山形県の環境と観光産業を守る会

山形県上山市川口地区に建設予定の清掃工場(エネルギー回収施設)に関する詳細、および諸問題について

澄んだ空気と水 第31号 2015.11.11 (水) 発行 上山市川口地区へのごみ焼却場建設についての提言書(前編)

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山形広域環境事務組合管理者 山形市長に対し、川口エネルギー回収施設に関する提言書を提出致しました

 平成24年5月の計画発覚以降、山形県の環境と観光産業を守る会(結城玲子代表)及び川口地区の景観と環境を守る会(松田俊一代表)は、再三に渡り上山市(横戸長兵衛市長)、山形広域環境事務組合(市川昭夫前管理者)、山形県(吉村美栄子知事)に対し、意見書及び提言書、組合に対しては反対署名簿を提出して参りました。しかし、それらは完全に無視された状況が続いたため、刑事告発及び住民監査請求、訴訟に至っております。
 しかし、平成27年9月の山形市長選挙を機に、これまでごみ焼却場計画を進めて来た市川市長が勇退され、新たに佐藤孝弘市政となりました。山形市長は、二市二町で構成される広域清掃工場の管理者でもあります。守る会は、佐藤管理者にこれまでの経緯並びに、最新の提言をする必要があると考え、去る11月9日付けで「提言書」を提出致しました。提言書は山形市長宛の簡略な文書1通と、組合管理者宛の文書1通ですが、紙面では管理者宛の提言書を公開致します。(冒頭のまとめを省略します)。

 

上山市川口地区へのごみ焼却場建設について

表題につき、下記理由により中止を求める提言を致します。私たちの子ども世代孫世代の未来のために、ぜひご英断戴きたくご検討をお願い申し上げます。

1.山形県の環境と観光産業にとって致命傷となります

(1)県土の汚染拡大及び県民の健康被害拡大を懸念します。

  1. 県の統計によれば、児童の喘息罹患率は、立谷川清掃工場近くの高瀬小学校が第1位、半郷清掃工場近くの蔵王第二小学校が第2位です。
  2. 山形市半郷では住民の健康調査をお願いしておりましたが、異常なしの結果が出ているようです。しかし、その対象は周辺のこども全員ではなく、一部の住民に限られ、真実を反映していないと判断せざるを得ない状況です。
  3. 平成26年10月25日、市民によるダイオキシン調査を実施しました。果たして、残念ながら、ごみ焼却場とダイオキン汚染の関連性が示された調査結果となりました。
  4. 上山市川口地区は里山に挟まれた細長い地形であり、1年を通じて強い西風が吹きます。地形を考慮した三次元的解析によれば、ごみ焼却場の煙突から排出されるガスは、この西風により“ダウンドラフト現象”を生じ、拡散することなく濃度を保持したまま山の谷間を押し出される状態で上山温泉方面を直撃する、とされています。行政は責任をもって、この三次元的解析を依頼すべきです。
  5. EUでは、男子出生数の減少や先天性異常児発生数の高さも問題になっています。
  6. 横浜市で財政改善のためにごみ焼却場数カ所を廃炉にした結果、周辺のこどもの健康状態が改善したことは周知の事実です。
  7. 山形県でも子どもたちの健康に配慮してリサイクルを進め、脱・焼却(焼却規模縮小・廃炉)を推進すべきと考えます。

(2)採用予定の流動床式ガス化溶融炉は危険甚大と判断します。

  1. たとえ、バグフィルターを付けても、排ガス中にダイオキシンや重金属が含まれる ことが判明しています。
  2. 採用予定の流動床式ガス化溶融炉を導入している東京都世田谷区、千葉県流山市について詳細にデータを分析すると、実に事故が多く、その対応に多額の税金が支出されていることが分かります。
  3. さらにガス化溶融炉は何でも融かす能力を持っているため、分別がいい加減になりがちです。特に、全国的にプラスチックの混入を推進する傾向がみられます。
  4. モラル低下(分別がいい加減になりがち)と危険増大を同時に招く計画と知りながら、見て見ぬふりをすることは、絶対にできません。

(3)観光産業にとって経済的にマイナスです。

  1. 上山市川口地区は、アルカディア街道の一部であり、慶長出羽合戦の合戦場でもあります。予定地のすぐ上には戦死者の首塚があり、明治時代初期に英国人旅行家イザベラ・バードも渡った堅磐橋(三島通庸の遺構、山形県近代化産業遺産群として認定された石橋、明治11年竣工)も現存するなど、JR東日本と協働しているやまがたDCキャンペーンの目玉とも言える場所です。
  2. 山形県の観光にとって、大きなダメージになる場所を何故わざわざ選ぶのでしょうか 。景観や歴史遺産に全く配慮されない計画であることを、非常に残念に思います。
  3. 上山市の観光果樹産業や、クアオルト、かみのやま温泉観光産業にとってマイナスであることは明白であり、新幹線沿線でもあることから、山形県全体の観光収入減少という形で、将来の長い期間にわたり跳ね返ってくることが予想されます。

(4)上山市川口地区へのごみ焼却場建設は、いわば自殺行為です。

  1. 上述のとおり、ごみ焼却所建設は、環境・健康面でも、モラルの面でも、経済面でも、あらゆる面で、全く良いことがありません。これを知りながら見て見ぬふりをすることは、絶対にできません。
  2. 私たちの子孫が、健康被害に苛まれながら経済的困窮にも苦しむ事態が予想されることは明白であり、それを未然に防止するのが私たちの責務であると考えます。

(後編に続く)

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