山形県の環境と観光産業を守る会

山形県上山市川口地区に建設予定の清掃工場(エネルギー回収施設)に関する詳細、および諸問題について

清掃工場造成工事について 山形県に対し公開質問状を提出 | 山形県上山市川口清掃工場問題

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 現在、山形県の環境と観光産業を守る会は、上山市川口に建設中の清掃工場(公称エネルギー回収施設(一般ごみガス化溶融炉工場))建設に至る過程 (架橋工事に関する河川占用許可の是非)において、山形県と係争中で す。

 その訴訟とは別に、守る会は、山形広域環境事務組合(施設設置主体) を相手に、敷地造成工事(既に工事終了)の公費返還を求める住民訴訟を 行っております。造成工事自体にたいしては、山形広域環境事務組合は山形県の認可は必要ありません が、敷地及び敷地に接する山(通称物見山)から排出される雨水について は、一級河川忠川(前川ダム放水路)へ排水されるため、忠川を管理する 山形県の許可を取る必要があります。守る会は、造成工事計画自体が危険で違法であるとして、計画実行した山形広域環境事務組合を提訴しています。

 平成27年5月14日、山形県は山形広域環境事務組合より忠川の河川占用許可申請を受理し、「許可するをやむを得ない」というコメント付きで、同年7月23日 に許可しました。この、山形県が認可した経緯、詳細については明らかではありません。守る会は訴訟以前より、山形県の河川課に対し、専門家と共に何度か話し合いに訪れていますが、未だに納得できる回答を戴いておりません。そこで守る会は、これまでの経緯を含めて資料を作成し、公開質問状に回答して戴くことに致しました。

 公開質問状は、河川法に関する複雑な内容が多いため、図を用いて分かりやすくしております。これらの図説は、専門的な資料に基づき、河川工学の専門家に分析して戴いた内容です。守る会は、この敷地造成工事を行ったことにより、豪雨時に下流域での水害が増幅されると主張しております。

 添付資料が多いため、数日に分割して公開して参ります。この記事では、公開質問状に添付した資料(全3枚)の1枚目を公開します。

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(*図中の説明文(左上から))

■ 観光資源  前川ダム湖での釣りや、かつて忠川の両岸に広がっていた自然景観、山地のトレッキング、物見山に祀られている岩屋観音、前川に架かる堅盤橋などがあります。高畠から上山に至る旧街道は、山形県アルカディア( 桃源郷) 街道と言われ、明治初期にイザベラ・バードも、この橋を渡りました。

■ 産業資源  山形ブランドとしての米( つや姫) に象徴される田園風景や、観光果樹園( 紅柿・サクラン ボ・ラフランス・ぶどう等) が、前川沿いに広がっています。

■ 前川ダム  治水ダムとしての完成により自然渓流であった忠川の豊 かな自然環境、景観、親水性、生態系を一気に破壊してしまいました。

■ 前川ダム放水路(一級河川忠川) 広がる田園を巨大なコンクリート水路で分断され、流量がコントロールされているため、常に水はほとんど流れていない( 流量配分は0m3/s) 状態にあります。

■ 結果として  前川ダム治水計画 は、それまでの豊かな自然や河川環境を、景観的、生態系的に破壊してしまったことがうかがえます。

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避難路寸断 上山市道谷部崩落 平成26 年7 月12 日

1.上山市道前川ダム東線一部崩落
 前川ダム堤頂及びダム管理所へ向かう上山市道前川ダム東線は、平成 26 年7 月の豪雨によりダム手前の 谷部が崩落し、長期間通行禁止となりました。山の谷部は、前川ダム周辺に数か所存在しており、今後も土砂崩れや道路崩落の危険性があり、 市道は災害時の避難路としては問題が残ります。

 

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前川氾濫により護岸が一部流出   平成26 年7 月12 日 

2.前川氾濫により護岸が一部流出
 前川ダム建設に伴い、昭和57 年に前川ダム放水路が整備されました。この計画は、かつて自然な山間を縫って流れる忠川としての渓谷美や、重要な 観光資源であった優美な忠川池をも無にし、自然な貯水効果をもつダムとしての役割を果たしていた山間の狭隘部を、巨大なコンクリート断面で貫いた ため、河道および沿河の田畑としての貯留効果も失いました。更にダムから の放水を直接前川へ流すようにしたため、改修の進まない一級河川前川への負担(洪水量)は大きくなり、その結果下流域での危険は増幅されることになってしまいました。

 

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耕作放棄田畑に溜まった雨水が前川に越流 平成25 年7 月18 日 

3.耕作放棄田畑に溜まった雨水が前川に越流
 平成25 年豪雨の際の雨水は、すでに耕作が放棄された建設予定地からあふれ出て、忠川へ直接滝のように流出しました。コンクリート護岸壁で遮られた水流は、土に浸透貯留することなく下流へ真っすぐに流れ下ります。
 更に、建設予定地の地面は、敷地造 成工事により保水力を失った(ほぼゼロになる) ため、前川への流入量は益々増大して、下流域での氾濫を増幅し、人口密集地での被害を拡大させると考えられます。実際、平成25 年、26 年と、 上山市は2 年連続で豪雨に襲われ、前川流域に被害を及ぼしています。

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*図中の絵を拡大


今後予定されている裁判:

平成29年2月14日
平成28年(行ウ)第1号 上山市清掃工場用地造成工事公金差止請求住民訴訟事件

清掃工場の建設される土地の、主に河川法の観点からの違法性についてが主題です。

平成29年2月23日
平成28年(行コ)第19号 前川ダム東線道路改良工事公金支出差止請求住民訴訟控訴事件

この訴訟では、清掃工場建設予定地までの道路の改良工事に使用した公金の返還を求めています。工事自体は既に完了していますが、この計画自体があまりにも杜撰で、工事を行ったにもかかわらず既存の問題がまったく解決しておらず、計画内容にも多々問題があるため、裁判において被告(上山市長 横戸長兵衛氏、(控訴審では被控訴人として))の責任を追及しています。

平成29年3月7日
山形県上山市川口清掃工場建設に関する裁判|本体訴訟(事件名称未定)

突如建設が決まった、山形県上山市「川口」清掃工場の建設中止および操業差し止めを求める裁判です。この清掃工場建設計画は、平成11年に山形広域環境事務組合によって計画され、以後4度に渡り計画が頓挫しました。川口は5度目の候補地として、平成24年12月に突然決定されたため、建設中止及び操業差し止めを求めています。

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