山形県の環境と観光産業を守る会

山形県上山市川口地区に建設予定の清掃工場(エネルギー回収施設)に関する詳細、および諸問題について

澄んだ空気と水 第37号 2016.02.05 (金) 発行 造成工事に関し山形広域環境事務組合を提訴致しました

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造成工事に関し山形広域環境事務組合を提訴致しました

経緯と説明
 平成27年10月28日付けで、山形県の環境と観光産業を守る会(以下、守る会と略す)会員17名は、山形広域環境事務組合(以下、組合と略す)監査委員に対し、現在行われている公称エネルギー回収施設(上山市川口)の敷地造成工事に関する住民監査請求を行いました。
 上記敷地造成工事は、昨年(平成27年)8月から開始されていますが、その経緯に不適切な行為があるとの監査を求めたものです。しかし、請求人の意見陳述を経た結果、同年12月24日付けで棄却されました。守る会は、この結果を不服とし、弁護士を通じて平成28年1月21日付けで、山形地方裁判所宛に訴状を提出致しました。
 造成前、建設予定地は水田や畑地であったため、敷地全体に保水力を有していました。しかし、造成を進めることで保水力は低下して、忠川へ排出される雨水量が増加します。敷地は南側で里山に接しているため、忠川に排出される雨水には、敷地に降った雨水だけではなく、里山に降った雨水も含まれます。訴状は、造成工事を進めることにより保水力が弱まり、忠川が合流する一級河川前川の水量が増大する危険性等について訴えたものです。
 造成中の敷地は、一級河川忠川(実質前川ダム放水路)に接しており、敷地からの雨水等は、新設される排水樋管や排水口、さらに既設の排水管等から排出され、忠川を通じて上山市内を流れる前川に排出されます。前川は造成以前、すでに二年連続で氾濫しており、上山市内流域に被害をもたらしました。これ以上の水量が前川に流れ出ることは、安全上看過できません。忠川と前川は一級河川であるものの、山形県が管理していますが、この二本の川には河川整備計画がありません。整備計画を持たないまま川への排水量を増やすことは、危険極まりないことです。さらに、組合が算定した敷地からの排水量は過少である、との誤りがあることを指摘するものです。
 守る会は提訴に先立ち、組合に対し平成27年10月28日、造成工事に関する仮処分命令申し立てを、山形地方裁判所に行っております。来る2月26日には、第2回審尋が行われる予定です。また、建設用地に入るための「新忠川橋」に関しましても、工事費用の公金支出差し止めを求める住民訴訟を継続中です。

 組合に対する公称エネルギー回収施設(川口)敷地造成工事公金差し止め請求住民訴訟訴状は以下の通りです。(長文の為、一部割愛させていただきます)

訴 状

原 告 9名 (山形市民及び上山市民)

被 告 山形広域環境事務組合
管理者 佐藤孝弘

上山市清掃工場用地造成工事公金差止請求住民訴訟事件

請求の趣旨

  1.  被告は、エネルギー回収施設(川口)の敷地造成工事に関し、平成27年7月3日
    A社・B社工事共同企業体との間で締結した工事請負契約に基づく請負代金3億7098万円のうち、金2億3084円を支出してはならない。
  2.  被告は、市川昭男及びA社・B社工事共同企業体に対し、金1億4014万円及びこれに対する平成27年8月20日から支払済まで年5%の割合による金員の損害賠償請求をせよ。
  3.  訴訟費用は被告の負担とする。

との判決を求める。

請求の原因

第1 本件造成工事計画の概要

  1.  山形広域環境事務組合(以下「組合」という)は、別紙物件目録記載の土地(以下「本件土地」という)において、新たに清掃工場(組合は、清掃工場と言わず、「エネルギー回収施設」などという事実を隠ぺいするための事実にそぐわない名称を用いている)を建設する計画を有し、A社・B社工事共同体(以下「本件企業体」という)に対して、工事請負契約を締結して工事(以下「本件工事」という)を発注している(甲1、2)。
  2.  本件工事の請負契約は、平成27年7月3日、仮契約が締結され、同年7月24日、債務者の議会によって議決され、本契約となった(甲1、2)。
    本件工事の工期は、平成27年7月24日~平成28年5月31日となっている。
    本件工事の内容は、別紙工事目録記載のとおりである。
    本件工事の工事代金は、金3億7098万円とされており、このうち、平成27年8月20日、金1億4014万円が既に支出されている(甲3)。

