山形県の環境と観光産業を守る会

山形県上山市川口地区に建設予定の清掃工場(エネルギー回収施設)に関する詳細、および諸問題について

ごみ処理にかんする山形市からの回答:山形市公式ホームページ「みんなの意見・提言コーナー」への投稿 | 山形県上山市川口清掃工場問題

f:id:mamorukai:20170731042235j:plain

 平成29年6月18日、山形市公式ホームページ「みんなの意見・提言コーナー」宛に意見を寄せた市民がいらっしゃいます。ごみ処理に関する内容でしたので、投稿者のご了解を得て、掲載させていただきます。

 その意見に対し、同年7月19日に山形市より回答がありましたので、併せて掲載致します。

 山形市のごみ処理は、山形市を中心とする2市2町(山形市上山市山辺町・中山町 )で構成される山形広域環境事務組合によって管理、運営されており、現在山形市の2か 所(蔵王半郷地区・立谷川地区)において、ストーカ式炉が稼働しています。

 各市町から排出される燃えるゴミの比率は、8 : 1 : 0.5 : 0.5であり、山形市から排出されるゴミが、全体の約8割を占めていることが分かります。

 しかし、どちらの炉も老朽化が著しいということで、これまで約17年に渡り、新たな 炉の建設計画が進められてきました。これまでの候補地では5回の反対運動が起こり、 上山市川口は5回目の反対運動になります。そのような中、現在建設が行われているのは、 山形市立谷川(従来のストーカ式炉隣接地)と、1年遅れで上山市川口ということになります。

 2市2町の「ごみ処理基本計画(5年毎に更新)」を見ると、いずれも熱心にゴミ減量と 分別、リサイクルに取り組んでおられ、循環型社会形成に向けてよい方向に進んできたことが伺えます。山形市では、個人、団体、事業者で構成される「ごみ減量もったいないねット・山形」が行政と共に活動を続けており、「ごみ減量」と「資源の再利用」を推進するために活動し、実績を上げています。

 しかし、この2市2が導入決定した「ガス化溶融炉」は、従来型のストーカ式炉より も更に高温で燃焼するため、これまでの燃えるごみ(紙・生ごみ・布など)の他に、プラ スチック類も燃焼可能ということで、これまでの基本方針が変更され、ごみ量が増加に 転じることが予想されています。これは、ごみ減量の目的に相反することではないでしょうか。

 この投稿は、そのあたりの矛盾点について、山形市の担当課に尋ねた内容ですが、 残念ながら、その矛盾点について明快な回答にはなっていないことを残念に思います。

 守る会では、現在稼働している山形市半郷・立谷川焼却場に関する焼却ごみのついてかつて情報公開請求し、膨大な量の処理実績データを入手し、専門家に分析をお願いした結果「2市2町の燃えるごみは、人口の自然減少や市民のごみ減量努力が功を奏し、順調に削減されており、今後焼却場は1か所で済む」という結論に達して、その論文を組合管理者並びに山形県知事へ提出しております。

 またこの投稿では、「エネルギー回収施設」と銘打ちながら、 実際は地域にそれほど還元されないのではないか、と疑問を投げかけていますが、それに対しどのようにエネルギーを還元されるか回答がありません。
 ●守る会による組合事業の調査では、発生する廃熱エネルギー利用として
  1 焼却施設内での使用(具体的内容は不明)
  2 電気自動車への利用(具体的内容は不明)
  3 施設までの上山市道の一部融雪利用(冬期のみ)
 とされており、周辺地区へエネルギーを還元するとは記載されておりません。

 今回の山形市からの回答により、「ごみ削減を目指しながら、(炉の性質上、燃やし続けなければならないため)大量のごみが必要とされる焼却場が2か所必要なのか」という大きな矛盾に、これらを推進する山形市自体が回答できないことが明らかになりました。


「みんなの意見・提言コーナー」への投稿と回答

投稿:公称「エネルギー回収施設」は市民のゴミの分別と減量の努力を無駄にし、分別意欲を低下させる施設になるのでしょうか。                               

 立谷川の清掃工場が新たに建て替えられ、10月に稼働すると新聞報道がありました。また半郷清掃工場も老朽化のため、それに代わって上山市南部に新たに建設が進められ、それは米沢・東京方面に向かう列車や新幹線の車窓からも間近に工事の様子が覗えます。

 しかし山形市役所と山形広域環境事務組合のホームページを拝見すると、どちらも「清掃工場」とは称しないで、「エネルギー回収施設」と称されており、これが正式名称になっているようです。現在の立谷川と半郷の清掃工場は4月から広域環境事務組合に移管なったようですので、新施設も事務組合の所管になりますが、山形市役所内には「ゴミ減量推進課」という部署があり、文字通りゴミの減量化を目指す仕事をされながら、事務組合のホームページを見れば、新しいエネルギー回収施設はプラスチック類の搬入が増え、むしろゴミの増量を招く施設のように思われ、山形市と広域環境事務組合とは真逆の方向性にあるようなので、整合性の有無についてお伺いさせていただきます。

