山形県の環境と観光産業を守る会

山形県上山市川口地区に建設予定の清掃工場(エネルギー回収施設)に関する詳細、および諸問題について

澄んだ空気と水 第32号 2015.11.12 (木) 発行

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山形広域環境事務組合監査委員に対し川口エネルギー回収施設造成工事住民監査請求を行いました

 去る10月28日、山形県の環境と観光産業を守る会(以下守る会と略す)の会員を含む山形市及び上山市民17人は、守る会弁護士を通じ、山形広域環境事務組合(以下組合と略す)監査委員宛に「山形広域環境事務組合職員措置請求書」を提出致しました。請求の対象者は、組合管理者である佐藤孝弘山形市長と、同会計管理者です。請求内容は以下の通りです。書面の関係で、冒頭部及び第1請求の対象者を省きます。

第2 監査対象事項

 山形広域環境事務組合(以下「組合」という)管理者市川昭男は、エネルギー回収施設(川口)敷地造成工事について、平成27年7月1日に入札を行い(予定価格金3億5406万9000円[税抜])、金3億4350万円(税抜き)で入札したA・B建設工事共同企業体(以下、「本件企業体」という)が落札した。同年7月3日、上記管理者市川は、請負代金額金3億7098万円(税込)で、同企業体との間で工事請負仮契約を締結した。その後、同年7月24日に組合の議会で、上記仮契約が承認され、本契約が締結されたものとみなされた。工事の工期は、平成27年7月24日~平成28年5月31日とされている。

 しかし、上記敷地造成工事は、契約内容が不明確であり、河川法等に違反して違法であり、且つ請求人らの人格権、財産権等を侵害するものであって違法である上、談合が行われていたものと考えられるのであり、支出をすることは許されない。ところが、上記管理者市川は、あろうことか、上記のような違法な契約でありながら平成27年8月20日、契約金のうち、金1億4014万円を既に本件企業体に対して支払ってしまっている。

 なお、その後、平成27年9月28日、組合の管理者は、市川から佐藤孝弘に交替し、現在に至っている(以下、佐藤を「管理者」という)。従って、組合管理者は、上記予定されている支出は、違法なものであるから、その支出の差止を行うべきであるし、すでに支出された金1億4014万円については、市川昭男及び本件企業体に対して損害賠償請求ないし不当利得返還請求を行うべきである。

第3 違法の理由

一 本件造成工事計画の概要

  1.  組合は、別紙物件目録記載の土地(以下「本件土地」という)において、新たに清掃工場(組合は、清掃工場と言わず、「エネルギー回収施設」などという事実を隠ぺいするための事実にそぐわない名称を用いている)を建設する計画を有し、本件企業体に対して、工事請負契約を締結して工事(以下「本件工事」という)を発注している(甲1、2)。
  2.  本件工事の請負契約は、平成27年7月3日、仮契約が締結され、同年7月24日、債務者の議会によって議決され、本契約となった(甲1、2)。
     本件工事の工期は、平成27年7月24日~平成28年5月31日となっている。本件工事の内容は、別紙工事目録記載のとおりである。本件工事の工事代金は金3億7098万円とされており、このうち平成27年8月20日、金1億4014万円が既に支出されている(甲3)。

二 当事者(略します)

三 本件造成工事の問題点(会報29号仮処分申立書に準ずるため略します)

