- 
山形県上山市川口清掃工場建設に関する裁判|平成28年(ワ)第236号 一般廃棄物焼却施設建設禁止等請求事件

平成24年5月に突如山形県上山市川口地区に建設が決定した清掃工場(公称エネルギー回収施設:山形広域環境事務組合は清掃工場とよばずに「エネルギー回収施設」と呼んでいます)本体の建設中止、かつ建設後の操業禁止を求める訴訟です。川口地区決定に至るまで、平成11年に山形市志土田地区、13年に山形市蔵王半郷地区、18年に上山市柏木地区、22年に上山市大石陰地区と候補地を定めながらも住民の反対運動が激しく、4度に渡り計画を断念した経緯があり、5度目の今回では、あまりにも強引に決定されたため(地域住民にはほとんど清掃工場についての説明がないまま、きわめて短期間のうちに決まった)、この経過・結果に納得できない市民が住民訴訟を提起しました。

平成29年11月28日(火) 15:30- 
山形県上山市川口清掃工場建設に関する裁判|平成29年(行ウ)第8号 川口地区助成金公金差止等請求住民訴訟事件

清掃工場建設予定地である山形県上山市川口地区の地区会に対する不正な助成金の受け渡しについてを問う裁判で、川口地区会に支払われた助成金の返還と今後支払われる予定の助成金の支払停止等を求めています。

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