山形県の環境と観光産業を守る会

山形県上山市川口地区に建設予定の清掃工場(エネルギー回収施設)に関する詳細、および諸問題について

澄んだ空気と水 第16号 2014.11.13 (木) 発行

山形県知事宛に申し入れ書を提出し回答を戴きました

 平成26年10月7日、上山市川口に計画されている「エネルギー回収施設」に関する山形県への申し入れ書(ご提案書)を、窓口指定された村山総合支庁河川砂防課宛に書留郵送致しました。この書類には、平成24年5月以来蓄積して来た根拠となる種々の分析等書類が添付されています(前号に掲載済み)。この申し入れ書に対する回答を戴くと共に複合的な話し合いを求め、吉村知事にお目に掛かれるようお願い致しました。申し入れ書に対する回答書を、10月31日に山形県庁にて受理しましたので、全面掲載致します。回答について山形県側から各部局6名のご担当者に参加戴き、内容についての質疑を行いましたが、疑問点や不足があったため再質問書を提出致しました。この再回答につきましては、次号に掲載させて戴きます。

平成26年10月31日

山形県の環境と観光産業を守る会の申し入れ書(ご提案書)に対する山形県の回答

意見1:
 前川及び忠川の須川に整合した河川整備基本方針、河川整備計画につき計画書を明らかにするとともに、現況流下能力を示し、上山市川口地区周辺に係る内水も含めた浸水想定区域の見直しをお願い致します。見直しに当たっては平成25年7月及び平成26年7月の水位記録、水害記録の再現を反映させた解析モデルによるものに改定し、さらに両年の内水被害も含めた実績浸水範囲を含めて改定して下さい。

回答:
 最上川水系河川整備基本方針については国土交通省ホームページ(注1)に、また、最上川水系村山圏域河川整備計画については山形県ホームページ(注2)に資料を載せておりますので、そちらをご覧下さい。なお、国土交通省から浸水想定区域の見直しについて新たな方針等が示された段階で、検討を進めて参ります。(県土整備部河川課)

注1: 最上川水系河川整備基本方針
http://www.mlit.go.jp/river/basic_info/jigyo_keikaku/gaiyou/seibi/mogami_index.html

注2: 最上川水系村山圏域河川整備
http://www.pref.yamagata.jp/ou/kendoseibi/180006/kasenseibi/kihonhousin-seibikeikaku.html

注1及び注2のHP上に前川整備計画は見当たりません。(守る会)

意見2:
 上記申し入れにより、上山市洪水ハザードマップの更新をご指導下さい。洪水ハザードマップは、豪雨時の避難所、避難経路をも示すもので、土砂崩れによる道路寸断が実際に現れている現状から土砂災害の危険性も見直すとともに、安全な避難が図れる方法をお示しください。現建設予定地は、昨今の内水氾濫や、近隣の道路、土砂崩れの状況からして、平成24年5月9日に上山市で行われた第一回清掃工場候補地検討委員会で示された資料3の「選定条件」(山形広域環境事務組合の抽出3条件)の項目2と3に合致しないものと考えます。予定地にごみ焼却場が建設された場合、水害時等に工場職員、近隣企業社員、ダム周辺の観光客等が安全に避難する経路を断たれる危険性があります。また組合では災害時、工場を川口地区民の避難場所にするとおっしゃっていますが、洪水で川口橋が冠水または橋が流された場合避難は不可能です。

回答:
 浸水想定区域の見直しをした場合には、上山市に対し洪水ハザードマップ更新の際の基礎資料として、情報提供を行ってまいります。(県土整備部河川課)

意見3:
 蔵王山気象庁が常時監視している全国47活火山のうちの1つであり、近年は火山性地震が頻発し、山形地方気象台は、「噴火しないという認識が一番怖い」と述べています。火山性地震の頻発が、抽出3条件に合致しているとは到底思えません。

(回答後日)

意見4:
 上記3点の申し入れにより、川口地区がエネルギー回収施設として不適切であることが明白である旨、山形広域環境事務組合をご指導下さい。一般的に、県は、市町村に対し指導する立場でないことは存じ上げておりますが、県管理河川の水害の危険性が実態と齟齬があること、特例として知事が権限を持っていらっしゃることを御理解戴ければ幸いです(守る会会報第2号4頁を御参照下さい)。さらに、現在稼働中の半郷清掃工場、立谷川清掃工場の稼働データ分析の結果、今後、ごみ焼却場は1つで足りるという論考を御覧下さい(会報第5号1頁をご参照下さい)。現在事業が進んでいる立谷川清掃工場は、200億円を超えると言われています。同様の規模の川口を含めると、400億円を超える巨額の経費が掛かる上に維持費も莫大となり、導入自治体の財政を圧迫していることが知られています。少子高齢社会の中で、不必要な税金の支出は極力避けるべきと思います。

回答:
 平成25年5月にも回答しておりますが、山形広域環境事務組合では、新しい清掃工場について、山形市立谷川地区に加え、平成24年12月に上山市川口地区に建設する計画を決定したと承知しております。今後、山形広域環境事務組合から、廃棄物処理法に基づき施設の設置届出がなされることになりますが、県では、その焼却炉の構造設備や機能などが技術上適正であるかを審査して参ります。(環境エネルギー部循環型社会推進課)

