読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

山形県の環境と観光産業を守る会

山形県上山市川口地区に建設予定の清掃工場(エネルギー回収施設)に関する詳細、および諸問題について

澄んだ空気と水 第6号 2014.1.27 (月) 発行

山形県循環型社会推進課と話し合いました

これまでの経緯について:

山形広域環境事務組合が計画している一般ゴミ焼却場建設計画は、平成24年5月末、新聞紙上において突然一般市民の知るところとなりました。それまで二市二町を構成する山形市上山市、山辺町、中山町市民には広報されておりませんでした。上山市川口地区では地区52世帯の一部の世帯が知るのみでした。また上山市は民意を汲むというコンセプトで焼却場立地を検討する「清掃工場候補地検討委員会」を平成24年5月9日に設置し、同年6月12日までのわずか1ヶ月程度で結論を出しています。それまで地区住民集会を開くこともなく、たった12名の検討委員(うち一人は副市長)が短期間で審議し、上山市の意見として組合議会に上げてしまったことは、現在も禍根を残すことになりました。

これにより同年9月、地元住民による「川口地区の景観と環境を守る会」が結成され、10月には組合管理者市川山形市長宛に、反対署名簿が提出されました。上山市市民検討委員会を設置しながらも、十分に民意が反映されなかったための反対活動です。さらに同年12月6日、市川組合管理者が「上山市川口を建設地と決定した」と記者会見発表をされた日まで、わずか7ヶ月。この候補地が、過去15年間に渡り反対運動による建設断念を繰り返し、最終地を選定する経緯がまったく同様であったことは、市民に対する誠意が感じられない結果でした。

この間「川口地区の景観と環境を守る会」及び「山形県の環境と観光産業を守る会」は、横戸上山市長、市川組合管理者、吉村山形県知事への面会を求めましたが、未だに叶っておりません。この問題は家庭から出される「一般ゴミ」処理問題であるため、組合は独自で判断決定することができます。しかし会報2号でも報じられましたが、県はこの決定に介入することが可能です。その権利については以下の通りです。

廃棄物処理法の6条以下に一般廃棄物の処理は、市町村(または広域事務組合)の固有事務とされていると明記されています。県は、市町村の固有事務に介入しないのが本則ですが、「よほどのこと」がある場合、一般廃棄物処理施設の設置届出に対する、県知事の介入権を持ちます。

この県の権利に基づき検討下さるよう、私達守る会は山形県の担当部署へ面会を求めました。山形県循環型社会推進課4名と、守る会2名は平成25年12月24日、守る会が作成したレジメに基づいて、これまでの経緯一覧と意見書を元に説明を行い、県としての対応をお願い致しました。これに対し県は「あくまで組合が対応すべきこと」を繰り返していらっしゃいましたが、私達は「組合の段階は終わっている」と理解した上での意見書であることを伝えました。また平成25年9月に環境省担当部署を訪問させて戴いた際に「組合の固有事務であることは分かるが、県は県民の話を聞くべきである」とのお話しもさせて戴きました。

山形県への意見書抜粋 >

2 山形県として検討して戴きたいこと

  • 県が事務組合へ介入することはできないと言いますが、県は2つの権限を持っています。この権限を使い、二市二町との話し合いを持つべきではないでしょうか。そもそも問題の多い「ガス化溶融炉」建設について、土木建築や化学の専門家でもない素人の市民が選定することに無理があり、不適切な結果を導いたと考えます。
  • 守る会では、ガス化溶融炉ダイオキシン問題の専門家を複数回招き、あるいは訪問し、学習会を続けてきました。この結果、新工場竣工予定時には、工場は1つで済むという結論が出ています。この結果を真摯に検討すべきです。
  • 交付金に謳われている「エネルギー回収」の意味を考えて戴きたい。ガス化溶融炉は助燃剤を使って超高温でゴミを融かし、有害な排ガスを発生させる施設です。確かに余熱を周辺の限られた地区に還元することはできるでしょう。

    しかし今後は、「脱焼却」を目指すことが世界の潮流です。今どき、時代遅れのガス化溶融炉を2カ所も新設することは、信じがたい愚挙です。

  • ガス化溶融炉は全国で事故が頻発しており、「ガス化」故に爆発事故も懸念されます。万一爆発事故がおこった場合、川口では山形新幹線が敷地北側に沿って走っており、その外側の国道13号線も含めて交通の混乱や周辺住民への損害が予想されます。
  • 結果として、ゴミ焼却場は1カ所とし、隣接している「青果市場」を移転させることが望ましいというのが、専門家の意見です。竣工するまでの4~5年間は、県民に対し徹底したゴミ分別を求め、焼却する総量を徹底的に削減すべきです。特に水分の多い生ゴミは、コンポスト化して肥料とし(長井市レインボープランを参考にして)、紙ゴミは再資源化することで、かなりの減量となるはずです。

  • 一番先にできることとして、現在「燃えるゴミ」に混入を認めているプラスチックの完全分別リサイクルを実行して下さい。以上により、山形県は日本に先駆けた「脱焼却」「脱ダイオキシン」地区となるはずです。ご検討をお願い致します。

