山形県の環境と観光産業を守る会

山形県上山市川口地区に建設予定の清掃工場(エネルギー回収施設)に関する詳細、および諸問題について

澄んだ空気と水 第13号 2014.8.29 (火) 発行

山形広域環境事務組合より山形県の環境と観光産業を守る会への回答書が届きました

 平成26年6月13日(金)私たち山形県の環境と観光産業を守る会(以下、守る会と略す)代表結城玲子と、二市二町(山形市上山市・山辺町・中山町)の一般ゴミ焼却場(公称エネルギー回収施設)建設を進める山形広域環境事務組合(以下、組合と略す)管理者でいらっしゃる市川山形市長が面談し、話し合いを行いました。これは平成24年5月に、上山市川口が候補地として名前が挙がってから初めてのことです。この間守る会は、何度か提言書や公開質問状、パブリックコメント等を提出して参りました。また同行した会員松田俊一さんは、守る会会員であり「川口地区の景観と環境を守る会」会長でもあり、平成24年10月に建設反対の署名簿を組合に提出している立場です。この間、2年の月日が流れました。

 約30分の話し合いの中で、私たちは新たに文書で質問・意見書を提出致しました。この2年間に知り得た事実や、学習を重ねて来た経緯を踏まえた内容です。この質問書に対し、組合より7月25日に郵送で届いた回答書をここに公開致します。回答を得るまで、6週間の時間を要しました。

山形広域環境事務組合が進める上山市川口地区に於ける「エネルギー回収施設」(二市二町の一般ゴミガス化溶融施設)について質問と回答

● 質問1:
 土地開発許可申請はすでに組合から提出されているでしょうか。これだけ広範囲にわたり影響のある建築物に対し、組合のみの判断で開発着工できることは、法に沿っているとはいえ問題があるのではないか。

■ 組合回答:
 一般廃棄物処理施設(ごみ処理施設)を整備する場合は、都市計画法の規定により土地開発許可申請は不要と確認しております。

質問2
 現在、生活環境影響調査が行われており、終了しておりません。にもかかわらず、取り付け道路や予定地内に建設道路が造られているのは何故でしょうか。

■ 組合回答:
 建設地における地質調査など各種調査行うため、平成25年度事業として仮設道路を整備しましたが、施設建設のための道路は整備しておりません。なお、建設地に重機を入れての作業については、JRが行っている線路の法面改修工事であります。

質問3
 敷地は、里山、前川ダム放水路、新幹線土手に囲まれた三角形の閉鎖的な土地です。緊急時等、これらの安全性(爆発・煙突の倒壊)に問題があると考えます。

■ 組合回答:
 建設地の選定に当たりましては、土砂災害警戒区域や地滑り防止区域、洪水ハザードマップ活断層などのデータを基に検討した結果、施設建設に大きな影響がないことを確認しております。また、建築基準法及び廃棄物の処理及び清掃に関する法律に定められた構造基準を遵守することは当然ながら、さらに「官庁施設の総合耐震計画基準」及び「火力発電所の耐震設計規定」などを準用し施設の安全を確保してまいります。

質問4
 国道13号線から敷地に入るためには、新幹線のガードをくぐる必要があります。この道路は上山市道ですが、前川ダムに向かう観光客や隣接企業の大型車両とのすれ違いが困難な状況です。(すれ違い実験終了済み)。爆発、一酸化炭素漏れ等の事故が発生した場合(全国で事例多数有り)、消防車、救急車等緊急車両の通行に支障がでるのではないでしょうか。

■ 組合回答:
 国道13号線から建設地に入る道路につきましては、これまでの川口地区説明会において、JRのガード部や見通しなどを不安視する意見があったことから、ごみの搬入車両や救急車両の通行に支障が出ないよう、隅切りの改良を含めた拡幅を含めた拡幅などを行ってまいります。

質問5
 国道13号線からの市道を拡幅できたとしても、このガードの拡幅は不可能で、それにより国道13号(かみのやま高架橋周辺)の慢性的な渋滞が予想されます。パッカー車よりもむしろ、工事期間中のダンプや重機等の交通量が多いが、隣接企業の大型車両とのすれ違いに支障はないでしょうか。また、前川ダムに至る道は遠足など観光に徒歩で利用され、危険はないでしょうか。

■ 組合回答:
 ごみ搬入車による渋滞につきましては、半郷清掃工場への搬入台数81台を基に、稼働後における交差点付近の通行量について検討したところ、支障はないと考えております。また、工事期間中は、誘導員を配置するなどスムーズな通行に努めてまいります。

