山形県の環境と観光産業を守る会

山形県上山市川口地区に建設予定の清掃工場(エネルギー回収施設)に関する詳細、および諸問題について

澄んだ空気と水 第33号 2015.11.12 (木) 発行 上山市監査委員に対する川口エネルギー回収施設関連市道工事に関する住民監査請求について(後編)

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(図:本文補則資料)清掃工場に至る道路での15tトラックの軌跡とすれ違い時の重なり。拡張工事後も大型車両同士のすれ違いは困難な場所が多々ある。

(前編からの続き)

第3 違法の理由

三 本件工事の問題点~通行権侵害

  1.  本件道路は幅員が狭く、国道13号線から、新橋梁に至るまでの間に、5カ所ほど、大型車(15トントラック)同士のすれ違いが困難な場所がある(①国道13号線から本件道路に侵入して間もない場所にあるカーブ箇所、②本件道路が前川に架かる五反田橋を渡る前のカーブ箇所、③本件道路が五反田橋を渡り切った後のカーブ箇所、④本件道路が奥羽本線の下をくぐる前のカーブ箇所、⑤本件道路から新橋梁に入る箇所[甲5])。このうち、本件工事によって拡幅されるのは、上記のうち、④だけであり、その他の場所について拡幅工事がなされる予定はない。
  2.  しかし、本件工事によっても、④の箇所はすれ違いが可能になるということではなく、①~③及び⑤は、本件工事によっても改良されることはない(甲12)。
  3.  本件道路は、清掃工場に関し、新橋梁の建設工事や清掃工場敷地の造成工事が始まるまでは、大型車は、請求人会社Bの車両以外は殆んど通らなかった。ところが、清掃工場の造成工事及びその建設により、本件道路を大型車が頻繁に通ることとなったし、それらの工事が完成すればこれまでにも増して数多くの大型車が通ることになる。本件工事は、これまでにも増して大型車の通行を多くするために行われるものである。
  4.  ところが上記のとおり、本件工事によっても、大型車同士のすれ違いが困難な箇所が5カ所も残ることになる。そして、本件工事によって大型車がより多く通ることになれば、大型車同士のすれ違いが困難な場面が数多く出来することとなり、本件道路の円滑な通行は困難となる。特に請求人会社Bは、日常的に本件道路を大型車の通行のために利用してきたのであり、その通行権が侵害されることは明らかである。
  5.  本件工事によって拡幅される上記④の箇所は、拡幅がされるほか、歩道が設置される。しかし、本件工事によって大型車の通行が増加する一方、歩道が設置される場所はそこだけであり、他の箇所には設置されない。このような工事のやり方は、それまで安全に本件道路を通行してきた歩行者や自転車走行者の道路通行の安全を妨害し、その通行権を侵害するものである。
  6.  さらに、本件道路は、上記のように、大型車両の対面交通が不可能であるため、清掃工場や請求人会社Bの工場において火災などがあった場合、緊急車両の通行が困難となる。即ち、消防車や救急車のような緊急車両のうち、特に消防車は大型車両並みの幅がある。清掃工場に団体の見学者がいるような場合には、大型バスで避難することもありうる。しかし、本件工事によっても、上記のような緊急車両の通行が可能になることはなく、逆に、本件工事によって清掃工場出入りする大型車の通行が増えるということになると、現在にもまして緊急車両の通行が困難な事態となる。これは、請求人会社Bやそこに勤務する従業員らの平穏生活権を侵害するものである。
  7.  このように、本件工事は、請求人会社Bをはじめとして、多くの者の通行権等を侵害するものである。このような結果を招くことは、本件道路の現場を見れば一目瞭然である。本件工事は、このように、請求人会社Bをはじめとして多くの人たちの通行権を侵害するものである。本件工事を行うことを目的とした工事請負契約は、公序良俗に違反し、民法90条の規定に従って無効となる。