意見5:
 建設した場合の工場廃水について、組合は次のように回答しています。まず、施設内で使用された雑排水は、浄化槽処理後基準値以下にして放流する。プラントで使用された廃水は、高温を発するプラントに掛けて蒸発散させるため排水しない。敷地内に降った雨水は基準値以下として、忠川(前川ダム放水路)に排水させて欲しい。しかし、敷地内にはダイオキシン等の化学物質が蓄積している恐れがあり、有害化学物質が項目化されていない現行基準値を認める訳には参りません。山形県の管理下にある忠川への雨水排水を「不認可」として戴きたくお願い申し上げます。

意見6:
 山形県は循環型社会推進の方針をお持ちですが、それを推進するため、県全体の取り組みとして「生ゴミのコンポスト化」を推奨されてはいかがでしょうか。長井市レインボープランは、国内外で高く評価されています。都市部等で生ゴミ集荷所の設置が困難な場合は、山形市が行っている「生ゴミ処理器」導入を推進し、優良肥料として県産農作物に活かすことをご検討下さい。(会報9号及び12号をご参照下さい)また、工場から排出されるダイオキシンや重金属類が健康に与える害が、明らかになっています。市民の健康と自然環境、大気や土壌、地下水への悪影響は避けるべきです。(会報8号参照) 特に川口地区は県産品サクランボや「つや姫」Aランク米の産地で、農業用水としての前川の水質を悪化させる要因は除くことが肝要かと思います。

回答:
 ・河川法の規定では、事業に起因した汚水の排水については、1日50㎥以上の排水を行う場合は、届け出が必要となります。しかし、ご質問の雨水排水については、既存の排水路を通して河川に流れ込む場合は特に規制しておりません。ただし、雨水排水のための新たな排水樋門又は排水樋管を河川区域内に設置する場合は、河川法所定の手続きが必要になります。(県土整備部河川課)

 ・家庭から出る生ごみを分別収集し、たい肥化して地域の農家に利用していただく取組みは、生ごみの減量と資源の循環利用の観点から見ても有効な手段と考えております。県内の26の市町村がコンポストや生ごみ処理機の購入に対し助成制度を設けており、家庭の生ごみのたい肥化を進めております。県でも、平成24年3月に策定した第2次山形県循環社会形成推進計画において、生ごみのたい肥化を推進しており、県内の先進事例を積極的にPRしながら、市町村・地域単位での取組みを推進しております。(環境エネルギー部循環型社会推進課)

 ・下記に該当する施設を設置する場合は、県に対して事前に届出を要することとなっております。

  • 大気汚染防止法に規定する「ばい煙発生施設」を設置する場合
  • 水質汚濁防止法に規定する「特定施設」を設置し、施設からの排出水があり、かつ事業場からの排出がある場合
  • ダイオキシン類対策特別措置法に規定する「特定施設」を設置する場合

 今回の施設については、届出された段階でそれぞれ各法に基づき施設の設置、使用の方法、ばい煙等の処理の方法及び排出基準等の遵守について適正に審査してまいります。また敷地内のダイオキシン類及び重金属類については、土壌の汚染に係る環境基準が定められておりますので、事業者が必要に応じ当該土壌のダイオキシン類等の測定を行うことにより、土壌の汚染状況の評価はできるものと考えられます。なお、周辺環境の大気、河川及び土壌につきましては、県下全域で計画的に測定を実施しておりますので、環境基準が定められた項目について、その枠組みの中で監視してまいります。(環境エネルギー部水大気環境課)

 以上山形県から戴いた回答に対し、納得のいかない点や疑問点がいくつか見うけられましたので、これらに対し再度質問をさせて戴きました。山形広域環境事務組合は上山市川口における「エネルギー回収施設」建設計画を、山形県や河川国道事務所等の関係部局に通知することなく、一方的に事業を推進しているかのごとく窺えます。一説に二百数十億円と言われている巨大公共事業が、一組合の判断のみで行われることに問題はないのでしょうか。この事業が発覚した平成24年5月以来2年5ヶ月の間に、エネルギー回収施設建設に関する報告が、山形市報に掲載されたことはほとんどなく、山形市民はその事業内容をほとんど知らないままです。山形県は、この事業に対する監督責任があるのではないかと、私たち守る会は考えております。

【参考資料】平成24年5月9日に上山市で開催された第1回清掃工場候補地検討委員会資料3

 以下は建設地選定に関する3つの基本条件ですが、川口は特に条件2と3に対し不適合と言えるのではないでしょうか。上山市民検討委員会や山形広域組合議会において、基本条件に合致するか否かの専門的な検討は行われたのでしょうか。安全性に関わる大きな問題であると思います。※下記資料は、前号の再掲載となります。

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(写真上)平成26年7月豪雨による前川ダム方面市道崩落(写真下)平成25年7月豪雨による建設予定地冠水  

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