質問6
 敷地上方には、前川ダムが存在します。大地震等の非常時にこの設定での安全性は確保できるでしょうか。強度や耐久性に問題はないでしょうか。

■ 組合回答:
 施設管理者でないため、コメントは差し控えます。

質問7
 前川ダム及び放水路に異常をきたした場合(想定外はあり得ます)住民の安全な避難は可能でしょうか。避難路の確保に付いてご検討下さい。

■ 組合回答:
 施設管理者でないため、コメントは差し控えます。

質問8
 豪雨等によりダムからの放水が想定以上に行われた場合、それを受ける前川の容量は十分ではないと思いますが、いかがでしょうか。昨年の降雨時、敷地は冠水して、放水路に自然放流されていた。しかし昨年、前川は橋桁スレスレになっており、橋が冠水すると逃げ場が失われる。橋より先に危険な工場が建つことに問題はないでしょうか。

■ 組合回答
施設管理者でないため、コメントは差し控えます。

 

質問9
 新幹線の窓に沿って、無粋な巨大煙突と箱物が建設されますが、これは自然豊かな山形県のイメージを大きく損なうことになると思います。景観上の問題をどのように捉えられますか。

■ 組合回答:
 当組合では、施設整備の基本方針の一つとしまして「親近感のある施設」を掲げており、敷地内に植栽を施すなど、周辺環境との調和を図ってまいります。また、当該事業は、山形県景観条例に基づき進めるものであり、煙突を含む施設配置などにつきましても、周囲の景観と調和のとれたものとなるよう、計画してまいります。

質問10
 山形市立谷川にも同一規模の施設が一年先に建設されます。しかし、竣工予定の5年後には、すでに燃やすべきゴミの量は半減すると専門家の指摘があります。

 また、ごみの8割を占める山形市のごみ排出原単位の考え方が違っているという点について、見直す必要があるのではないでしょうか。そうすると川口の施設は巨額(200億円超)な税金の無駄使いに思えます。(過去10年に渡る半郷と立谷川の工場稼働資料の分析結果提出)。資料分析の結果ゴミの量が激減し工場が不要になると結果が出ているが。

■ 組合回答:
 ごみの減量化につきましては、2市2町が中心となり、ごみ分別区分の見直しや雑紙の行政回収、生ごみ処理容器購入補助、家庭系ごみ有料化など、これまで様々な施策を講じてきた結果、1人1日当たりのごみ排出量は減少し、他自治体と比較しても決して多い量とは認識しておりません。当組合におけるエネルギー回収施設の処理規模につきましては、環境省の算定指針に基づき2市2町が策定した「ゴミ処理基本計画」を基に、300t/日としております。

質問11
 平成26年6月2日の上山土地改良区理事会において、「工場排水は再利用せず、前川に放流する」とおっしゃられたとのことですが、平成24年の地元説明会で「工場排水は敷地内で再利用する」とおっしゃったことと違っています。例え排水が規制値をクリアする数値であっても、排水には有害な化学物質が含まれ、周辺の農地に悪影響を与えることが懸念されます。約束が違うのではないでしょうか。(理学博士梶山正三氏の全国での被害提出)

 (注)この質問11に関し一部間違いがありましたので、お詫びして訂正致します。
1行目の変更 → 平成26年5月下旬に行われた前川利水ダム協議会の前に、一部協議会会員の方が工場建設予定地を訪れ、山形統合ダム管理課職員より「工場廃水は再利用せず、前川に放流したい、と組合が要望している」と伝えられました。

■ 組合回答:
 当組合では6月2日の上山市土地改良区理事会には出席していませんが、ご指摘の「工場排水は再利用せず、前川に放流する」との発言について土地改良区より確認したところ、そのような発言はなかったとのことでありました。なお、施設からの排水につきましては、川口地区における説明会での説明と同様、生活排水は合併浄化槽で処理を行い公共用水域に放流し、プラント排水は施設内で再利用するため、公共用水域には放流しない計画であります。

以上11項目に関する質問と回答をご紹介致しましたが、多くの未解決問題を孕んでいます。私たちは今後も市民の立場として、真摯に一つ一つの問題に向き合って参ります。

【次回研修会】

日時:平成26年9月7日(日)13:30~17:00

場所:山形まなび館1F 交流ルーム5

議題:ダムと河川が及ぼす周辺地域への影響~その危険性と避難~

講師:谷岡 やすし氏(災害・防災ボランティアかわせみ代表)
   博士(河川工学)技術士(総合技術監理)技術士(河川砂防及び海岸)

 

<紙名〈澄んだ空気と水〉の命名意図>

生物は太陽の光と熱により生息し、空気と水の環境度合いによって生命の維持が左右されています。この会は、わが故郷・緑多き山形が、でき得る限り澄んだ空気と水を維持し、地球汚染の要因とならぬよう努力して行きたいという理念に由来しています。

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