四  本件工事に至る経過の問題点

  1.  上山市内における清掃工場の建設予定地を選定するにあたり、上山市は、平成24年4月10日、「清掃工場候補地検討委員会」を設置した(甲6)。そして、第1回検討会が同年5月9日に開かれた。その席上、組合が抽出した3つの選定条件を示した資料(甲6・資料3)が配られたが、その3つの条件の一つが「敷地が大型車両の対面通行可能な公道に接しており、又は接することが容易な場所であること。(進入道路が必要となる場合は、公道から敷地に容易に接続できる場所であること。)」というものであった(引用箇所の下線は、原文のまま)。しかし、既にみてきた通り、本件清掃工場予定地は、大型車両の対面交通が可能な公道に面してはいない。
  2.  上山市は、市内の中山地区、川口地区(本件予定地)、金谷地区、金瓶地区、須刈田地区の5つの地区を候補地とした。上記検討会では、①住宅との接近性、②直近地区の意見・声、③搬送効率、④道路とのアクセス、⑤土地の地形・地質、⑥電力・給排水整備の容易性、⑦地域振興策の可能性、⑧緩衝地帯の有無の8つの選定条件のそれぞれについて、「より優れている」が3点、「普通」が2点、「やや劣る」が1点とし、さらに最重要の条件は3倍、重要の条件は2倍の点数を配することとして、上記5つの地区のうち、どれが清掃工場用地として適しているかを判断することとした(甲7~9)。そして、検討会では、12名の検討委員がそれぞれ、上記8つの条件のそれぞれについて点数をつけ、それを集計することとされた(甲9)。④道路とのアクセスという条件は、重要な条件とされて、各得点数を2倍することとされた(甲8)。
     検討会の庶務を担当することとなった上山市市民生活課は、平成24年5月24日に開かれた第2回検討会までの間に、上記5地区のそれぞれについて、上記8つの選定条件に関する調査を行い、同検討会において報告した。その際、「道路とのアクセス」という選定条件の調査ポイントは、「幹線道路との接続が容易であるか。また、周辺の交通事情を把握する。」ということとされた。そして、川口地区についての調査結果は、「幹線との接続が容易」「交通量の多い国道交差点からの進入」ということになっていた(甲8)。上山市の検討委員会における選定条件の検討に当たっては、組合から示された道路アクセスに関する選定条件である「大型車両の対面通行可能な公道に面する」という条件が、なぜか「幹線道路との接続が容易」というような条件にすり替えられていた。また、上山市からは、川口地区の候補地付近の公道の幅員が狭いことなどは検討会に示されることはなかった。
  3.  平成24年6月6日に開催された第4回検討会の席上、検討委員から出された選定条件に関する点数評価が提出された。川口地区の道路とのアクセスという条件については、合計点数54点とされ、5つの地区のうち2位であった(1位は須刈田地区の62点)。12名の委員のうち、最高点の3点をつけた委員が4名いた。川口地区は、総合でも合計396点で2位であった(甲10、11)。ところが、最終的に、上山市は、なぜか、川口地区を清掃工場用地として選定したのである。
  4.  以上に述べたところから明らかなように、川口地区は、清掃工場用地として、組合が設定した選定条件に合致しない不適地であった。しかし、上山市は、自ら設置した検討会において、組合が設定した道路とのアクセスに関する条件を、川口地区が不適とされないようにすり替えを行って点数評価をするなどの欺瞞に満ちた操作を行って、川口地区を清掃工場用地として選定したものである。
  5.  本来、清掃工場建設のために、そのアクセス道路となる本件道路について、拡幅工事を行うことなど、本末転倒のことであり、本件道路は、拡幅工事を行わなくても、大型車両の対面交通が可能な道路でなければならなかったはずである。
    従って、清掃工場建設のために行っている本件道路の拡幅工事は、市民を欺いて、本来行う必要がなかったはずの工事を行っているものであって、その工事を行うに至った経緯が欺瞞性に満ちているものと言わねばならない。このような工事を行う契約は、公序良俗に違反して無効であるというべきである。

五 談合の疑い(省略)

六 まとめ(省略)

以上

 

<紙名〈澄んだ空気と水〉の命名意図>

生物は太陽の光と熱により生息し、空気と水の環境度合いによって生命の維持が左右されています。この会は、わが故郷・緑多き山形が、でき得る限り澄んだ空気と水を維持し、地球汚染の要因とならぬよう努力して行きたいという理念に由来しています。

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