第2 当事者(省略)
第3 本件造成工事の問題点(省略)
第4 市民らの権利侵害(省略)
第5 その他の違法性

  1.  本件契約は内容が不明確である。
     そもそも、本件契約は、本契約の契約書は存在しない。仮契約書がそのまま本
    契約書になるということのようである(甲2)。しかし仮契約書には、本件造成工事
    の内容が全く示されていない。仮契約書には、本件工事の内容について、「別紙 エネルギー回収施設(川口)敷地造成工事 共同企業体協定書」というものが存在するように読める記載がある(甲1)。しかし、そのような協定書も存在しないようである。なぜなら、原告Cらが、組合に対して工事請負契約書等を含む「川口のエネルギー回収施設敷地造成工事入札に関するすべての書類」について、情報公開請求を行ったところ(甲28)、そのような協定書は開示されなかったからである。
    従って、本件契約は、内容が不明確な契約であるというほかはなく、契約内容を特定できないから無効であるというほかはない。

第6 住民監査請求

  1.  原告らは、平成27年10月28日、本件訴訟の内容と同様の内容の住民監査請求を、組合の監査委員に対して提起した(甲29)。
  2.  ところが、組合の監査委員は、平成27年12月24日、上記住民監査請求を棄却する決定を行った(甲30の1、2)。同決定は、同年12月25日に原告ら代理人の下に到達した。なお、組合の監査委員は、以下の(1)~(4)の全部について、「理由がないので棄却する」と言いつつ、(1)~(3)の点については、地方自治法242条1項の要件を満たしていないから監査の対象としなかった、(4)の点については監査の対象としたが棄却した、という言い方をしている。
  3.  組合の監査委員が上記住民監査請求を棄却した理由は以下のようなものである。
    (1)  本件工事が河川法等に違反して違法であるとの点については、組合が行った財務会計上の行為との関連性を示しておらず、地方自治法242条1項の規定には該当しない。
    (2) 原告らの人格権・財産権等を侵害するとの点については、地方自治法242条1項に規定する組合が被った損害を述べていない。
    (3)  本件工事の入札は談合がなされたものであるとの点については、原告らが示している証拠は、入札結果を示しているものであり、談合が行われたことを客観的に示しているものではなく、単なる憶測や主観を述べたものに過ぎない。
    (4)  本件工事の契約内容が不明確で無効であるとの点については、敷地造成工事共同企業体協定書が存在しないという主張であると捉えたうえで、組合から提出された書類の中にそのような協定書は存在するから、本件工事は有効である。
  4.  しかし、上記監査結果は、以下に述べる通り、誤りである。
    (1)  上記(1)の点については、本件工事に関する契約は、河川法に違反し、公序良俗に違反するから無効となり、無効な契約に基づく支出が違法であることは当然のことである。原告らの主張は財務会計上の行為について指摘しているものである。
    (2)  上記(2)の点については、本件工事が多くの市民の人格権・財産権を侵害し、公序良俗に違反するものであり、公序良俗に違反する違法無効な契約に基づく支出は、それ自体地方自治体に損害を与えるものである。
    (3)  上記(3)の点については、原告らが提示した入札結果に関する文書(甲27)は、それ自体で、極めて不自然な入札結果を示しており、通常人の感覚に照らせば十分に談合が行われたことを推認しうるものである。
    (4)  上記(4)の点については、敷地造成工事共同企業体協定書なるものが、原告らに対して開示されなかったことは事実であり、開示されなかった以上はなかったものというほかはない。監査結果にもそのような書類の写しは添付されておらず、単に「あった」と述べているだけにしか過ぎない。また、(4)の点で原告らが主張したのは、仮契約書には造成工事の内容が全く示されていないという点もあったが、この点については、監査結果は全く答えていない。

第7 まとめ

 従って、被告は、本件契約に基づいて既に支払われた金1億4014万円、あるいは少なくとも本件契約金額の1割の金3709万8000円について、市川昭男及び本件企業体に対して、損害賠償請求ないし不当利得返還請求を行うべきである。そして、本件契約金額のうち、未だ支出されていない金額については支出を差し止めるべきである。

 

今後の予定 

訴訟3件(於:山形地方裁判所) 平成28年2月26日(金)

10:00~ 造成工事に関する仮処分命令申立事件審尋(組合に対する)
10:15~ 忠川架橋工事公金支出差止に関する住民訴訟(組合に対する)
10:30~ 忠川の河川占用許可取消を求める行政訴訟山形県に対する)

<紙名〈澄んだ空気と水〉の命名意図>

生物は太陽の光と熱により生息し、空気と水の環境度合いによって生命の維持が左右されています。この会は、わが故郷・緑多き山形が、でき得る限り澄んだ空気と水を維持し、地球汚染の要因とならぬよう努力して行きたいという理念に由来しています。

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