 

立谷川エネルギー回収施設の生活環境影響調査書に関する意見書を提出しました

立谷川エネルギー回収施設は、上山市川口地区よりも計画が1年程先行しています。生活環境影響調査が終了し、その結果が昨年(平成25年)縦覧されました。その調査書に関する意見書を、守る会は、平成26年1月9日山形広域環境事務組合に対し提出致しました。以下はその一部です。

 < 山形広域環境事務組合への生活環境影響調査に対する意見書抜粋 >

意見(1):

信頼できる施設とありますが、ガス化溶融炉を稼働させるためには高度な技術が必要です。DBO方式(公共による資金調達及び設計・建設・運営民間委託)で保障されるかもしれませんが、それだけでは安全とは言えず、第三者機関の監視が必要です。

理由:

万一の事故が全国各地で起こっているのが現実ですが、報道されることはあまりなく、一般には知られていません。

意見(2):

安心できる施設とありますが、ガス化溶融炉は全国で様々な事故が続発しており、ガスが発生する故に爆発事故の可能性も否定できません。焼却や溶融に頼らずリサイクルを推進すれば超高温で溶融する必要もなく、より安全で信頼できる施設になります。

意見(3):

回収したエネルギーを施設内で利用するとありますが、熱エネルギーは発生するものの、逆に助燃剤としての灯油類を必要とするため不経済で、嵩むランニングコストに苦しみます。

理由:

県外の自治体では助燃剤の経費が、財政を圧迫しているのが現実です。

■ 処理能力に対する意見

意見(1):

立谷川だけの算出式ですが、長期的には川口地区と合算した数式でなければなりません。それぞれ150トン/日とすると、2工場で300トン処理能力となりますが、今後も予想される少子化や高齢化によるゴミの自然減を考慮すると過剰設定と考えられます。(専門家の意見)

理由:

情報公開に基づき、過去の立谷川、半郷のゴミ処理報告書を専門家が分析した結果、新工場竣工時のゴミ排出量は現在の3分の1自然減が予想され、生ゴミのコンポスト化や紙ゴミの資源化等により、2分の1程度まで削減可能と判断されています。

■ 施設の処理方式に対する意見

意見(1):

溶融スラグとして資源化すると書かれていますが、できたスラグをどこに利用するか事前に決定しておくべきです。

理由:

スラグは各地で野積みされたままであることが多く、現実としてリサイクルの輪がうまく回っていません。

意見(2):

流動床式ガス化溶融炉とありますが、問題の多い炉で、多くのメーカーが製造から撤退しています。安全性に疑問を感じます。

理由:

流動床式ガス化溶融炉を見学し、説明を受けましたが、経験と技術と勘が必要で、安全を保つことが大変難しいとの説明でした。

 

流動床式ガス化溶融炉工場内部映写会

山形広域環境事務組合が上山市川口地区に導入予定の一般ゴミ溶融(焼却ではなく超高温の溶融)施設は、一時どのようなゴミでも融かしてしまう「夢の焼却炉」と言われ、全国で導入が進みました。しかし、現在全国で稼働している工場及び周辺地区では、いろいろな懸念事項を抱えています。

一般的に「煙突から排出されるのは煙ではなく、蒸気であり何ら問題はありません」とか、「DBO方式で、専門のスタッフが運転するので安全です」と、地元の方に説明されていますが、それは事実でしょうか。立谷川ではすでに生活環境影響調査が終わり「問題なかった」と報道されました。川口では1年遅れて現在影響調査が行われています。立谷川の生活環境影響調査書の冒頭には基本構想として施設整備3つのコンセプトが定められています。

1.信頼できる施設

2.安心できる施設

3.親近感のある施設

私達はこのコンセプトに沿い、計画を検証して行きたいと思います。

現在も首都圏で稼働中の200トン級流動床式ガス化溶融炉工場内部の見学をさせて戴き、ご担当者と質疑をしている様子も記録されています。通常、一般市民は危険であるため、内部見学をすることはできません。貴重な記録です。映写会は、どなたでも参加することができますので、参加人数、氏名、住所等をご記入の上、下記宛て電話またはFAXにてお申し込み下さい。

日時:平成26年2月9日(日)13:30~17:00
場所:山形まなび館(山形市立第一小学校旧校舎)
   1階右ウイング 交流ルーム2
主催:山形県の環境と観光産業を守る会(参加無料)
申し込みFAX:023-624-0721
お問い合わせ:090-7329-9770(結城)

私たちは「脱焼却」による工場1本化、さらなる焼却ゴミ減量を目指しています。

 

< 紙名〈澄んだ空気と水〉の命名意図 >


生物は太陽の光と熱により生息し、空気と水の環境度合いによって生命の維持が左右されています。この会は、わが故郷・緑多き山形が、でき得る限り澄んだ空気と水を維持し、地球汚染の要因とならぬよう努力して行きたいという理念に由来しています。

© 山形県の環境と観光産業を守る会, All rights reserved