 「エネルギー回収施設」という呼称から連想されるのはゴミの焼却熱を活用しての発電施設のようで、毎日膨大な量のゴミを焼却すればかなりの電力を一般家庭や事業所に供給できるようなイメージです。しかし広域環境事務組合のホームページで見る限りは電力の供給は施設とその敷地内に限られ、発電施設としてはかなり小規模で、あくまでも施設の主力事業はゴミの焼却(正確には溶融)のようで、「エネルギー回収施設」という呼称はかなり実態からかけ離れているのではないでしょうか。

 そして、施設の本体は「焼却炉」というよりは「流動床式ガス化溶融炉」ということのようで、プラスチック類の焼却に伴い発生し易い有害なダイオキシン類の発生を極力抑制するために従来の焼却炉よりもかなりの高温で溶融するようです。つまりは、それだけ燃料費がかかるので、その代わりに焼却すればかなりの高熱を発するプラスチック類が事実上の補助燃料として“歓迎”されることになり、それゆえ多ければ多いほど効率的になるようです。

 また、ペットボトルも炉に投入すれば高温燃焼しそうです。むろん、プラスチック類ほどでなくとも紙類も多いほど望ましく、ナマゴミさえ敵ではなくなりそうです。こうなれば、過去何十年にもわたって廃棄物の分別を徹底化してきた市民の努力は何であったのかということになります。 また、両施設とも効率的運転の維持のために24時間稼働とのことです。つまりはそれだけ「燃やせるゴミ」の量が必要になるように思われます。 山形市役所には「ごみ減量化推進課」という部署があり、市民からなる「もったいないネット」という組織もゴミの減量化運動により協力しており、その他の一般市民も日常的にゴミの分別と減量化に努力してきましたが、二つの「エネルギー回収施設」が完成のうえ稼働すれば、むしろ分別は疎かになるだけでなく、「ゴミの増量」が推進されることになりかねません。それで、10月からの立谷川での稼働開始を前に、燃えるゴミ(「燃やせるゴミ」と申した方が適切だと思います)とプラスチック類、ペットボトルは従来通り分別の徹底を求められるのか、それとも分別は縮小で再編集されるのか、または同じ袋に入れてもよろしいのか、お伺いしたいと思います。 ※個人的には従来どおりに、分別回収して資源化し、ごみ減量化推進運動に官・民ともに協力し、清清しい空気の山形・2市2町広域の環境を守ることをめざす選択も検討すべきと考えております。多額の税金を燃やすごみ処理に費やす政策から、いかにして燃やさず処理するかに知恵をしぼる政策を進めていただきたいと思っております。 以上のように私は「エネルギー回収施設」という呼称に違和感がありますし、また、ゴミ減量化とは裏腹のゴミ増量化に転換しそうな予感がありますので、山形市と事務組合から納得のいく回答をいただきたいと思います。

Eメールによる山形市からの回答:

-----Original Message-----From: 広報課
Sent: Wednesday, July 19, 2017 4:23 PM
To: *****@*******
Subject: 山形市公式ホームページ「みんなの意見・提言コーナー」への投稿に対する回答について

****様

 このたび、本市ホームページ「なんたっすやまがた」の「みんなの意見・提言コーナー」にご投稿いただきありがとうございます。

さて、平成29年6月18日にいただいた、ご意見ご要望、お問合せについて、大変遅くなりましたが、以下のとおりお答えいたします。

 平成28年度に山形市の家庭から排出されたごみは、燃やせるごみは42,808トン、プラスチックごみは1,674トンで、有料化以前の平成21年度に比べ、燃やせるごみは5,343トン、プラスチックごみは508トン減少しています。

 現在、燃やせるごみは清掃工場で焼却しておりますが、プラスチックごみは、立谷川リサイクルセンターに搬入後、民間施設において焼却、または一部固形燃料化によるリサイクルが行われております。

 新たなエネルギー回収施設では、これらのプラスチックごみを環境保全に優れた自前のガス化溶融炉で全量焼却処理することによって、熱エネルギーとして回収を図るものであり、発電や温水に利用することにより、これまでよりも効率的に資源として活かすものであります。このようなリサイクルの方法をサーマルリサイクルと言い、エネルギー回収施設という名称は、このことに由来するものであります。

 また、エネルギー回収施設の処理規模は、山形広域環境事務組合を構成する2市2町のごみ処理基本計画に基づいて設計されており、2つのエネルギー回収施設の処理能力は、現在の施設の360トン/日よりも2割程規模が小さい300トン/日となっており、今後とも燃やせるごみの減量に努めるため、ペットボトルや古紙類については、これまで以上に再資源化を進めるなど、市民・事業者と連携しながら、ごみを出さないライフスタイルへの転換を図る運動を展開してまいります。

 なお、ごみの分別・収集方法につきましては、プラスチックごみの可燃材としての効果的な活用方法や、分別によるごみの減量効果等を検証しながら、エネルギー回収施設(川口)が稼働し2場体制が整うまでの間に決定してまいります。

 今後もごみ減量施策へのご理解とご協力をいただきますよう、よろしくお願い申し上げます。

 今後共、市政発展のためご理解とご協力を賜りますようお願い申し上げます。

〒990-8540
山形市旅篭町2-3-25
山形市役所環境部ごみ減量推進課長
℡代表023(641)1212 内線688

 


山形市公式ホームページ「みんなの意見・提言コーナー」
http://www.city.yamagata-yamagata.lg.jp/iken/iken.html

© 山形県の環境と観光産業を守る会, All rights reserved