山形県の環境と観光産業を守る会

山形県上山市川口地区に建設予定の清掃工場(エネルギー回収施設)に関する詳細、および諸問題について

昨日(7月18日)の裁判について:守る会提出の第7準備書面の公開 | 山形県上山市川口清掃工場問題

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上山市川口清掃工場敷地造成工事に関する住民訴訟が結審しました!  

 上山市川口では、昨年6月に敷地造成工事が終了し、8月より本体工事が始まりました。現在、本体差し止め訴訟が行われていますが、同時に以前より敷地造成工事の住民訴訟(平成28年(行ウ第1号))が続いています。

 本日(平成29年7月18日)は、山形地裁において16:00より弁論準備が行われ、引き続き第3号法廷において口頭弁論に進んで結審致しました。

 判決は、平成29年11月6日に、山形地裁で言い渡されます。

 ここに至るまで、守る会は証拠として1~69号証と準備書面(1)~(7)を提出し、 組合側は証拠として1~13号証と第1~6準備書面を提出しています。また、途中で守る会は、山形県に対し「公開質問状」を提出し、回答を戴きました。これらの経緯につきまして、順次公開して参ります。

 この造成工事に関し最も大きな問題は、これまで田畑であった土地が、造成工事 によって保水力を失い、隣接する「前川ダム放水路(一級河川忠川)」に雨水や廃水が流失する事態を危険とみなす点です。これまでの準備書面では、この造成工事を計画した受注企業や、雨水排水計画を立案した個人の資質も問うています。山形県の計画では、本来この前川ダム放水路を流れる計画流量は0トンであるべきですが、 組合の計画では「わずかだから問題ない」という判断で、工事が進められました。

 守る会は河川工学の専門家に依頼し、この計算を分析して戴いた結果、組合の雨水排水計画書の計算に誤りがあったことを指摘しました。「計画を立案した企業担当者の反論書は、説得性に欠けていて危険というのが、守る会の申し立てです。

 更に守る会は、前川ダム放水路三面張りコンクリート壁の劣化状況や、組合が左岸壁を大きく切り欠いたことによる放水路の危険性についても指摘して参りました。 また、平成29年4月17日付で、守る会は裁判所に対し下記2点の申し立てを行いました。

  1. 証拠申出書(2)「人証の申請」
    造成工事を行った企業代表を証人として呼び出すことを求めました。
  2. 調査嘱託申立書
    山形県村山総合支庁建設部に対し「忠川及び前川に関する計画高水流量が争点の一つとなっているため、担当官庁の見解を調査する」ことを求めました。

 しかし、本日の口頭弁論では、裁判長よりいずれの申し立ても「必要がない」と の理由で却下されたため、結審に至りました。

 本日結審したとはいえ、これまでの守る会の申し立てに対し、組合側は十分に反論したと納得することはできませんが、判決が下る日を待ちたいと思います。

 当記事では、前回5月29日付で、守る会が提出した「準備書面(7)」を公開致します。


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平成28年(行ウ)第1号 上山市清掃工場用地造成工事公金支出差止請求住民訴訟事件

準備書面(7)

原告 上山市
被告 山形広域環境事務組合 管理者佐藤孝弘

平成29年5月29日

上記原告ら訴訟代理人
弁護士 坂本 博之

山形地方裁判所 御中

第1 はじめに
 本書面は、原告らの主張の補充を行うものである。

第2 原告らの主張の補充
 原告らの第6準備書面に対する被告の態度について
 被告は、原告らの第6準備書面に対して、前回の弁論準備手続きの際に、特に反論を行わない旨発言した。
 このことは、被告において、原告らの第6準備書面の内容について、特に争わない旨を表明したものと理解すべきである。

二 本件造成地における排水口の問題

1 前川ダム設計時の計画について

 昭和48年8月、「前川治水ダム事業計画書」に基づき、前川治水ダム放水路としてコンクリート護岸3面張り水路が築造された。この前川治水ダム放水路が忠川である。この設計に於いては、忠川の流域(集水区域)に、本件造成地は含まれていない。つまり設計時は、前川治水ダム下流からの雨水排水は計画されておらず、前川治水ダム放水路の計画洪水流量は0㎥/sとなっている。この点は、これまで、原告らが繰り返し述べたところである。

2 敷地造成工事における前川治水ダム放水路左岸の欠損について

 組合が行っている本件造成工事において、改めて注目すべきなのは、その雨水排水計画における2か所の排水口地点で、忠川の左岸側コンクリート水路護岸壁高さを大きく切り欠いている点にある。このように、護岸コンクリートを大きく切り欠いていることは、忠川及び前川への洪水氾濫を招くことになる。

 即ち、コンクリート水路護岸壁は、流域からの雨水排水量を規制すべき(本件において、忠川の計画洪水時には0㎥/s)ものであるが、組合は、その計画護岸を大きく切り欠いて、造成地の排水のみを優先しており、下流の前川の氾濫への影響には全く考慮されていない。この排水口の切り欠きは、従前の造成地からの排水口よりも格段に巨大になっており、造成地からの雨水排水を従前よりも遙かに大量に行うことを可能としている。

 また、この切り欠きは、本来は左右岸平等であるべき河川管理施設護岸高の常識を逸脱している。そして、特に排水樋管周辺の護岸壁内鉄筋は、すべて寸断されてしまい護岸強度を保持する連続性は失われた。組合は、新たにコンクリート樋門を設置したが、この樋門コンクリート打設の際、従来護岸壁に残存する鉄筋と、新たな樋門の鉄筋が正しく接合されたか、疑問である。組合は放水路を管理する山形県に対し、護岸切断とその復旧について図面訂正を申請しているが、その接続における詳細図は示されていない。今後起こり得る豪雨時に、この排水樋門が、前川ダムからの放水の圧力に耐えうることを裏付ける証拠はない。

 そして、河川管理施設として計画護岸高を維持管理すべき施設に、2か所の排水口を設けると共に、計画護岸高を切り下げていることは由々しき問題である。河川法上従来の護岸高は左右岸平等に保持されるべきであるが、排水樋門敷地内部は従来の護岸天端よりも低く施工され、段差ができている。この護岸壁が従来設計を無視した高さであることにより、河川管理施設としての機能は維持できなくなってしまっている。つまり、豪雨時に前川ダムから放水された場合、放水路を流れる水は、この低く施工された護岸部より造成地内に流入し、樋門部を洗堀することになる。それにより、排水樋門は崩壊流出する恐れがある。いかにコンクリートを頑丈に新設しても、洗堀されれば、足元から崩壊する危険性がある。その結果、造成地に本来貯留されるべき洪水氾濫量の水量を忠川に排水し、前川の洪水を増長する施設となってしまっている。早急に護岸壁を従来の形状に復旧すべである(以上、甲68)。

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