山形県の環境と観光産業を守る会

山形県上山市川口地区に建設予定の清掃工場(エネルギー回収施設)に関する詳細、および諸問題について

山形県と上山市の資料から見る 前川流域の氾濫の危険性について [ 平成28年4月26日裁判 / その2 ]

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 河川は基本、国民の財産ということになっていますが、川の管理は河川によってバラバラです。
 公称エネルギー回収施設(川口)敷地に接する一級河川「忠川」と近くで合流する一級河川「前川」の管理は、山形県によって行われています。前川は従来より所謂「暴れ川」であり、たとえば昭和42年の羽越水害のような大きな被害をもたらして来ました。それを解消するため、昭和57年に治水を目的とした「前川ダム」が忠川上流に完成しました。(参考リンク:羽越水害40年 国土交通省 東北地方整備局

 しかし、ダムは完成したものの、豪雨による水害はまだ続いています。近年では平成26年7月にも、上山市内に被害をもたらし、水害対策は十分とは言えません。前川ダムや忠川、前川ダムを管理しているのは山形県ですが、上山市の災害対策は上山市がおこなっており、対策の一環として洪水ハザードマップを作成しています。このマップは平成26年3月に改訂されています。

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(図)上山市 洪水避難地図 洪水ハザードマップ 平成26年3月改訂

 守る会は、この改訂されたマップを参考に、山形県が作成した「前川の危険水位流下能力一覧表(前川流域の流量がどれくらいで、どれくらいの水が流れに川が耐えられるのか)」の数値を地図上に配置してグラフ化しました。これにより、現在の前川の両岸がどれくらいの流量に耐えられるのかが、視覚的にわかります。ここから、洪水などが起きていない状態でも、多くの箇所で現在の流量が計画流量を下回り、氾濫する可能性が指摘できます。一覧表で赤文字になっている場所は、実際平成26年の豪雨で浸水しています。造成地から排出される雨水(山に降る雨も含む)は、忠川に排水されますが、忠川の流量は基本的に0㎥/sとされています。ゼロと計画されている川へ、造成地へ降った雨水を排出することに問題はないのでしょうか。

 公称エネルギー回収施設へ入るためには、浸水が予想される五反田橋を渡らなければなりません。この橋の先にいる人は、避難の際にこの橋を渡る必要がありますが、非常に危険なことであり、リスクの高い場所であると考えられます。また、羽前中山の方へ抜ける昔ながらの山道はあるものの、この道は平成26年豪雨の際に大規模な崩落を起こしており、この場所も危険であると言えます。

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(図)五反田橋付近における前川の計画流量と危険水位流下能力について
山形県が作成した流下能力一覧表を基に、河川工学の専門家にアドバイスを頂き作成。

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(図)前川危険水位流下能力一覧表(山形県)
一級河川前川(山形県管理)の危険水位流下能力についてまとめた一覧表。下から7行目が五反田橋地点での数字です。この前後の特に左岸側で流下能力が計画流量より低く、赤文字で示されています。

 守る会は豪雨時における前川の安全性を求めて今後も訴訟を継続して参ります。そして、このような場所が、果たして施設建設にふさわしい地域であったのか、再考を促したいと思います。

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