四 市民らの権利侵害

  1. (省略)
  2. (省略)
  3.  請求人C及び同Dは、忠川の下流の前川から、農業用水を取水している(甲12)。このように、同請求人らには、前川に対する農業水利権がある。
  4.  本件工事が行われた結果、豪雨の際に忠川へ大量の雨水が排出されることにより、前川が溢水することが考えられる。溢水した前川の水は、会社Eに勤務する請求人Fら及び会社Eの勤務者らが避難路を失う危険性、道路や橋が水没して生命・健康が危険にさらされる危険性がある。特に、忠川と前川の合流点の直下にあり、且つ災害時に避難路となる上山市道途中にある五反田橋は、洪水により冠水する危険性が高く、その場合避難路を断たれることも想定される。緊急時、忠川に前川ダムから放水されるサイレンが鳴っても、すでに避難路は水没している可能性がある。この場合、請求人Fらの財産権、人格権が侵害される。
  5.  あるいは、護岸崩壊によって忠川の流れが阻塞され、忠川が溢水し、上山市道を越えて会社E敷地内に侵入する可能性がある。実際に、平成26年7月の豪雨の際には、前川ダムより忠川に放水されており(甲26)、前川ダム直下の市道及び崖が崩落し、土砂が忠川に流れ込んでいる(甲26)。平成25年にも、清掃工場予定地が浸水するような水害が発生している(甲19の1、2)。この場合にも、請求人Fらの財産権、人格権が侵害される。

五 その他の違法性

  1. 本件契約は内容が不明確である
     そもそも、本件契約は、本契約の契約書は存在しない。仮契約書がそのまま本契約書になるということのようである(甲2)。しかし、仮契約書には、本件造成工事の内容が全く示されていない。仮契約書には、本件工事の内容について、「別紙 エネルギー回収施設(川口)敷地造成工事 共同企業体協定書」というものが存在するように読める記載がある(甲1)。しかし、そのような協定書も存在しないようである。なぜなら、請求人Gらが、組合に対して工事請負契約書等を含む「川口のエネルギー回収施設敷地造成工事入札に関するすべての書類」について、情報公開請求を行ったところ(甲28)、そのような協定書は開示されなかったからである。
    従って、本件契約は、内容が不明確な契約であるというほかはなく、契約内容を特定できないから無効であるというほかはない。
  2. 本件契約は談合がなされたものと判断される
    (1)  本件工事の入札に当たっては、落札者の本件企業体のほか、6社が入札した。各社の入札金額は、最低額が同企業体の3億4350万円([税抜。以下の価格はすべて税抜価格]予定価格の97.015%)であり、最高額がH・I社建設工事企業体の3億5400万円(予定価格の99.9805%)であった(甲27)。この僅かの価格の範囲内に7社が犇めき合っていたのである。本件工事のような工事は、多数の費目を積算して入札価格を決めるのであり、上記のように複数の業者が殆ど同じ価格になるなどということは通常は考えられない。このようなことが起こるのは、事前に価格を示し合わせていた場合以外には考えられない。
    (2)  本件企業体の落札価格も、他の入札業者の入札価格も、予定価格と殆ど差異がない。本件企業体の落札価格は、予定価格の97.015%という、極めて高率の数字である。本件は予め予定価格が公表されていた事案であるが、そのような事案で、しかも7社もの会社が入札し、本件のようにきわめて高い落札率で落札できるということは、通常は考えられない。このようなことが起こるのは、事前に価格を示し合わせていた場合以外には考えられない。
    (3)  従って、本件入札に当たっては、違法な談合が行われていたものと判断される。このような契約は、公序良俗に違反して無効であるというべきである。少なくとも、請負代金額の10%の範囲では公序良俗に違反して無効であるというべきである。そして、本件では、既にこの金額を超える金額が本件企業体に支払われているから、その違法に支払われた金額について、損害賠償請求ないし不当利得返還請求がなされるべきである。

六 まとめ

 従って、組合管理者は、本件契約に基づいて既に支払われた金1億4014万円、あるいは少なくとも本件契約金額の1割の金3709万8000円について、市川昭男及び本件企業体に対して、損害賠償請求ないし不当利得返還請求を行うべきである。そして、本件契約金額のうち、未だ支出されていない金額については支出を差し止めるべきである。

今後の予定 (於:山形地方裁判所)

12月4日(金) 11:30~ 架橋工事差止行政訴訟山形県
  13:15~ 造成工事仮処分 (組合) 第1回審尋

 

<紙名〈澄んだ空気と水〉の命名意図>

生物は太陽の光と熱により生息し、空気と水の環境度合いによって生命の維持が左右されています。この会は、わが故郷・緑多き山形が、でき得る限り澄んだ空気と水を維持し、地球汚染の要因とならぬよう努力して行きたいという理念に由来しています。

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